劇場公開日 2014年6月6日

「おもちゃ箱とジオラマに歴史をはめこむと」グランド・ブダペスト・ホテル seriplusさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0おもちゃ箱とジオラマに歴史をはめこむと

2014年7月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

楽しい

知的

難しい

7月の映画の日。今回の選択は、ウェス・アンダーソン監督の“グランド・ブダペスト・ホテル“

理由はホテルの外観。
お菓子のケーキみたいにお洒落で可愛いんです♪

東欧っぽい景色や建物、途中でてくるケーキや箱、車も可愛かったですね。ホテルのエレベーターが真っ赤だったり、ケーキの箱はピンクだったり、全編そんなかんじでお洒落で可愛いです。

ロケ地はドイツ東部だとか。納得。

きちっと伏線を回収してくれる親切映画ではなかったので、私には不向きでしたけど(苦笑)

サスペンスコメディだけど、爆笑ってこともないかんじも吉。
派手さはないけど、動きが常ににコミカルで。
これ以上シュールだとついていけないけどね(笑)

ストーリーは、架空の東欧国で、ヨーロッパ一のホテル“グランド・ブダペスト・ホテル“。そこを仕切るコンシェルジュと彼に憧れるベルボーイが常連客のマダムが殺され、高額な絵を相続することになることから、争いに巻き込まれていって、、、という物語。

あと、音楽もよかったー。アラブっぽくもあり、ヨーロッパぽくもあり。エンドロールにもこだわりあり、スクリーンサイズもこだわりありで、細部のこだわり感も良。

ただ肝心のストーリーの理解度は今ひとつ。時間軸は3つ。現代、1960年代、1930年代。ここからわかってなくて。youtubeの解説観て、復習しよう、わからん。

DVD止めながら観たい気もする作品。

ちなみに監督のウェス・アンダーソンさんは、テキサス州生まれのアメリカ人。意外、なんだアメリカ人もこんな映画撮るのね、っていうのが感想。一番の驚きかも。

少しお勉強したところによると、舞台は1930年代のウィーンがモデルで、その当時のウィーンは、ヨーロッパ中のユダヤ人が集まっていて、様々な能力の持ち主が集積していて、共存共栄のウィーンの街を形成していたそうです。

今回の音楽が融合されたかんじがしたのは、こういう背景かな。

その一人に、シュテファン・ツヴァイクという当時の人気作家がいて、
その人が今回のコンシェルジュのモデルだとか。

ウィーンのあるオーストリアは、その後ナチスに攻められ、併合という歴史をとどっていきます。可愛くてお洒落な映画なんですが、背景にはこういったこともある作品でした。

映画って、ただ観るだけでは済まない、いやその後も楽しめるってこともありますね。

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seriplus