「面白くな~れ、面白くな~れ」ふしぎな岬の物語 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
面白くな~れ、面白くな~れ
海が望める岬にある喫茶店。女主人と、そこに集う常連客の悲喜こもごも。
人々の善意や人情に溢れたハートフルな感動作。
本来こういう“良心作”は好きなんだけど…、何だかな。
どのエピソードも平凡。終始地に足が着いてないふわふわ感。ファンタジーの世界。
登場人物も魅力薄。それでいて強引だし、身勝手。
泥棒のエピソードはサザエさんかよ! 竹内結子の別れた夫は幾ら何でも気の毒。
主演・吉永小百合のプロデュースというのがミソ。
劇中、いい歳したおばさんが皆からちやほやされ(血縁関係者から好意も持たれ)、それはまるで共演者から接待される大女優そのもの。
酷な言い方すれば、吉永小百合の自己満映画。
ロケーションは悪くないし、こういう土地にも憧れたりする。
阿部寛、竹内結子、笑福亭鶴瓶他豪華キャストも好きな人ばかり。
それだけに…。
とてもじゃないけど「大丈夫、大丈夫」なんて言ってられない。
「美味しくな~れ、美味しくな~れ」より、「面白くな~れ、面白くな~れ」って魔法の言葉かけないと。
日本アカデミー賞全13部門ノミネートは分かる気がする。
だって、そういう映画だし、そういう映画賞だから。
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