劇場公開日 2015年5月1日

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「「解決」する気がないのはわかった」THE NEXT GENERATION パトレイバー 首都決戦 しうさんの映画レビュー(感想・評価)

0.5「解決」する気がないのはわかった

2021年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 見終わった時点で頭に「?」が飛びまくり、「続編? いやまさか……スピンオフもないだろうし、これはもしかして……描く気無しか?」と思っていて、某所でも「きっとこの監督は、"解決する気はない、決着は付けた" とか言うんだろうよ」とか書いてたら案の定、何かのインタビューで監督本人が「解決しようとは思ってない、決着をつけたかっただけ」と言っていた。わかった。もう何も期待しない。二次創作のためのネタを提供した、ということにでもしておくか。

 でも、もしそうなのだとしたら、微妙に「疑問」が残るような表現をしないでほしかったし、なんなら「軽い解決」でもしておいてもらえれば、もっと「決着」の方に集中できたのに。「第三国の工作員」でも何でもいいから、隊長か刑事あたりに、ぺらぺらっと正体についてしゃべらせておくだけでも全然違ったはず。もしくは、長い助走期間(Ep.0~12)があったんだから、その中で徹底して「解決しない」の精神を貫いてきていれば、もう少し納得できたのかもしれない。短編の方はそこそこ楽しめただけに、最後の長編の拙さが際立ってしまった。

 決戦シーンになんとなく納得感や説得力がないと、このレビュー内でも何人かの方が感じているようだけど、そりゃあ敵役の背景が描かれていなければ、何と戦ってるのかさっぱりわからないので、納得できるわけもなし。
 過去に同じようなテーマで、2度もパトレイバーのアニメを作ってきているわけだけど、その中でもこれは最低の出来だと思う。一番よくできていたのはパト2。「二課の一番長い日」もよかったよ。いずれも敵役をしっかり描けていたから。しかし今回、無駄に「謎のベール」に包んじゃったせいで、「え、結局あれって、誰なん? 動機はなんなん? あの伏線は回収されないの?」と、すごく痒い感じで放り出されちゃったので、もうそっちが気になっちゃって、「決着」どころじゃなくなっちゃったのよね。もう一回観たいとは思わないし、ディスク買おうとも思わない。
 つうか、そもそも同じもん何度も何度も作り直さなくていいんだよ、 もうおなかいっぱいだよ。

 もともとそんなに「押井ファン」でもなかったし、ヘッドギアの中では一番最後にやってきて、ここまで勝手なことしちゃうんだなって気持ちなので、そりゃあ他のメンバーから総スカンくらうのもわかります。
 もうヘッドギアからは抜けてもらえないかな。いや、立ち上げにものすごく貢献してくれたのはわかっているよ、だけどこんな積み木崩しは許容できないよ。ありがとう、さようならと、送り出したい気持ちでいっぱいです。

しう