劇場公開日 2014年9月27日

  • 予告編を見る

「全体的に物足りなさを感じる作品。」記憶探偵と鍵のかかった少女 Opportunity Costさんの映画レビュー(感想・評価)

2.5全体的に物足りなさを感じる作品。

2014年10月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

面白さの欠片も無い…訳ではないですが。
全体的に中途半端で物足りなさを感じました。

設定。
新鮮味は薄いですが興味を惹かれます。
超能力を活かし他人の記憶を観察して事件を解決する。
対象となるミステリアスな美少女は何故か主人公には心を開く。
しかし少女の記憶は暴力的かつ淫靡なもので虚実の判別も付かない。

設定の要素だけ取り出せば
「インセプション」
「鑑定士と顔のない依頼人」
「イノセント・ガーデン」
が想起されます。

どの作品も非常に好きな作品ですが。
これら作品の要素を取り入れた本作は……非常に中途半端。
全ての要素が「上記の作品程ではない。いや遠く及ばない」という感じ。
要素が作品の面白さに繋がっておらず残念でした。

話自体も杜撰な部分が多く鑑賞時のノイズに。
或る行為を話を紐解く上での鍵として提示してくるのですが…あまりに露骨で興醒め。
観客は気付くが冷静さを失った登場人物は気が付かないという構図を目指したようですが。
その露骨さが登場人物の間抜けさを際立たせておりノイズになっていました。

また終盤の風呂敷の畳み方も下手糞。
想定以上の膨らみは見せないにも関わらず振り返ってみれば意味も無く胸糞悪い顛末。
気が付けば誰にも感情移入できない作品になっていました。

要素が作品の面白さに繋がっておらず全体的に物足りなさを感じる本作。
記憶探偵の位置付けに関する端の描写のみが若干新鮮でした。
司法の場では物証よりは当然証拠能力が低いが嘘発見器よりは高い。
皆が信用していないが何処か信用されている。
そんな世界がもっと描かれていれば面白くなる可能性はあったのに。。

「インセプション」「鑑定士と顔のない依頼人」「イノセント・ガーデン」を未見の方。
オススメです。

コメントする
Opportunity Cost