チョコレートドーナツのレビュー・感想・評価
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オススメ映画
ゲイ、障がい、育児放棄という重いテーマを扱う作品ですが、一つ一つの課題に対して丁寧に向き合っていると感じました。
無理やり泣かせようとする演出がないから、余計に切ない。
上映されている劇場が少ないですが、自信持って観て!とすすめられる今年一番の良い映画です。
観て下さい。
ジャンキーの母親のネグレクトを受けている愛を知らないダウン症のマルコが、ゲイカップルから深い愛情をうけ、家族と愛情を知る。
しかし、ゲイへの偏見、法という温かい血が優先されない冷たい線引きに結果負けてしまう。
哀しい物語だけれども、実話というのも、余計に涙と憤りを誘う。
アラン・カミングの演技も好演でした。
マルコの幸せそうな笑顔が脳裏に焼き付いていつまでも余韻の残る映画。
世間の不寛容と静かに戦う普通ではない家族の物語
ゲイのカップルとヤク中の母に見捨てられたダウン症少年が作った家族の物語。普通の人々が”普通ではない”というだけで他人を傷付ける、物心ついた頃から延々と繰り返される無情と静かに戦う姿に胸を打たれました。
重すぎる…
今、スポーツ界でも人種差別行動が問題になっている今日この頃。ちょっとの数十年前にはまだまだこんな差別状態があったのだな~としみじみ考えさせられる。
ゲイだからの反感、それに加え、なぜ、そこまで法律に縛られた裁量しか裁判官は出来ないのか?とは、いいつつもゲイカップルで他人のダウン症の子供を引き取り、親の代わりになるという状況は普通に考えると色眼鏡で見られてしまう状況なんだろうな。
ダウン症のマルコを引き取ろうとするゲイのルディも自分が差別を受けながら暮らしてきた中、誰のせいでもないのに親の愛情も受けられないマルコに自身を投影させているのかな、とも感じた。
ただ単に愛情を注ぎ、幸せを得ようとすることがこんなにも難しいものとは…。
重すぎるけど見過ごせない作品でした。
厳しすぎるラストにずっしり泣けます。
勇気と愛のお話
団塊世代の方達が多く、売り場には長蛇の列。2時間待ち。深い慈愛に満ちた人達の話。差別や偏見に立ち向かい、得られたものは少なかった・・・。尊い人の生き方は、観る私たちに勇気と愛について、深く問いかけます。ゲイの歌手が、すばらしかったです。
any day now
’70年代が終わる頃のアメリカのお話。
ゲイにも障害のある人にも、厳然たる差別があった。それは、今でもあまり変わっていないのかもしれない。
親、友達、仕事、多くのものを失っても、マルコとルディとポールは、家族になろうとした。そこには血のつながりはない。あるのは、愛おしいと想い合う気持ち。
身体によくなくても、好物がチョコレートドーナツだって、いいじゃない。
それを、自分にも周りの誰かにも言うのは、いつかじゃない。
any day now …ルディの歌声が本当に沁みます。
何回も見たい映画
感動的な映画だということは予告編でわかっていましたが、泣かせる、というシーンを特別設けておらず、いつの間にか泣いている、という感じになると思います。
台詞もあまり多くはなく、映像と役者の表現がすごく目立つ映画で、いつも癖ありな役のアランカミングの幅がある演技には心震わされました。
見てる途中に可哀想という視点から見てしまっている自分に気付いて、自分も多数派のうちの1人だ、ということを気づかされます。人権問題どうこうよりも、自分の中のどこかでしている自己欺瞞の心を揺さぶられます。
キャッチコピー通り、心にぽっかりあいた穴を埋めてくれる映画です。おすすめします。
静かに泣ける映画
愛や幸せ、悲しみいろいろな場面で号泣というより止まらない涙が静かにこぼれていくような映画でした。楽しい作品でも偏見と闘って勝つんだ!!みたいな映画というより個人的には家族の愛というのを感じる映画です。
とあるゲイカップルを除いて誰も気に留めなかった、一人の少年の歓びと哀しみ
2014年4月26日、シネパレス銀座にて鑑賞。
物語の冒頭、人形を抱えて一人夜の街を彷徨うマルコの姿。映画を見終わってそのシーンの本当の意味を理解した時、ルディの身を切られるような歌声とポールの手紙を読む淡々とした声の対比とも相まって、いろんな感情が激流のように胸の奥に流れ込んできた。
忘れられないのは、「愛しい」と書いて「かなしい」と読ませるような憂いを帯びたルディのまなざしと、痛々しいくらい不器用な仕草で子どもを抱き寄せていたポールの両腕、そして何よりそんな二人に永遠の「魔法」をかけた、マルコの光輝く笑顔と涙。
怒り。
ただただ母親に対する怒りしかない。ダウン症とか関係なく子供は弱い存在だ。いろいろ事情があってマルコのような子供は世の中には沢山いるであろう。自分がマルコを引き取れるか?無理だと思う。しかし自分の子供を愛し守ってやることはできる。
世の中にはいやな奴もいるがいい人たちだって沢山いる。この映画にはそうゆう人たちで溢れていた。この映画のハッピーエンドは何か?やはり母親が子供を愛し、二人にも会わせてやることだと。それが最上のハッピーエンドだった。
平日の昼間だというのにお客さんはギチギチに入っていた。1人でも多くの人にこの映画が伝わりますように。
静かな怒りは本当の怒りです。
セクシュアル・マイノリティに対する偏見をはねのけて、障害のある子供と、家族になろうとした2人の男性の物語です。地方検事のポジションを失っても自らの信念を貫くポール、自分の夢と家族になる夢を追い求めたルディ、ひとりの人間として幸福に生きることの意味を追い求めたマルコの物語にぐいぐい引き込まれます。途中、これで、この邦題になったんだというの印象的なシーンがあります。配給会社さんのセンスの良さが光ります。後半は、法廷ドラマを絡めて、一気にラストまで走ります。マルコの好きなハッピーエンドにならなかった結末が分かったときの試写会場中の「ため息」に、この作品の「力」を感じました。
ポールのタイプライターに向かう静かな怒りと、ルディの歌うことに込めた怒りに、本当の怒りを感じました。
東京では、単館でのファーストランですが、ムーブ・オーバーに期待します。
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