劇場公開日 2014年4月19日

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「何もかもハッピーエンドなら良いのに。」チョコレートドーナツ ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5何もかもハッピーエンドなら良いのに。

2014年6月25日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

悲しい

幸せ

はああ久々です。久々に映画館で人目も憚らずに泣いてしまいました。こういう結末ですかあ。いやあ、胸が詰まりまくりです。ああダメだ。思い出したらまた涙がじわじわ出て来る。
ちょっとした情報は事前に掻い摘んではいたんですけども、こういうお話だったんですね。

所謂、同性愛に寛容ではなく、差別が当たり前の顔してまかり通っている時代。無理解がスーツ着て我が物顔で闊歩してる世界が舞台です。世間が凄まじく横暴。風当たりの強さが酷い。ただ普通に生きているだけなのに、この言われなき迫害。理解を示している人ですら理解しているとは言い難い言論封殺の空気。

そんな中で偶然にも知り合ってしまった三人。

不遇な環境で育つダウン症の少年と、彼を何とか我が子に迎えようと奮闘する一組のゲイカップル。一人はゲイバーのダンサーで、もう一人はカミングアウトに消極的な弁護士。三人はとても強い絆で結ばれ、家族の愛で結び付いているのに、それを許さないたったひとつのこと。カップルが同性愛であるということ。同性愛であるが故に何もかも、全ての事態が好転に結び付くことを許してくれない。これだけ周囲に訴えても誰も分かってくれない。嘗ての味方すらが今は敵。好機の目と差別剥き出しでニヤつく検事。
そして終盤に告げられる、その果てに起きる哀し過ぎる出来事。

それでも生きて行かなきゃいけない。この世に正義なんかない!と例え教えられようとも、それでも正義を信じて生きて行く。こんな悲劇はもう御免だ。前を向いて生きて行こう。

全て、何もかも、誰もが泣かずハッピーエンドを迎えられたら良いのに。

ロロ・トマシ