「とことん、ぬるま湯」フランシス・ハ 小二郎さんの映画レビュー(感想・評価)
とことん、ぬるま湯
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主人公のフランシス、27歳。
お金持ちじゃないけど、餓死するほど貧乏って訳でもない。
フケ顔だけど、見る角度によっちゃ美人とも言えなくもない。
もう子供じゃない、だけどやり直しがきかない年齢でもない。
全てハッピー、アイアムOKと言ったら嘘になる。
でも不幸ってわけでもない、宙ぶらりん。
熱くもなく凍えるほどでもなく、ぬるま湯な青春。
ぬるま湯だからこそ、痛い。恥ずかしい。可笑しい。切ない。
(青春なんて疾うの昔に通り過ぎた者としては、その「ぬるま湯」具合がキラキラしてて何だか羨ましい。あの頃に戻りたいのか?と問われれば、あんな痛くて恥ずかしいのは、しんどいなあと思うけれども。)
青春の、落とし前のつけ方。
最後の「フランシス・ハ」の由来がイイ。
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追:本作と同じく、モラトリアムの「ぬるま湯」を煮詰めた『ザ・フューチャー』(ミランダ・ジュライ)。どっちも、主人公がモダンダンス教師っていうのが、妙に腑に落ちる。
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