「後篇も早く観たいです。」ソロモンの偽証 前篇・事件 higemeganeさんの映画レビュー(感想・評価)
後篇も早く観たいです。
クリックして本文を読む
冬休み前日に飛び降りた少年の事件の真相を知るために動き出す中学生の少年少女たちの物語。
ホラー要素を強め、観客に底冷えするような薄気味悪さを抱かせ、否応無しにこの事件の真相はなんなんだ!?と思わせてくれます。
大規模なオーディションを行って決めた配役は見事で、藤野涼子の心の葛藤をきちんと演じる姿は見事。観ているこちらも同じ悔しさを体験させてくれます。
学校内でのいじめに対して、そしてこの事件に対して自分になにができるんだろうと考え抜いての行動の一つ一つを丁寧に描写しており、後篇も早く観たい!!と思わせてくれます。
しかし、ここからは原作既読済みとしての感想なのですが
もともと文庫本6冊に渡る長編小説の映画化なので、やはり疎かになっている描写は多いです。
この映画の良い所でもある丁寧な藤野涼子の描写が仇になり、ほかの登場人物の内面が殆どわからないまま終わってしまいます。
原作が群像劇のような展開をするのに対し、映画は完全に藤野涼子だけを主人公に絞っています。
そのため涼子自体も原作とは若干人物像が違うように感じました。
限られた時間の中で展開するには仕方のないことですが、そこが少し残念でした。
コメントする