「おもちゃ箱とジオラマに歴史をはめこむと」グランド・ブダペスト・ホテル seriplusさんの映画レビュー(感想・評価)
おもちゃ箱とジオラマに歴史をはめこむと
7月の映画の日。今回の選択は、ウェス・アンダーソン監督の“グランド・ブダペスト・ホテル“
理由はホテルの外観。
お菓子のケーキみたいにお洒落で可愛いんです♪
東欧っぽい景色や建物、途中でてくるケーキや箱、車も可愛かったですね。ホテルのエレベーターが真っ赤だったり、ケーキの箱はピンクだったり、全編そんなかんじでお洒落で可愛いです。
ロケ地はドイツ東部だとか。納得。
きちっと伏線を回収してくれる親切映画ではなかったので、私には不向きでしたけど(苦笑)
サスペンスコメディだけど、爆笑ってこともないかんじも吉。
派手さはないけど、動きが常ににコミカルで。
これ以上シュールだとついていけないけどね(笑)
ストーリーは、架空の東欧国で、ヨーロッパ一のホテル“グランド・ブダペスト・ホテル“。そこを仕切るコンシェルジュと彼に憧れるベルボーイが常連客のマダムが殺され、高額な絵を相続することになることから、争いに巻き込まれていって、、、という物語。
あと、音楽もよかったー。アラブっぽくもあり、ヨーロッパぽくもあり。エンドロールにもこだわりあり、スクリーンサイズもこだわりありで、細部のこだわり感も良。
ただ肝心のストーリーの理解度は今ひとつ。時間軸は3つ。現代、1960年代、1930年代。ここからわかってなくて。youtubeの解説観て、復習しよう、わからん。
DVD止めながら観たい気もする作品。
ちなみに監督のウェス・アンダーソンさんは、テキサス州生まれのアメリカ人。意外、なんだアメリカ人もこんな映画撮るのね、っていうのが感想。一番の驚きかも。
少しお勉強したところによると、舞台は1930年代のウィーンがモデルで、その当時のウィーンは、ヨーロッパ中のユダヤ人が集まっていて、様々な能力の持ち主が集積していて、共存共栄のウィーンの街を形成していたそうです。
今回の音楽が融合されたかんじがしたのは、こういう背景かな。
その一人に、シュテファン・ツヴァイクという当時の人気作家がいて、
その人が今回のコンシェルジュのモデルだとか。
ウィーンのあるオーストリアは、その後ナチスに攻められ、併合という歴史をとどっていきます。可愛くてお洒落な映画なんですが、背景にはこういったこともある作品でした。
映画って、ただ観るだけでは済まない、いやその後も楽しめるってこともありますね。