グランド・ブダペスト・ホテルのレビュー・感想・評価
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監督の意図がわかってくるとますます面白い
ストーリーを楽しむタイプの人にはおすすめしない。伏線回収や考察好きな人向き。
このシーン、セリフ、映っているものにどんな意味があるのか、何のオマージュなのか考えながら見ると面白い。
話は軽快で、重いシーンをわざと軽く表現している。深刻に考えさせるようで、実は考えて欲しいのはそこじゃない、という監督の意図が見終わった後に段々わかってくる。 考察サイトを片目に繰り返しみたい映画。
グランド・ブダペスト・ホテルにこめられた古き欧州の煌びやかさと、その崩壊
ウェス・アンダーソン 監督による2014年製作(100分/G)のアメリカ映画。
原題:The Grand Budapest Hotel、配給:20世紀フォックス映画、
劇場公開日:2014年6月6日。
主に第二次大戦前の東欧においての豪華ホテルを舞台としたコメディタッチの映画。確かに、美術や衣装、デザイン等は見事とは思えた。ただ、殺人事件のミステリー的な物語展開を期待してしまって見たせいか、自分にはあまり面白くは無かった。
原案・製作・脚本・監督のウェス・アンダーソンが主に何を描いているのか、描きたいのかが、自分には十分に掴みきれなかったせいかも。ファシストの横暴、それとも若い男女の恋愛、ホテルボーイと経営者の師弟愛、おもてなしとして客と寝るホテル経営者グスタブ(レイフ・ファインズ)の数奇なドラマ、ベルボーイのゼロ(トニー・レボロリ)の出世物語、ホテルを舞台とした「シャイニング」等の映画へのオマージュなのか?
と書き進んだところで、この映画は元ネタとされるオーストリアのユダヤ人作家シュテファン・ツヴァイも含めて監督憧れの古き欧州の煌びやかさと、その崩壊を描いてるのかなと思えてきた。ただ、ゼロの妻アガザ(シアーシャ・ローナン)の頬にある大きなメキシコ形の痣の意味が、自分には大きな謎である。
キャスト
監督ウェス・アンダーソン、製作ウェス・アンダーソン 、スコット・ルーディン、 スティーブン・レイルズ 、ジェレミー・ドーソン、製作総指揮モリー・クーパー 、チャーリー・ウォーケン 、クリストフ・フィッサー 、ヘニング・モルフェンター、原案ウェス・アンダーソン 、ヒューゴ・ギネス、脚本ウェス・アンダーソン、撮影ロバート・イェーマン、美術アダム・ストックハウゼン、衣装ミレーナ・カノネロ、編集バーニー・ピリング、音楽アレクサンドル・デプラ、音楽監修ランドール・ポスター。
出演
レイフ・ファインズムッシュ・グスタヴ・H、F・マーレイ・エイブラハムミスター・ムスタファ、マチュー・アマルリックセルジュ・X、エイドリアン・ブロディドミトリー、ウィレム・デフォージョプリング、ジェフ・ゴールドブラム代理人コヴァックス、ハーベイ・カイテルルートヴィヒ、ジュード・ロウ若き日の作家、ビル・マーレイムッシュ・アイヴァン、エドワード・ノートンヘンケルス、シアーシャ・ローナンアガサ、ジェイソン・シュワルツマンムッシュ・ジャン、レア・セドゥクロチルド、ティルダ・スウィントンマダムD、トム・ウィルキンソン作家、オーウェン・ウィルソンムッシュ・チャック、トニー・レボロリ若き日のゼロ、ルーカス・ヘッジズルーカス・ヘッジズ。
最高に楽しませてくれる映画
こういう映画が観たかったんだと気づくような、本当に素晴らしい映画だった。登場人物は個性ありすぎで魅力たっぷり、ストーリーは先が読めず、笑うところもほろりとするところもある。今まで見たことのなかった物語。最初は嫌悪で見ていた登場人物をいつのまにか愛してしまっている。そして長く続く余韻。最高に面白い映画でした。
・・・いた?ティルダ=スウィントン(・・?) あれほど世に溶け込め...
・・・いた?ティルダ=スウィントン(・・?)
あれほど世に溶け込めない美貌をよくぞ見事に埋没させたわね。
キャストと照会して仰天。知っててもわかんないよこれw
凄いスゴイ!!!その技術を称えて、星3つ献上致します。
【徹底的画作りが発生させる異化効果】
一点透視で始終徹底された画作りが、私には結構キツくて、話に入りこめなかった。
そういう発見があり面白い映画体験でした。
絵や舞台芸の鑑賞では気にならないのに、映画だときゅうくつで居心地悪く感じるのは何故だろう。
かわいい色合いも俳優の表情所作も、すべてが人工的で、映画を楽しもうとする気分の邪魔に感じる。
さらに緊張感を高めるミステリ要素が入ってきてもう無理(+,,+)。降りました。
技術的にすごいのはわかるけど、画作りを終始徹底された作品は息苦しくてニガテだ。
キューブリックやターセム=シン作品もニガテ。
きれいだな~、でも10分眺めるだけで良いかな~。
その画作りのこだわりに物語的な意味が見出せないと、ただただ監督の肥大した美意識を押し売りされているようで「もう結構です」とおイトマしたくなる。
・・・私、抒情派なモノですから(^^;)
「こだわり」って心情を添わせやすいものだと思ってたけど、寄り添えないこともあるのか。勉強になった。
すれ違うはずの人がすれ違わないとき、物語がうまれる。
ウェス・アンダーソン監督作品は、絵本のような雰囲気が個人的に好みではなかったのだが、本作は楽しめた。
ストーリーは比較的シンプルで、名門「グランド・ブタペスト・ホテル」の初代コンシェルジュであるムッシュ・グスタヴ(レイフ・ファインズ)と、その弟子であるゼロ(トニー・レヴォロリ)の冒険を描く。
グスタヴは、優秀なコンシェルジュで、宿泊客の中には彼を恋人のように思っている人も多くいた。その中のひとりであるマダム・D(ティルダ・スウィントン[)は、ホテルを去るときに、ひどく不安を感じるので一緒に来てくれないかと頼んだが、グスタヴは断る。
その後、マダム・Dは毒殺される。彼女の不安が的中したのだ。グスタブはゼロとともに、マダム・Dの葬式に向かう。そこには遺産を狙う親戚が勢ぞろいしていた。代理人のコヴァック( ジェフ・ゴールドブラム)が遺言書を読み上げる。そこには、グスタヴの名前も入っており、名画「少年と林檎」を相続すると記載されていた。親戚でもないグスタヴに途方もない価値のある絵画が譲られたことで、その場は騒然となる。暴力沙汰となり、その場を立ち去ったグスタヴは、「少年と林檎」の絵画を取り外して、立ち去った。もちろん、それで済むわけがなく、マダム・Dの息子ドミトリー( エイドリアン・ブロディ)は、殺し屋のジョプリング( ウィレム・デフォー)を差し向ける。
といったもの。
ストーリー展開はかなりスピーディーで、うまくまとめたと思う。
製作費は2500万ドル(37億円)で、興行収入は1億7200ドル(250億円)。30 億円が大ヒットの目安だとすると、めちゃくちゃ売れた、といっていいだろう。
こうして書くと、人気のある監督が、スター俳優を大量に使って撮った個性的で楽しい大ヒット映画、という感じになるのだが、本作で語られるのは「孤独」についての考察だ。
登場人物がみんな孤独なのだ。グスタヴの家族は登場しないし、ゼロは両親を殺されて国を逃げてきた移民。マダム・Dも親戚はたくさんいるのだが、孤独だったからこそグスタヴを愛したのだった。
本当の家族との愛はなくても、孤独な人々がつながり、助け合う。
本作で語られる人とのつながりは、本来つながらないであろう人々のつながりだ。ホテルを統括するコンシェルジュと移民のボーイ、そのコンシェルジュと富豪の老婆、そのコンシェルジュとナチス的な軍隊の司令官、またはそのコンシェルジュと収容所の囚人たち。ボーイと、お菓子屋で働く娘。
こういった、顔は知っているけれど、すれ違うだけであろう人々が、不思議な縁でつながる。
本作が公開されたのは2014年。撮影されたのは2013年。そう考えるとシナリオは2012年あたりの世界情勢が影響しているのではないかと思う。当時は世界の指導者が変わり、ユーロ圏の債務危機、シリアの内戦、といった出来事があり、不安に包まれていたのではないかと思う。
そういう時代に「孤独とは、誰ともつながらないことではない」というメッセージを伝えるのが、この映画の目指したところなのではないか。
映画は人間が作るものだ。そこには作られるための意図があり、メッセージがある。それを自分なりに読み取るというのが大切なことだと思う。
クスッと笑えて、最後は深い余韻が残る
学生だったころにテレビでたまたまみた『グレーテルのかまど』、ちょっと変わったお菓子をつくる番組で『グランド・ブダペスト・ホテル』の劇中に出てくるお菓子を扱った回があった。
奇抜な紫の服を着たチグハグな男二人が右往左往する映画のワンシーンがなぜかずーっと印象に残っていて、数年を経てついに観ることができた。
老人の独白から始まるとあるコンシェルジュとロビーボーイの物語。殺人事件に巻き込まれた二人のドタバタ劇が軽快かつコミカルに展開されていく。恐ろしい状況でもクスッと笑えるシーンが多く、突っ込みたくなるほど間抜けに真面目で…とにかく変わってて…。
事件は無事解決し二人は強い絆がうまれ友となり、ロビーボーイは愛する人と結ばれて最後はハッピーエンド。
けれど…。
かつての栄華が過ぎ去ったグランド・ブダペスト・ホテルで自分の過去を語る老人はかつてのロビーボーイその人だった。独白の中で見た若く純真なかつての面影は跡形もなく消え、まったく変わった老いた深い孤独をたずさえていた理由が明かされる。
最後はただただ切なくなりました。
後悔や未練その悲しみに終わりはない。
納得できることもなく…
消したくなることもある、けどその記憶の中に確かに良かった瞬間がある。
悲しみを忘れるということは、その人を愛した気持ちまで忘れるということ。
戦争の足音が聞こえてくる中で幻を維持してくれた心根の優しい友。共に天涯孤独貧しい同士でやっと手にした愛する恋人。
痛みを伴う記憶を愛する象徴がグランド・ブダペスト・ホテル
かつて繁栄を極めた、今はすでに廃墟と変わらぬ姿になってしまったそのホテルがとても特別で愛おしく感じた
深い余韻が残る映画
この先ずっと思い出すと思う
テンポが合わずついていけない😭
初めて観たのは数年前で、あらすじ見て面白そうと思って見始めたが、終始映画に入り込めず途中で見るの諦めました😭
で、久しぶりにこの映画見つけてもう一回観てみようと思ったがやっぱりついていけず、途中でリタイア😨
正直なんで高評価ばかりなのか疑問です😭
ワハハと笑うコメディではなく
フフ、フフフフ…とお上品に笑う感じの全編オシャンな空気漂うコメディ風味ミステリー映画。 ポップコーンにコカ・コーラではなく、高級なチーズにワインなど片手に観る感じなのかな。
映画はある作家の回顧録の形で進む。作家は若い頃によく滞在した、かつての高級ホテル、グランド・ブタペストホテルでの滞在中に出会ったホテルオーナーのムスタファ氏に、ホテルを購入したいきさつを聞くことになる。ホテルのレストランで夕飯をともにしながら、ムスタファ氏がかつてロビーボーイとして働き始めたころの話から聞き始める。
ここからは、ゼロことムスタファ氏と、ゼロが師事したコンシェルジュのグスタフHとのエピソードが回顧録の中の回顧録として始まる。グスタフ目当てに宿泊しに来る常連の女性客の一人、マダムDの不可解な死とその遺産相続のやり取りをきっかけに、グスタフのホテルマンとしての日常が大きく変わっていく。
グスタフの流転の人生…のはずなんだけど、どこか飄々とあらゆる環境を受け入れて周囲の人間の好意を受けていくグスタフと、そのグスタフと固い師弟の絆で結ばれたゼロとの冒険を、殺人やら何やらもう結構なことをやっているはずなのに軽やかに淡々と描いていく。
絵面がいちいちアーティスティックなので、多少汚いところの場面でもなんだかオシャレに見えてしまうし、どんな格好をしていてもグスタフはひたすら伊達オトコ。ゼロのとぼけた感じも手伝って、コメディとしても面白い、けどガハハと笑う映画ではない感じね。
それから、一見無駄な超豪華キャストも必見。え、ジュード・ロウこんだけ?あれビル・マーレイだよな?ジェフ・ゴールドブラムとエイドリアン・ブロディとウィレム・デフォーは、三人ともいつもの役どころでまったくの平常運転やな!などなど、キャスティングもいかにも曲者だらけな感じ。それぞれしっかりハマり役。
なんか、大作観たなー!とか、これは感動巨編やなー、的な映画の合間に、美術館でさーっと美術品を眺めるがごとく楽しみたい、目の保養になる映画。
年寄りには成れなかった……
起伏が穏やかなストーリー性で、面白い内容とは感じられなかった。
雰囲気というか…感覚?不思議な空気感の勢いで最後まで観せられた感じ。
レトロチックなコミカルさが、懐かしい様な感覚をわかせた。
なんだかチャップリン作品を観てる気分に。
詳しくはないけど、結構な豪華キャストらしいが、だからなのか?面白いと思えないのに夢中にさせられた。
独特の世界観
この監督の映画を観るのは初めてである。ヒッチコックのミステリー映画をバズ・ラーマンがリメイクしたような感じの作品。
サスペンス・コメディというジャンルの映画は少ないと思うが、その中では出来の良い作品である。ただ最後はなんともあっけない締めくくり方だ。流れから言ってハッピーエンドにするべきでしょう。
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