思い出のマーニーのレビュー・感想・評価
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ジブリだから表現できた内面世界
複雑な心境を、美しい場景・効果的な音響で柔軟に作品としたかなと。
特筆すべきはマーニーの過去か。自分が辛い思いをして子供にはそんな思いをさせたくない。辛い時期を支えてくれた温かい人との宝物を得た矢先、最愛の人の他界、心の支えが抜かれてしまい結果的に一番味あわせたくない思いを実の娘にさせてしまった。わかりあえることなく娘の不慮の事故による他界。壮絶過ぎて、体験していない自分でさえ心が震えた。人間は本当に弱く、勝手だなと。
だからこそ、辛く心が張り裂けそうな思いの中、最愛の娘の子供に愛を全力で注いだのかな。
人は弱く勝手だと思うが、だからこそ温かく輝ける。それは時に激しく眩しいほどに人に希望を与えるものか。
重いテーマだからこそ周りの大人の温かさ、残酷さが際立って見えた。
辛い経験をしている人ほど他人に温かくできる。やはり人は経験しか語れないなと思い知らされた名作でした!
後でじわじわ来るかも
この不思議な設定でどうやって閉めるのかなと思っていたが、最後にマーニーはあんなの祖母と判明。おぼろげな記憶はこれで証明される。評判通り、映像が印象派の絵画のように綺麗で、千と千尋の神隠しのように、長く記憶に残りそう。養母が行政からお金を貰っていたと告白するシーンは不要。これさえなければ満点だったかも。音楽も良かった。
受容の映画
アリエッティだけを観てこの監督を評価してはいけない。すべてが前作から飛躍的に成長していて驚いた。まず杏奈のキャラと行動がとにかく繊細に描かれていて惹き付けられる。自分でもどうしていいかわからなくて追い込まれている杏奈。杏奈が嬉しそうにしてると私も嬉しくなり、苦しむとわたしも悲しくなった。そんな杏奈の心情を理解して、干渉しすぎずしかしトラブルを起こしても必ず味方になってくれる大岩夫妻の暖かさも非常にうまく表現されていて感動した。杏奈がマーニーを赦す場面、一般的に人が受容されるシーンは感動を生むが、今作ではそのシーンにマーニーの謎を織り込むことによってただのお涙頂戴ではない重奏的な感動を呼んでいて泣けた。あの瞬間杏奈自身も救われたんだろう。そして杏奈が最後に確かな成長を見せることで後味良く終われていたのがうまいなと思った。Wヒロインのキャラデザもすごくよかったです。
眠い、つまらない、でも感動。
とりあえず、予告さえ見ていれば最初一時間はいりません。
なぜならマーニーがそれくらい出てこないから。
脚本、演出、共にどうなの?
伏線ではなく、ネタバレを随所に盛り込むという、ある意味斬新な手法で全編展開。
90分近くつまらないが、ラストは感動で終われる。
うむ!ジブリ、終わったな!
とりあえず、一度、福井晴敏作品でも映像化してみてください。
とりあえず見ておくべし
以下ネタばれ全開なので注意すること。未見でも知らないよ~。
マーニー=Marnie=マミー、母親であり、この映画は自分を残して死んだ母親に対して、また母の代わりをしてくれる人に対して、「母親未満」な彼女たちを許せない主人公がどう許していくか、どう自分を愛するかという成長物語なのです。この超大前提に気づいていない人が案外多いようです。
ここからは深読みです。アンナはアニメスタッフの分身に感じます。「絵が好き、褒めて貰いたいけどシャイ」「輪に入れない」「美しいものばかり見る(マーニーとデブの女の子だったら、マーニーを選ぶ。その美しいものを描く)」
冒頭で滑り台などの風景は書き終えているのに、滑り台を滑る子供は書き直してますよね?アニメーター的発想だと思いませんか。あそこで「これはアニメスタッフである自分達の話でもあるんだぞ!」と暗喩してるんでしょう。
よく分からない釣り人?のお爺さん…断言します、アルムのおんじです(笑)。またはおんじ的なジブリの良心、又はスタッフにとって理想の「ジブリ」、または宮崎駿です。ジブリの分身であるお爺さんは、空想の世界であるマーニーとの世界に主人公を誘い、そして物語の幕引きにも船を出して現実に返すのです。その時となりに、同じ空想(映画)の話で盛り上がれる、オタクな友達がいたらそれだけでちょっと救われるじゃないですか!(眼鏡の子)孤独な子供達の橋渡し的な役目を、空想を共有させる作品でジブリが担うんだ、という決意表明みたいなものです。
と、このようになかなか詰め込まれた映画でしたよ。細かく言えば色々ケチもつきますが、概ね満足です。
まあまあだった
マーニーが出るまでがけっこう退屈でこのまま終わるような映画だったらどうしようかと心配した。
主人公が親戚に育てられている里子で、育て親に全く心を開いていない。かなりいじけた性格で好きになれないなと思っていたのだが、メガネの女の子と仲良くなった辺りから性格が明るくなって最後の方ではけっこう好きになった。
マーニーもかなりマイペースで、美人だから許される感じであった。
デブのおばさんみたいな女の子が、実に寛容な心の持ち主で、彼女が一番立派だったような気がする。メガネの女の子も明るくてかわいらしかった。
舞台となる水辺の地域がいろいろな魚が釣れそうな素晴らしい環境だった。波も穏やかで、楽しそうだった。好きにボートを乗り回して釣りができたら最高だ。
まともに働いている大人が全く出てこなかった。働いている人は滅多に帰宅せず家庭を顧みないとでも言っているような印象があった。
全体的に主人公の幻覚なのか幽霊なのか、特に何が起こるわけでもなく割とどうでもよく、わざわざ映画で見るような話でもないように思った。最初は、里子の話だ!と思って興味をひかれたのだが、最終的には濃厚に血縁の話だった。
ただ、里子支援の給付金に主人公があんなに嫌悪感を示すのはどうかと思った。生活するのにお金が掛かるのだからもらえるものをもらって何が悪いのだろう。施設で育つ気の毒な子供もたくさんいるというのに、あまりに視野が狭いし、もっと最悪を想定して生活するべきだと思う。
境界のゆらぎ
自分の10代を思い返せばだれにでも心当たりがあるであろう、夢想の世界。子供というには少し成長しているが、まだまだ世界と自我との境界がどこか未分化な時代。そんな頃の自分を見せつけられるような映画だった。
冒頭で主人公の言う輪の外と中、それは当然存在する自己と他己の境界に過ぎないわけだが、その処理を巡っておのれに絶望し尽きない悩みを抱えるのである。そんな主人公に訪れる転機が根釧地方への療養であるが、そこでも主人公は他人との距離の取り方で苦悩することとなる。話はそれるが、ジブリにありがちな、村人をおおらかで自然に生きる人と安易に美化せず、無神経である意味愚鈍な人たちとして描いているのは幻想に傾きがちな本作においてはバランスがとれていると思う。
さて、その果てに出現するマーニーはイマジナリーフレンドというほかにない存在で、その交流・友情は観ている者にとって不安を覚える程の美しさを感じる。なぜなら、それは主人公にとって幻想の中でのみ実現される理想の関係なのだから。
もちろんここで終わってしまえば単に「厨二病乙」なのだが、そこで済まさないのがこの映画の醍醐味である。徐々に浸食する現実と幻想との齟齬が主人公を好転させるに至る。嵐のサイロのシーンで
マーニーがかずひこの名を繰り返すあたりで感じる違和感がそこをよく表わしている。
そして、全ての種明かしがなされる直前の、マーニーとの別離のシーン。自分の幻想の中とはいえ、主人公は他者を赦すことを覚えるのである。それは人が大人になる過程で獲得する優しさとも言えるし、妥協ともいえる。前後は失念したが、その辺りで出てくる、半熟目玉焼きを箸で裂いて主人公が元気よく食べるシーンが、主人公の成長を表わしているようでとても好きだ。
ふわふわした余韻
途中までは謎な部分が多いし、夢と現実がごちゃごちゃしていて難しく感じたしついていくのが大変だった。しかし最後の10分くらいで「はっ!!」ってなる感じがあった。終わった後も見応えは感じなかったけど、ずっとふわふわした余韻が残っていて、しばらく考えていた。最初のシーンから思い出していたら、自分の亡くなった祖母を思い出して、「あなたのことが好きよ」というマーニーのセリフが自分へのメッセージに思えて泣けてきた。劇場でもラストは感動だが、終わった後もしばらく余韻が続いて不意に泣ける。ジブリっぽくはないけど一つの物語として自分の中で大切な映画になった。
声優が……
評価が高かったので、もう一本(ALL YOU NEED IS KILL)の上映時間を潰すのにはちょうどいいかなと思って選びました。……が、主人公が義母への言葉でいきなりどん引き。感情がないと言われればその通りかもしれませんが、自分的には棒読みにしか聞こえませんでした。特に前半の棒読み加減は酷かった。マーニーの方もそれに引きずられてか棒読みに聞こえてしまって、そればっかりが気になって……。ジブリは何で毎回毎回、棒読み声優を一人以上使うのかと思ってしまいます。
ストーリーは可もなく不可もなく。ジブリらしいといえばジブリらしいかな。んー、でも主人公があまり好きにはなれませんでした(たぶん棒読みのセリフのせいかも) ボッチ自己嫌悪系の少女の成長物語にしては、他の登場人物(例えば主人公にデブと言われた子や、眼鏡の子)に比べても幼すぎて……。小中学生ならもっと違った目で見られるのかしら? 正直、成長ものとしても心の葛藤が薄すぎるんじゃないかと思いました。全体的に今ひとつでした。
最後にもう一つ気になったのは、「北海道ってそんな住宅でも大丈夫なの?」というぐらいの防寒のレベルが質素な建物ばかりでした。
新しいジブリを感じる意欲作
期待以上に面白かった。
『借りぐらしのアリエッティ』で監督デビューした、米林監督の第2作。これからのジブリを背負って立つ米林監督が、宮崎監督の力を借りずに仕上げた作品がどんなものであるか、興味深く鑑賞した。
結果、良い意味でジブリっぽさを裏切りながらも、しっかりとジブリ色も残した、新しい可能性を感じる作品だったように思う。
異色な点として、以下の通り。
・主要な登場人物は女の子のみ(男子は登場しない)
・主人公が異様な程暗い(ほぼ病的)
・ファンタジー要素は皆無
これだけでもジブリ作品としてはかなり挑戦的だと思うが、最後はしっかりとジブリ作品を観た爽快感が残っている。音楽のチョイスや敢えて男の子を登場させなかった設定など、今までたまに感じることのあった変な押し付けがましさは感じるところなく、自然と感情移入させる上手い演出だった。
今回作画監督についた安藤氏、美術監督についた種田氏の助けもあってか画像の美しさも際立ち、すべてにおいてアリエッティよりレベルが上がっていると感じられた。
宮崎監督が天才肌の独裁的なリーダーであるならば、米林監督は全員の個性を生かし、まとめることが上手いタイプのリーダーだろうか。これからの活躍が楽しみだ。
最後に感動がやってくる。
なかなかなファンタジーぶりに、途中ついていけなさそうになりましたが、ラストに向けてたたみ込まれ、最後は涙ボロボロでした。子供向けではなく大人向けだと思います。
いつものジブリ
アンナはまだマシですが、マーニーの声に最後まで違和感が拭えませんでした。パクと声があってない場面もチラホラと…。お話としても壮大な妄想オチ。見ようと思っている人は「絶対」にwikiで原作の項目を見ないようにしましょう。
思い出とは?(編集中)
思い出のマーニー
正直あんまり期待せずに鑑賞
なぜなら米さんの前作アリエッティは
あんまり腑に落ちない状態だったから。
アリエッティはかなり期待してみて
話の短さに驚きを隠せませんでした。
狩りとかすごく可愛くて楽しくて
次は次は?って感じなのに
見つかって引っ越すまでが早すぎて
あまり感情移入できず終了。
今回のマーニーも、
すごいともてはやされて薄っぺらく終わるのかと
特になにも考えずとりあえずジブリだから
鑑賞することにしました。
まず始まりの絵がすごいジブリで安心(笑)
あんなコマ使うのは大変だろうな〜と思いました。
あとはアンナの繊細さと臆病さに共感。
ん?共感というか(笑)
わたしもアンナのような目線で見てる気がして
あ〜わかるな〜、みたいな(笑)
義母のことを山羊に例えた所は、
宮崎監督じゃ絶対にやらないと思いました。
(絵にはするけど言葉にはしない)
またマーニーはアンナとは対照的。
最初、マーニーとは絶対的な空想上の人物で、
アンナが作り出した理想像だと思っていました。
外国の両親の元、幸せに暮らす自分。
そんな夢をみながら、現実の美しさにも魅せられて行く。わたしはわたし。的な(笑)
見事に予想は裏切られ
マーニーはアンナのおばあちゃんでしたね。
もう、久子さんが語っているときには
既にみなさん気づいていたんじゃ(笑)
まあ、あれでお母さんなのかな?と勘違いしたのはわたしですが(笑)
アンナは幼い頃想像した祖母の姿を
自分にとっての理想像と重ね合わせ
強く凛々しいマーニーという少女を創り上げました。
ですが物語が後半になるにつれ
完璧な人なんでいない、
自分を愛してくれる人ならいる、
あなたのことが好きよ、
米林監督の優しさにすごく癒される作品
幻想なのか、それとも現実なのか?
主人公の少女安奈と出会うマーニーは、突然現れて、突然消えていく不思議な存在として描かれます。だけどマーニーの正体が明かされ、全ての疑問が繋がる後半の展開は、ミステリー小説のように楽しめました。
両親の愛情を知らずに育った安奈。仮面をまとうように義母の元で普通の顔を装おい続けてきた心の闇が胸に突き刺さりました。それだけに自分の母親も同じ境遇で育ったことを安奈が知ったとき、そして同時に母の代わりに自分を育ててくれた祖母の愛に触れたとき、安奈の心境の変化が感動的なのです。
孤独で誰からも愛されていないだめな人間だとずっと思い込んできた安奈でした。しかし、自分のこれまでを知ったとき、どんなに自分が愛されたきた存在だったか思い知るのです。最後にずっとおばさんと読んで他人行儀に接してきた義母を人に紹介するひと言にグッとくることでしょう。
後で触れるとおり、革新的な本作は、これまでのジブリファンには拒絶されるかもしれません。でも心に子供自体のトラウマを持つ人なら、深い癒しを感じさせてくれる作品として、熱狂的に支持されるでしょう。
監督は、「借りぐらしのアリエッティ」に続いて、ジブリ生え抜きの米林宏昌の第2作。ヒロインの繊細な心のあやと、その内向性を描くことで、きっと新たなジブリの方向性を感じさせてくれる作品となることでしょう。皆さんにもぜひお勧めします。
ところで、昨年はジブリの決定的な転換点となりました。宮崎駿が『風立ちぬ』を撮って引退を発表し、高畑勲が8年かけた『かぐや姫の物語』を78歳で完成。日本のアニメーションを画す一つの偉大な時代が終わったといえるでしょう。
高畑勲、宮崎駿の名前を冠さない、初めてのジブリアニメは、10代の少女を主人公としているところは共通していても、初めてのダブルヒロインで、ヒーロー役がいないという冒険に挑んでいます。
主人公の2人はジブリアニメ風に見えます。しかし彼女たち、高畑、宮崎アニメのたくましい少女と比べると、線が細いし。頼りない感じ。アクションが少なく、ジブリのお家芸の飛行シーンもなく、魔法めいたことも登場しない本作は、従来のシブリファンに受け入れられるだろうかと心配になってきます。けれどもジブリという先入観をなくせば、前作の「アリエッティ」でも見せてくれた米林監督の優しさにすごく癒される作品なのです。ぜんぶん
杏奈は自信がなくて感情も表しません。「自分が嫌い」とまで言うものの、どうしていいか分かりません。そんな無力さを自覚する等身大の現代少女に感情移入してしまう人は少なくないでしょう。一方お嬢様のマーニーだって両親は不在がち、世話を焼くのは意地悪なばあや。満たされない思いを抱えていました。およそアニメのヒロインらしからぬふたりの設定が、ジブリ目当ての観客に受け入れてくれるかどうか心配になります。
たけど圧倒的なのが、穏やかな画面を支える精緻な背景描写。
何よりも目に飛び込む緑に水面が映え、太陽や月が照らす光景は息をのむ美しさです。建物や小道具は細部に至るまで精密そのもの。写実的な表情や動作は、杏奈とマーニーに奥行きを与え、手をつなぎ抱き合う2人は肉体を感じさせてくれます。肌の温もりや息づかいまで感じさせてくれるのです。余談ですが鉄道マニアなら、安奈が乗車する特急車両のリアルな質感に驚かれるでしょう。
特に印象的だったのが料理の場面に出てくる赤いトマトの鮮やかさ。そのみずみずしさに米林監督の底力を感じます。まるで実写映画みたいな、あかね雲の入り江から広がる夕方の海などの長回しで映し出される情景描写も印象的でした。水辺に足を浸したときの冷たさなど、五感に訴えかけてくる表現も秀逸です。
但し、ストーリーが淡々と流れるため、子供たちには退屈かも(^^ゞ
物語は、幼くして両親を失い、養父母と暮らしてきた12歳の杏奈は、あることが原因で心を閉ざしてしまいました。表向きは“普通”な顔をしていても、持病のぜんそくが悪化するなど、内なる葛藤は隠せません。札幌にある自宅を離れ、養母の親戚が住む海辺の村で療養することになのます。
そこで彼女の心を引きつけるのが、入り江に面して立つ無人の邸宅、通称“湿(しめ)っ地屋敷”。安奈は、その屋敷を「見たこともないはずなのに知っている気がする」というのです。
お祭りの夜、地元の中学生と衝突した杏奈は海辺へ飛びだし、そこで廃屋となった洋館から飛び出してきた金髪の少女と出会います。マーニーと名乗るその少女と杏奈は、なぜかすぐ仲良くなります。
自分たちの仲を秘密にしながら、たがいの心のなかをうち明けるようになる。杏奈とマーニーの過去は思いもかけぬかたちで絡みあっているのでした。
原作を英国から現代日本に移植した物語は、骨組みだけを見れば、「出生の秘密」がネタとなっている古色蒼然の物語として、非難轟々となるかもしれません。それでも、誰かに愛され、自らも愛する喜びを再発見し、自分の殻を破っていく杏奈の物語は、実は、誰にとっても切実で親密な大冒険として受けとめて欲しいと願います。そして時空を超えた因果のつながりの中で、杏奈を導く愛の力を感じてもらえたら、きっと見ている人の孤独感も癒されることでしょう。
安奈とマーニーが、ふたりで過ごす時間のひそやかな美しさは、実写と異なるアニメでしか不可能なイメージの感触が結晶したものと特筆しておきます。
最後にひと言。製作過程で宮崎氏の“政治介入”があったとか。
米林監督に宮崎氏が、何度もホワイトボードに自分のコンテを描かいて、『舞台は瀬戸内で和洋折衷の屋敷があって』と熱心に自説を主張したそうです。でもそのイメージを聞くほどに、どうしても『崖の上のポニョ』そのものになっていたそうなんです。最終的にスタッフで話し合い当初の予定通り、北海道のイメージで行こうと決めたそうです。
老害は、去るのみですね(^^ゞ
ひねくれた言葉でいえば内野安打なのかな?
風立ちぬとかぐや姫の物語がスタジオジブリのフルスイングだとすれば、この映画は力の抜けたヒット狙いの印象を受けました。
でも決してダメな作品という訳ではないのですけれど。
色々なところで手抜き?もしくは効率化が求められたのかしらんなどと大画面で見れば見るほどそういうところが目についてしまうというところでしょうか。
原作は全く読まず。予告編のみで観たのがよかったと心の底から思いました。
意外に早くオチはわかってしまうんですが(瞳の色とかね)それでもきれいなとても美しい結末になっていると思いました。
ただ、悲しいかな子供たちを引きつける中盤ではなかったですね。上映中に子供たちが走り回るのは久しぶりにみました。
決して子供向けの映画ではないのですが、もっときれいに裏切られたかったな、という感想もあります。また、かなり長いのも問題ありかな。もう少しコンパクトだと子供ももっと楽しめたのかも。
絶対に、見なきゃ損!!!!
この作品はとてもとても奥が深くて
そして、感動します。
CMを見たときの印象はあまりパッとしなかったのですが、映画を見たときやばかったです!
最後の衝撃的事実。
涙が止まらなかったです!
雨のように涙がでてしまいました笑
皆さんに是非、みてほしいです!!
尾を引く作品
印象の選択肢に適切なものがなく、強いて言うなら「悲しい」と言うよりも「寂しい」というのが適切です。
映画が終わってアンナとマーニーの世界から引き離されたとき、寂しさを感じました。
あの湿っ地屋敷がある不思議な世界から現実に戻るのが、名残惜しかったです。
アンナとマーニーの二人の関係にのみしっかりと焦点が当てられていて、ほかの登場人物は敢えて記号的に描かれていたように感じます。
中でも印象的だったのが、空想の中に恋い焦がれるアンナとは対照的に、現実世界にしっかりと根を下ろしていた「太っちょブタ」の委員長です。
アンナにあれだけ酷いことを言われても、その場で同じ程度に殴り返して和解し、きちんと自分のコミュニティに入れてあげようとする度量の広さとバランス感覚は、本当に中学生離れしています。
自分のことで精一杯のアンナは、彼女の優しさには少しも気づきませんでしたが。
初期のアンナは、自分のことで精一杯な反面、自分に向けられる優しさに鈍感で、十代前半の多感な少女の典型のようでした。
輪の中にいる同級生も、周囲の大人も、お金も、すべてが世俗的で汚らわしく感じていた少女の世界が、少しだけ開いて前に進む瞬間をこの作品は見事に描いています。
人を選ぶ良質な佳作
原作は未読です。マーニーが登場してからの萌えるふれあいのシーンと、最後に向けて風呂敷のたたみかたが良く大変すっきりしたのが印象的でした。結局精神世界か幻想世界かタイムワープなのかははっきりさせないのもいい味です。
アリエッティから大きく伸びたと感じます。
私は大変気に入りました。
とは言え、前半主人公が持っている壁から来るなじめなさや、こじんまりとした枠の話であることから、人を選ぶ佳作だと感じました。
良い作品ではあるのだが…
これは、とくに酷評される作品でもないし、悪くはなく良い作品だとは思います
しかし、内容は現実的で深いのに103分で描くには短く、マーニーの方に時間を割きすぎて所々のサブストーリーが薄くなっている印象でした。
特に、義理の母ではない今の母の部分は薄くて、おばちゃんと言っていた娘から初めて母と言われた時の感動が薄くなっていた。
主人公の成長の部分も、丁寧さをあまり感じなかった。
マーニーの部分も、オチが重要ではあるけど、薄くはなっていないが、もうちょっとほしかったし、演出が良くても展開が追いついていなく、別れの部分もなんだか終わりまで急いでる感じがあって展開の雑さを感じてしまいました。
とはいえ、元の原作が良いのでしょうし、演出自体は良いのでラストらへんではウルッとさせられました。
が、やはりサブストーリーに物足りなさを感じてしまったので主題歌も心に響かなかったし、余韻もありませんでした。
とにかく惜しいの一言。
〈宮崎駿〉監督ならもうちょっと描いているはず。そういえば、今作はジブリにあった人間味のあるキャラが、とくにいなかったのもちょっと気になったかな…。
見終わった後、ジブリ映画を見たという感覚もなかったですし…。
だけど、感動はできると思うし、人によっては号泣できる作品ではあるのでレビューは気にせずに自分の目で見て劇場で鑑賞をしてください。
映像はとにかく綺麗ですので。
それにしても、ほとんどガラガラと言ってもいいくらいに観客が少なかったが、今後のジブリは大丈夫だろうか…。それとも自分の所だけ?
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