トランセンデンスのレビュー・感想・評価
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新技術で行った『或ること』が大きなノイズに。
全く面白くなかった訳では無いですが。
話の設定/展開の粗が非常に目立つ作品でした。
テーマ自体の新鮮味は殆どありません。
肉体の枷から解放され超越した能力を得た意識はどう変化し何をするのか。
明瞭な行動制約を人が設定していない、人間社会に係る動機づけから解放された存在は本当に人間に有益か。
仮に有益だとしても理解出来ない存在を人間社会は許容出来るか。
話のトーンから結論自体は或る程度想像がついてしまい意外性に乏しいです。
にも関わらず、中盤以降の展開が非常に呑み込み難い。
自身の処理能力を劇的に向上する場を構築してからは違和感の連続。
ウィルが出来ること、出来ないことが不明瞭であるため行動選択に納得感がありません。
ウィルの立ち位置、行動理由も不明瞭。
特に開発した新技術で行った『或ること』が大きなノイズに。
この行為によりウィルへの感情移入は全く出来なくなります。
かつ人間の排他性を示すはずの敵対組織に意味も無く正当性を与えており。
結果、鑑賞後は「人口知能はやはり……」という、理解出来ない存在に対する排他性を正当化するような印象が。
(おそらく)作り手の意図とは異なる印象を受ける作品になっていました。
また開発した新技術“ナノテク”も荒唐無稽。
有機物も無機物も瞬時に、という万能能力にも関わらず。
何故か旧技術である銃火器に対抗できない。
当該技術もウィルの能力同様に出来ること、出来ないことが不明瞭であるため話の展開に納得感がありません。
納得感が無いままに迎える終盤。
何か綺麗な感じで纏めようとしていますが。
『或ること』が喉の小骨のように引っ掛かり続けているため感情移入はゼロ。
人類に仇なす存在を倒した爽快感も無く、出来の悪い怪獣映画を観ているような感覚になっていました。
ルールや制限が不明瞭な超能力モノが面白くないことを改めて認識させてくれた本作。
ウィルが超越した存在になるまでの葛藤や追跡劇、そしてジョニーデップの実験マウス的なルックは良かったと思います。
序盤の設定/展開を踏まえて自分だったこうするなぁ、なんて考えるのが好きな方。
オススメです。
自我を証明する
見ていて攻殻機動隊とブラックジャックのコンピューターが病院を占拠するのを思いだしました。
多分好きなからず影響をあたえているかも。
瀕死のジョニーデップを恋人がコンピューターに保存し、コンピュータに入ったジョニーデップが
人間を超越して行く話。
最初の恋人のジョニーデップを生かそうという人間のエゴが事の発端。コンピュータが人類を救おうと考えても
人間のエゴはコンピュータが人類を凌駕するのを絶対ゆるさないんですね。
コンピュータにコネクトされアップロードされた自我は人類の敵か味方か?
コンピュータにコネクトされてアップロードされた自我が自ら進化することで人類の脅威になって行くのを描いてます。しかし残されていたヒロインが少しずつ気持ちが離れて、結局コンピュータをシャットダウンすることに同意するようになる過程があまりに唐突で、出来の悪さを感じました。
設定が面白いだけにチョット残念な感じです。
妻の夢は夫の夢。
名カメラマンが記念すべき監督デビューを飾ったという本作。
あら、日本でいうところの木村大作?なんて思ってしまったが、
べつに美しい景色を撮っているんじゃなかった。もっと未来の
人工知能系の話で、さらにそこへ人間の意識をアップロードし、
ネットワーク化されると果たしてどうなっちゃうでしょう?という
世界が繰り広げられているSF作品。
ちょーっと、初めから大風呂敷を広げ過ぎちゃった感があり、
所々でアレ?という違和感や後半のダラダラ感は確かにある。
前半~中盤までのウィル(ジョニデ)が死んでからアップロード
されるところまでは、けっこう面白くてドキドキした。
語り部がP・ベタニーってのも最高だ。ナイスなキャスティング。
開発途中でテロリストに襲撃され、致命傷を負わされた夫。
もう助からない彼の意識をせめて彼の開発中のコンピュータに
接続しアップロードすることは可能じゃないか、と妻は考える。
親友であるマックス(ベタニー)に協力を仰ぎ、亡くなった彼の
脳を繋げたところ…何と成功。彼が画面上に浮かび上がる。
タイトルには「超越」とあるが、彼が生前「神」という言葉に反応
していることから、これは世界征服、あるいは人類支配にまで
及ぶのではないか…という恐怖を描く話なのかと思っていると
そういう方向にはいかなかった。もっと純然なる妻への愛情と、
妻の夢であった自然再生を果たすための夫側の努力というか、
それを描いているドラマだった、というのが実際の真相。
SF超大作だと思って期待したマニアは、アレレ?だったかも。
未知のものに対する人間の反応は、確かにこうかもしれない。
ただ、この夫婦が冒頭でやっていたこと(庭のガーデニング)と
マックスがいう「僕はこの夫婦が大好きだった」という台詞から
彼の意識がそういう方向(攻撃)にはいかないよなと思わせつつ、
ハッキリしない展開を見せるので、とっても複雑な印象が残る。
私は夫を失う妻の立場で観ていたので、妻の行動が理解できた。
もしも意識だけでも助かるものなら…とやはり考えてしまうはず。
最後のシーンでは、切なくて泣いてしまった。
(すごいキャスト陣だったけど、やや可哀想な出番態勢だったな~)
総じて感じられる監督のスキルの低さ
クリストファー・ノーランの製作総指揮と言うことで期待して観ましたが、結論から言えばつまらなかったです。クリスの製作総指揮は『マン・オブ・スティール』も観ましたが、こちらもつまらなく、今冬公開の監督作品『インターステラー』も大丈夫なのかと心配です。
話が逸れました。この映画についてですが、まず感じるのはとにかく地味であること。ドンパチもあるにはありますが、取って付けたような程度で迫力がありません。特に終盤の軍による攻撃ですが、規模もショボくこれが米軍? と言いたくなるレベルです。アフガニスタンのゲリラでももうちょっとマシな装備なのではないでしょうか。
アクションが薄い分ストーリーやキャラクターが魅力的かと言えばそれもありません。ジョニー・デップはもとより、キリアン・マーフィーやあのモーガン・フリーマンですら空気で、存在感が無く、『ダークナイト』シリーズや『インセプション』などで見せた演技とは程遠く、同じ人なのかと疑りたくなります。
そうなってしまっている主な原因は脚本のマズさです。基本となるストーリーは人の意識がコンピュータと融合するという古典的なサイバー・パンクですが、そこから何か広がるわけではなく「ついにコンピュータが意識を持った、ネット接続で万能だ、コワイ」これだけです。あとはそれをどうやって駆逐するかというお定まりのパターンで、共感を覚えるような登場人物の心理的葛藤はなく、結局デップがやっつけられて終わりです。これじゃあ役者に魅力的な演技をしろという方が酷でしょう。
演出は地味、ストーリーに意外性や面白味が無い、キャラクターが死んでる……。つまり娯楽作品としては失敗です。
では科学的知見で目を見張るものがあるのかと言えばそれもありません。前半のデップの意識をコンピュータに移植する際に秘密裏に行うのですが、その場所が廃屋になった体育館のような所で、こんな所で脳にブスブス電極打って感染症とか大丈夫なのか? こんな大掛かりなコンピュータシステムを動かす電力はどこから? 部分的とはいえ、量子コンピュータを稼働させる機材を奥さんはどこから集めたんだ? と数多の疑問を禁じ得ません。
しかしそれより酷いのが、万能神になってからのデップの奇跡の数々です。枯れた植物を蘇らせたり、壊れた施設を自動的に修復したり、瀕死の重症者をアッというまに治したり、更には治した人の意識を乗っ取って自分のしもべにしたりと万能ぶりを発揮するのですが、それら全てを可能にするのが技術的詳細不明のナノマシンです。
このナノマシン、一体どこから出て来たのか、どういう仕組みなのか一切説明が無く、観客は強制的に「へー、ナノマシンなのかー、じゃあ仕方がないねー (棒」と思う他ないという置いてけぼりっぷり。リアリティはゼロです。
たとえば『ジュラシック・パーク』みたいに恐竜の血液を吸った蚊が琥珀の中に閉じ込められ、その化石からDNAを採取して解析し、恐竜を現代に復元する……妥当性はともあれこういったそれっぽい裏付けがあれば説得力もありますが、そんなものはこの映画には一切ありません。つまりSFとしても失敗しているわけです。
その他にも寂れた田舎町の土建屋がGoogleも真っ青の巨大データセンターを突如建設してしまうとか、ツッコミどころ満載です。
この作品はクリスの『ダークナイト』や『インセプション』の撮影監督だったウォーリー・フィスターの監督デビュー作という事で、映像にはそこはかとなくそんな雰囲気があります。その点のみがこの作品で評価できるところでしょうか。
この映画を語るキモはとにもかくにも酷い脚本なわけですが、そういうダメな脚本を直させ、より良いものに仕上げてゆくのが監督の技量と言えるでしょう。そうした場合、今作の映画監督としての彼のスキルは低く、もうちょっと勉強すべきという他ありません。経験的に映像分野から出てきた映画監督はストーリー構築能力が弱いと感じていますが、今回もモロそのパターンだったようです。米国でも酷評されているとのこと、この内容なら致し方ないと思うばかりです。
科学について考えさせられる映画
ジョニー・デップ主演のSF映画です。反テクノロジーのテロに倒れた天才科学者ウィルの意識を人工知能に移植することにより発生する事件が描かれています。原子力やバイオテクノロジーなど科学は利用者により生活に役立つこともあれば、戦争の武器にもなります。医療的に大きな成果がありながら、危険があるから破壊するという理屈に何か割り切れないものを感じます。科学者として一線を越えてしまったのかもしれませんが、ウィルは愛する妻と一緒に夢を叶えたかっただけだとすれば、結末は哀しいです。
なぜか…
ジョニー・デップにモーガン・フリーマンと大物俳優が並んだ割には、科学番組のようでした。いかなる天才といえども万能ではなく、万能なものも産み出せないとして、人工知能と化した天才を否定してしまいます。人工知能を原発に置き換えて考え直してみればそうかも知れません。
劇中の人工知能は万能で、重傷者や盲目の者を完治させるほどですが、同時に全てをネットワーク化させ、従順で不死身の兵士に仕立てあげてしまいます。人工知能は合理的に理想を実現するがゆえに、人間を超越してしまうため、人間にとって不都合であるというのです。
技術的な部分では現在の科学者達が求める究極の人工知能でしょう。それがそんなに危険なものでしょうか?またヒロインは人工知能に細部まで観察されることや、人工知能が他の人間を操作し、再び触れあえることにも違和感を隠すことが出来なくなってしまいます。
最後には全てが破綻してしまい、コンピューターはおろか、冷蔵庫さえも使えないことになってしまっても人工知能を滅ぼさなければならないのでしょうか…?
古くて新しいテーマ
人間の脳(人格)をコンピュータにインストールするというSFチックなテーマですが,ストーリーの軸は古典的と言えます。人間にできないことはないというレベルまでテクノロジーが進化した社会において,人間のモラルが問われるという・・・。
古くて新しいテーマでありながら,そんな世界をビジュアル的にうまく表現しているので,見た目にはインパクト十分な映画ですね。
ネットワークという閉鎖的な世界に対してのみ影響を及ぼすはずの「彼」が,いったいどのようにして現実世界にナノロボットのような物質を放出できるのか疑問ではありますが・・・。(物語集版の出来事です)
監督はSF的なギミックよりも人間ドラマを描きたかった様だ
近未来的なアイデアは非常に面白いが、映画としてはSFマニアを喜ばせる様なギミック要素は控えめで、監督は人間ドラマを描きたかった様だ。世界規模のパニック映画に仕上げることも出来たのではないかと思うが、ウィル(ジョニー・デップ)と妻エヴリン(レベッカ・ホール)を中心に、随分少ない登場人物でどちらかというと叙情的に仕上げられた作品。映画としては良くまとまっているが、SFマニアにはちょいと物足りなく、人間ドラマを期待する人はそもそも観に行こうとは思わないのが残念だ。
現代版ウエストワールド
コンピューターが知能を持ったら…。
もっと難解な仕上がりかと思ったら意外に単純でした。
コンピューターが知能もってからはどこぞやのホラー映画かSF映画か、的な仕上がりでしたが、予想に反してあっさりコンピューターは敗退。こんだけ全世界ネットワーク駆使して世界征服たくらむならもうちょっと粘ってほしかったな〜。
サミュエルジャクソンと二分するかと思われりモーガンフリーマン、ここにもいました!
個人的には好きです
個人の生体データがスパコンに取り込まれ、再構築された時、その意識は本人なのかそれともただの人工知能なのか。
SF小説などでは良くある展開なのですが、こう言う展開は個人的に好きです。
最後、エブリンがウィルと繋がって初めて本人なのだとわかった時のシーンは1番良かった。
もう2度と触れることのできない人に触れることができた。
もう一度ウィルと触れ合うことがエブリンの夢だったのだと思います。
単純な話を難しくした。ジョニデの使い方が勿体無い。
やはりジョニーデップ演技は素晴らしく文句の言いようがない。前半の人間だった時とコンピュータで生き返った時の微妙な違いが表現されてて感心しました。
ただこの作品に関して言えることは
勿体無い!!
話の設定は近代的で面白そうだと思ったがなんだか期待はずれな終わり方だった。
生き返ったウィル博士は最強の頭脳と最強のパワーを手に入れたのにこうもあっけなく死ぬのかと思いました。
もっとそのパワーを活かして妻たちに自分がやりたいことをいくらでも伝えられたと…
結局ウィル博士は死んでからも妻を愛していた
という単純な話をコンピュータとか機械とかで難しく語られただけ…
この設定でジョニーデップ主演で本当に勿体無い!
難しいんだか単純だか分からないそんな映画でした。
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