「不必要なセンセーショナル」チョコレートドーナツ 昭和ヒヨコッコ砲さんの映画レビュー(感想・評価)
不必要なセンセーショナル
クリックして本文を読む
本作では知的障害を持つ少年をゲイカップルが保護し、家族として暮らす…という物語からいわゆるLGBT差別的な展開を見せます。
広告でも「1970年代アメリカであった実話を映画化」などとしていますが、その実態は「ゲイが同じアパートのネグレクト男児を保護していた」程度のもので、本作の大部分は創作のようです。
本作が何をテーマにしているのかは正直わかりません。
LGBT差別を問題にしているのであればもっと正しい描き方はあったと感じます。
ひたすらに邪悪に描いた母親や社会と比較してゲイカップルが優れているなんてそれこそ差別意識全開だと私は感じます。
ゲイへの偏見に塗れて悪意のある質問を繰り返す検察。
子供のことを顧みない薬物中毒の母親。
育ててくれているゲイカップルを慕い、施設から脱走する少年。
悲痛な訴えも聞き入れてもらえずに少年と家族になれなかったゲイカップル。
ありとあらゆる悪意と悲劇を作中にこれでもかと投入します。
脚色と演出からは「酷いでしょう?悲しいでしょう?憤りを感じるでしょう?」という作り手側の意思を感じました。
コメントする