「神様、仏様、ゴリラ様」ミスターGO! 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
神様、仏様、ゴリラ様
ぶっちぎりの最下位の韓国の弱小野球チームに助っ人として現れたのは、イチローでも大リーガーでもなかった。
ゴリラ!
最初この映画を知った時、擬人化されて人間の言葉を話すゴリラかな?…と思ったが、モノホンのゴリラ!
ゴリラが野球をする。
よくもまあこんな漫画みたいな設定を思い付き、映画に出来たなぁと感心。
韓国映画もメロドラマやバイオレンスだけじゃない!
霊長類最強は吉田沙保里じゃなく、ゴリラ!
なので、打席に立てば全てがホームラン…いや、超特大ホームラン!
例え後ろを向いてても、大きく反れたボールでも、地面を転がしても、ほぼほぼ十割バッター。
惜しくもホームランにならなくても、ベースを踏んでホームに向かって突進してくるゴリラに、相手選手は跳ね飛ばされ、逃げ出す始末。そうか、その手もあったか!
韓国映画だからと行って侮るなかれ。4年も費やしたというフルCGゴリラもクオリティーが非常に高い。
さて、何故ゴリラが野球を?
元々は中国サーカスのゴリラ。名前はリンリン。
サーカスが莫大な借金を抱えている。
野球遊びが好きで、それをスカウトされ、調教師の少女ウェイウェイと共にサーカスを救う為にプロデビュー。
ウェイウェイとは彼女がまだ幼い頃からずっと一緒。
ウェイウェイはリンリンの言動を理解し、心が通じ合っている。
が、終盤、ウェイウェイは自分は本当にリンリンを理解出来ているのかと思い悩む。
同じく終盤、リンリンの身に野球選手あるあるの体の故障。その原因は…。
ウェイウェイとリンリンの絆は思いの外感動させる。
リンリンをスカウトしたエージェント。当初は金目的だったが…。
リンリンを利用して“野球”という賭博で己の利益しか考えてない球団上層部。
日本から巨人と中日のスカウト合戦。(中日オーナー役でオダギリジョーがオカッパ怪演)
社会風刺もチクリ。
サーカスにはもう一頭ゴリラが。凶暴な性格のマウンテンゴリラ。
この時点でオチは何となく予想出来た。つまり、目には目を、ゴリラには…。
リンリンの快進撃で勢いづくチームだが、全てが上手くいく訳なく。ある時リンリンが暴走して…。
リンリンの活躍ばかりでチーム個々の活躍はほとんど描かれず。
ツッコミ所は言うまでもなく、展開が読めたり、登場人物の言動が時々よく分からなかったり難点も多々あるが、全体的には楽しめた。
何より、リンリンの可愛らしくて穏やかな表情や姿には難癖付けられないや。