「涙の名曲披露。」ジャージー・ボーイズ ハチコさんの映画レビュー(感想・評価)
涙の名曲披露。
イーストウッド卿、今度はブロードウェイミュージカルを映画化。
2006年トニー賞を受賞した「ジャージー・ボーイズ」だ。
今度はミュージカルに挑戦!?なんて驚いたけど、そういえば卿は
音楽に精通している。映画化も達者に仕上げるんだろうと思ったら
本当にそうだった^^;
舞台の原型を留めながら、大半がドラマ中心の内容になっている。
映画化されるまではいろいろあったようだが、ロックの殿堂入りを
果たした彼らの功績を、私世代が知るいい機会になったと思う。
因みにリアル世代ではないので(ビーチボーイズもビートルズも)
子供の頃にTVやラジオで聴いたのが始まり。日本の歌手も彼らの
楽曲をよく歌っていた。ファルセットヴォイスって、確か日本人
歌手にもいたんじゃなかったっけ(ザ・キング・トーンズとか)と思う。
男性があれほど高い美声を出すのが、子供時分には不思議だった。
そして今作では、それを堂々とフランキー役のJ・ロイド・ヤングが
再現する。この人は舞台も務めていたのでかなり上手い!聴かせる。
ファンだった世代にはウットリ、そうでない人でもどこかで聴いた
ことのあるフレーズや楽曲が出てくるので、きっと楽しめると思う。
「シェリー」や「君の瞳に恋してる」はもちろん有名だが、
「キャンディガール」や「バイバイベイビー」なんかもよく流れていた。
B・ゴーディオ作曲の「ショート・ショーツ」は、現在タモリ倶楽部の
オープニング曲で有名だ(あのお尻がたくさん出てくるやつね)
彼が加入してフランキーと組んだことで次々とヒット曲が生まれる。
ニュージャージー州最貧地区出身の4人には約束された未来がない。
歌声で駆け上がるにもバックでは地元マフィアの支援が欠かせない。
粘りに粘って栄光を掴みとるまでの軌跡が懇々訥々と語られたのち、
成功と挫折から再起・離脱・再結成までを彼らの名曲と共に映し出す。
色々あったけど、人生悪くないよね。と思わせるのは、
何よりも歌が彼らを輝かせ、救い、泣かせ、励ましてくれたからだ。
私にはボーイズ・タウン・ギャング版が耳慣れていた
「君の瞳に恋してる」は、今作を観たあとではもう涙なしに聴けない。
名曲は意外な状況から生まれることに感動。
(C・ウォーケンの華麗なステップにご注目。彼は元々ダンサーでした)