「映画ならではのラストの演出に涙」ジャージー・ボーイズ AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
映画ならではのラストの演出に涙
出世作となった「シェリー」は耳馴染があったが、ディスコブームの頃に日本でも大ヒットした「君の瞳に恋してる」のオリジナルがフォー・シーズンズのメインボーカル&作曲家コンビの曲だったことは映画で初めて知った。
絆をはぐくむ青春時代、デビューしてからの盛衰、時と共に深刻化するメンバー間の確執といった具合に、よくあるバンド伝記映画の定型に沿ったストーリー構成ではあるが、ミュージカル版でも主役を張ったというジョン・ロイド・ヤングの圧倒的な歌唱力が、本作に本物の魅力を添えている。
音楽好きのイーストウッド監督だから、歌い演奏することの喜び、楽しさもきっちり描写していて観る方も嬉しくなる。ラストのステージで4人が絆を取り戻し、波乱万丈に満ちた数十年分の“四季”を遡って若い頃の姿に戻る演出は、まさに映画ならでは。音楽の力を再認識させられると同時に、年を取るのも悪くないなと思わされた。
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