俺たちニュースキャスター 史上最低!?の視聴率バトルinニューヨークのレビュー・感想・評価
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豪華キャスト以外見るところなし
ウィル・ファレルが日本で受けない理由は、くどさと下品さ、知性のなさだと確信した映画です。
ニューヨークに乗り込んだ田舎者が黒人の上司にブラックを連発するやりとりには、不快を通り越して心がフリーズしました。どうしてこれだけの豪華キャストを集結できるのか。日本でいうと志村けんさんのような存在なんですかね。
とにかく、意外なスターがカメオであちこちに出ていますから、それを発見する楽しみはありますよ。
ハリソン・フォード、ウィル・スミス、リーアム・ニーソンといった豪華なゲスト!
前作から数年後の1979年。ニューヨークのWBC局でロンはベロニカとともにニュースキャスターを務めていたが、社長からいきなり解雇されたロン。一人寂しくイルカショーの司会をやったりしていたが、下品すぎて子供からもブーイング。そんなところへ新しく24時間ニュースの作るコアラ航空資本のGNN局がロンを勧誘。かつての仲間が集結して臨むものの、若手人気キャスターのジャック・ライムがいるため深夜枠でのスタートとなるが・・・といったストーリー。
やはり前半は下品で緩い展開で、特にチャンプがレイシストの本領発揮したりロンや他の仲間も黒人差別気味。続編はやっぱりだめかな~などと思っていたら、やっぱりやってくれたアダム・マッケイ。地球温暖化や中国が経済大国になるとかのネタも良かったけど、開眼してからのロンのコメントは今に通ずるメディア批判。カーチェイスや動物ネタ、有名人の不倫ネタばかり放送してるニュース(実はロンたちが始めたんだけど)を批判し始めるのだ。
「こんなのニュースじゃない!本当のニュースは権力が腐敗しないよう、視聴者に知らせることだ。もし権力がニュースが握ったら?」とギャグ路線からの転換。さすがはマッケイ。この痛烈なメッセージは現代にも言える!というより、現代に向けたメッセージ。この後に『マネー・ショート』や『バイス』へと社会派監督として転換するのも頷ける。
ストーリーもどうなることかと思ったけど、各局のキャスター対決はやはり登場した!しかも国際的にBBC、MTV、カナダ局などなど、7チームが戦闘を始めてしまうのだ。ウィル・スミスも面白いけど、最高だったのがヒストリー・チャンネルのリーアム・ニーソン。大爆笑必至だ!
音楽も前作以上に80年前後のヒット曲を使っていて、クリストファー・クロスから始まりスティーブ・ミラー・バンドで締めくくる。もう、音楽だけでもお腹いっぱい。70~80年代に青春時代を送った方は懐かしくて堪らないはずだ。もう、視聴率なんてどうだっていい。個人的には『ネットワーク』(1976)よりも絶対にいいと思います。
アメリカニュース界への痛烈な皮肉
中身はどうしようも無いくらい下らないが、アメリカのニュース事情への笑えないブラックジョークも含まれている。
ニュースとは本来、知るべきことを伝え、権力の暴走から民衆を守るべき監視役となるべきだが、商業主義に徹したことで、その役割を忘れ、ただひたすら民衆が知りたい情報=気持ちよくなれる情報のみを垂れ流す存在となりはてた。
そういう現場への痛烈な批判も含まれている。まあ、それ込みで、批判自体もエンターテイメントとしているとも言えるけど。
ただ、それを理解すればするほど、決して笑えないはずだ。
10年越しの続編は
何でもこの続編の製作は、ウィル・フェレルたっての希望だったらしいのだが、2004年の前作から、周辺の環境が激変したのは、お天気キャスターブリックを演じているスティーヴ・カレルだろう。
彼は2005年の『40歳の童貞男』の成功によって、正に主役級のスター俳優の仲間入りをした。
そういう大人の事情もあってなのか、4人組のブライアン、チャンプをそれぞれ演じるポール・ラッド、デヴィッド・ケックナーの二人の影が薄くなってしまっている印象。
しかし、スティーヴ・カレルのキャラクターを膨らませるために用意されたであろう彼が一目惚れするチャニ(クリスティン・ウィグ)のキャラクターは浮いているし、ロン(ウィル・フェレル)が連発する人種差別ジョークも正直笑えなかった。
豪華なキャスト大集合といった感じの終盤のバトルシーンもどうやらお約束らしいのだが、このシーン自体必要だったかというと疑問。
今ではすっかり当たり前になった24時間ニュースチャンネルやカーチェイスのライブ中継がロンの発案だったという設定はちょっと面白かった。
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