「これで大丈夫かDC」バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生 mrさんの映画レビュー(感想・評価)
これで大丈夫かDC
前作『マン・オブ・スティール』は個人的には大好きな映画だったので今作も期待していたのだけど、至る所で目にする酷評、酷評、酷評。期待の度合いをかなり下げて鑑賞したつもりだったのだけど、それでもダメだった。これはひどい。
端的に言うと、自分の仲間を殺した憎き相手を「母ちゃんの名前が同じ」というだけの理由で許して仲間になっちゃう映画。
以下、主に後半に関する愚痴。
母親をファーストネームで呼ぶのは無理あるのでは。
スーパーマンが「マーサが~」って言ってバットマンが「(マーサ!? 俺の母ちゃんと同じ…だと…!!??)」ってなるだけで頭おかしいのに、ここぞとばかりにバットマン母の墓標に刻まれたマーサの名前や死ぬ直前に父がマーサの名前を呼ぶシーンをフラッシュバックさせる演出、どうでもいい描写もいちいち時間かけて撮ったアーティスティック()な俺カッケーなカットの連続と相まって鬱陶しさが限界突破。そもそもそんな理由で喧嘩やめるくらいなら最初から戦うなよ…
綺麗な映像と派手な音楽で誤魔化そうとしてるけど、都合のいいカットが多い気がした。
あんな目立つ所に発信器つけてバレない訳ない…ってそれはむしろレックスが上手く逆手に取る伏線だからいいとして。
ロイスの、例のクリプトンキラーな槍を深い水溜まりの中に落とすという行動に必然性の欠片も見当たらないから凄い。
それをスーパーマンが命からがらサルベージした後、化け物相手に仲間2人が命懸けで戦ってるのだからさっさと助けに行ってやればいいものを、丹念にイチャラブするスーパーマンとロイス。まあ母ちゃんの名前が同じっていう程度の絆だもんなそうだよな。
クリプトンキラーな槍の効能でスーパーマンは弱体化してて、それによって化け物倒す時に心臓一刺し食らって死んじゃうスーパーマン(そもそも化け物の右手攻撃を剣で切らず躱してれば剣の形状にはならなかったの、あれだけ戦ってればさすがに気付くよなワンダーウーマン)。何か今までやたらスーパーマン恐いとか家族返せとか言ってた奴らが手のひらクルーして彼の死を悼んだわけだけど、スーパーマンが死ぬ訳ないって観客みんな知ってるから悲しくならないし、ラストのラストで棺桶に乗った土がふわりと宙に浮いても何も驚きはしない。
後半に関するものだけで1000字近い愚痴をぶちまけたものの、どうして前半の愚痴が無いのかというと、それは上映時間が長すぎて、前半の内容をあまり覚えてないから()
こんな無理矢理で必然性の欠片も無い描写を並べ立てるくらいなら、長すぎる尺をもう少し短くする努力をしてほしかった。
褒めるべきポイントがあるとすれば、冗長とはいえ一応綺麗だった映像、入場者特典としてクリアファイルがもらえること、そしてジェシー・アイゼンバーグに坊主頭は似合わないという事実を大きなスクリーンを使って示してくれたこと。髪、次回作までに伸ばそうな。