劇場公開日 2014年6月6日

「色んな角度から楽しめる、おもちゃ箱みたいな映画」グランド・ブダペスト・ホテル ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5色んな角度から楽しめる、おもちゃ箱みたいな映画

2014年6月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

『グランド・ブダペスト・ホテル』というタイトルを冠しております通り、まあ、まあね、間違いなく「グランド・ブダペスト・ホテル」というホテルが舞台なんですが。
正直ね、なんていうんですかね、表面から判断して、こうイメージ的に「従業員と客が織りなす悲喜こもごも!」的なのや「群像劇」チックなものを予想してしまうと、壮大な肩透かしを喰ってしまいます。そんで予告なんか観てても、可愛らしい小物やパステル調の建物から一見、物語も箱庭っぽくて、ゆるゆるふわふわきゅんきゅんのめくるめく甘い物語!を想像(これは言い過ぎですかね)しちゃいそうなんですけども、尚更そっちにゃ舵は切らないよ、ていう。
ハッキリ言って「グランド・ブダペスト・ホテル!」と言う割には、グランド・ブダペスト・ホテルに腰を殆ど落ち着けません、この映画。そりゃ主な舞台であることには変わりないし、全くの無関係とも言わないけども。そこに体重を預けていないんですよね。
飽くまで物語の中心はレイフ・ファインズ扮するコンシェルジュと、彼を慕うベル・ボーイ君でありまして。彼らが動けば舞台も変わる。彼らが帰れば舞台もホテルへ。

でね、ゆっるーい、スロウライフ?な、お話を、もし期待してらしたら面食らってしまいますよ、てのが一番言いたかったことなんですよ(グロもあるんでw)。
自分もね、ウェス・アンダーソンが監督してるってだけで、まあ粗方の予想は出来ていたんですけど。
それにしても、それにしてもね、ま~あ捻くれてるw捻くれてる、て表現もアレだけど、ちょっと一筋縄じゃいかないです。
あのもったりとしたスタートから、まさかあんな奇想天外な大冒険が待っていようとは…的な。
これ以上言っちゃうと、もうネタバレになりそうなので、実際に観てもらうしかないッスわ。

いやはや。本当、不思議な味わいの、色んな角度から楽しめるというか、まるでおもちゃ箱ひっくり返したみたいな作品です。

是非、一度、味わってみて下さいまし。

ロロ・トマシ