「スタイリッシュ殺人事件。」グランド・ブダペスト・ホテル たくっちさんの映画レビュー(感想・評価)
スタイリッシュ殺人事件。
殺人事件なのに怖くない!
(グロ描写は少しありますが)
カラフルでオサレな雰囲気の中で(ピンク、カーマインの色遣い!)
チャップリンみたいな人がせせこましく動いているといえば
イメージしやすいでしょうか。
ウェス・アンダーソン監督の作品は初視聴。
とにかくオシャレな予告に惹かれて観に行きました。
物語の本筋は
コンシェルジュとベルボーイの痛快道中記といいますか。
殺人容疑をかけられたコンシェルジュが
ベルボーイと共に奔走しながら真実を暴いていく物語です。
殺人事件の映像というと、とにかく
恐怖・凄惨・動機が…、というイメージから
逃れられない感じがありますが
この映画は、まず
・展開が流れていくテンポが良い。
(上映の途中でわざわざChapter ○と説明が入る親切ぶり)
さらに
・どこかハイカラだろ?と思わせる音楽と映像。
殺人事件にありがちな雰囲気の重さを一掃しています。
動機が初めから分かっているのも、ラストでのがっかり感がないので◎。
よく、「こんな壮大な事件にちゃちい動機だな…」と
思ってしまうことがサスペンスミステリーってありがちじゃないですか。
それがないのがいいですね。
生○とか指○断とかの映像が、予告もなくあっさりと出てくるので
そういうのに耐性が無い人がちょっとご注意を。
どんな場所でも(刑務所の中でも)
どんな人にでも(囚人でさえ、ゼロの彼女でさえ)
自分のホスピタリティを人に惜しまず提供し、皆を虜にするグスタヴH。
どこか抜けた感じがあるが、グスタヴHに必死についていく感が
可愛い感じのある、ゼロ・ムスタファ。
二人の凸凹コンビを観ていて飽きる事がありません。
公開当日に観に行きましたが、カップルの方をちらほら見かけました。
そこそこデートムービー向けなのかも?しれません。