劇場公開日 2014年6月6日

「「現在」は必要だったのか」グランド・ブダペスト・ホテル katさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0「現在」は必要だったのか

2014年6月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

シアターのランキングで人気が上がってたので、出演者・内容などの前情報を仕入れないまま見に行ってきました。

部分部分を掻い摘めば、楽しめたところはそれなりにあったわけですが、全体の構成が中途半端と言わざるを得ないです。

昔話の内容が主軸だったわけですが、「現在」と過去の切り替えタイミングが吟味しきれていない、そんな印象を抱きました。
聞いてる側の人の反応を挟み込んだり、捕捉の必要があるだとか言及したりといった些細なところで「現在」に戻ってくる一方で、語り手の心の動きがありそうな場面で戻ってくることがない。語り手・聞き手がそれぞれ、その時々に何を思っているかの描写がほとんど無く、「現在」がただの添え物に過ぎなくなっている。

導入部をこのように構成する必要性があったのか、これなら単純に過去から時系列で進める方が、映画を見ている側も現在進行形で主人公と一緒に物語を突き進んでいく形になって、より良かったのではないか(昔話、すなわち既に終わっている出来事なので、未知への突進という見方をし難い)。そうしたところで作品全体としてはもっと洗練させる余地があったのではないかと、個人的に思います。

kat