思い出のマーニーのレビュー・感想・評価
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人にも自分にもちょっとだけ優しく。
原作未読。
そのうえ僕はジブリアニメというかアニメ自体をそんなに観ないので、
『思い出のマーニー』がジブリとしてどういう位置付けに当たるのかは分からないのだが、
そちらの方が先入観ナシで観られて良かったのかもしれない。
ファンタジーというよりは、ファンタジー要素の強いドラマ。
人と係わり合うことが苦手で、疎外感を感じながら生きている少女が、
マーニーと名乗る謎めいた少女と出会って少しずつ成長してゆく物語。
いや、すごく良い映画だったと思います。
緑豊かな背景や隅々まで作り込まれた舞台の美しさ、
主人公の心がストレートに伝わる細やかな描写。
脇を固めるキャラクターたちの明確な位置付け。
そして何より、物語の底に流れる優しさ。
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物語を牽引するのは『マーニーは誰か?』という大きなミステリー。
彼女は杏奈の空想上の友達?それとも過去の亡霊?
僕はサイロに向かうシーンの直前辺りでマーニーの正体を確信してしまったのだけど、
だからと言って物語への興味を失ってしまう事はなかった。
むしろ、そこから終幕までずっと、涙を堪えるのに必死だった。
マーニーの序盤での台詞――「時々あなたを見ていた」という言葉はそういうことだったのかと。
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嵐の中で杏奈が叫んだ、「許してあげる」という言葉。
あれはきっと彼女にとって、マーニーひとりに向けた以上の意味があったんだろう。
杏奈を気遣うあまりにあと一歩距離を縮められない継母。
自分ひとりを遺して死んでしまった両親そして祖母。
「仕方がないと分かっていても許せない。そんなことを気にする自分も嫌い。」
自分は誰からも愛されていないのではないかという不安。そして、
他人とふれ合うことに臆病な理由を、自分の不幸な身の内だけのせいにしてしまう自分への怒り。
あの「許してあげる」は、彼女が今まで許せなかったもの総てに対しての言葉だったのかも。
そうして彼女は、『生意気で醜くてバカで不愉快で不機嫌』な自分を少しだけ捨て去ることができたのかも。
自分と、自分を取り巻く世界を好きになれたのかも。
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自分の価値が見出だせない、自分の居場所が見つからない。そんな息苦しさ。
けれど、無条件に杏奈を愛してくれたマーニーや、
屈託のない笑いとおおらかさで杏奈を受け入れた
叔父さん叔母さんのような人たちがいるお陰で、
『自分はここに居てもいいんだ』と思える。
自分に絶望しないで僕らが生きられるのは、
そんな優しい人たちが周りに居てくれるお陰だと思う。
(叔父さん叔母さんを思い出した瞬間に杏奈がマーニーの前から消えてしまうシーン。
あの時すでに杏奈は、自分の居場所のある世界を好きになり始めていたんだろう)
杏奈が人を許せる心を持てたのは、マーニーから
『悲しみや幸せの尺度は人それぞれ』ということを学んだお陰でもある。
どれだけ幸福に見える人間も悩みを抱えているし、
どれだけ不幸に思える身にもどこかに救いがある。
そう考えれば、人にも自分にもちょっとだけ優しくなれる。
生きることの息苦しさを少しは和らげられるのかも。
観賞後、そんなことを考えた次第。
〈2014.08.23鑑賞〉
許すこと、許されることの重み
なんとなく愛しいような悲しいような、繊細なストーリーでした
鑑賞後も何度も何度も記憶が蘇ってきます
人を愛すること、愛されること、マーニーと会って許すことや許されることに主人公は気づいたのではないでしょうか
これから主人公は、他の人と関わり合いながら微笑みある人生を送るのだと思います
観ていても幸せ、思い出しても幸せ
心にじわりと感動が押し寄せてきます
愛すべき小品
よく考えればマーニーの設定に(時代的に)無理があるが、それを考慮に入れてもしらけないのは杏奈の苛立ちが胸に迫るものとして、うまく表れているから。
だからクライマックスでマーニーを許す杏奈に、実は自分自身として認める姿であることが分かり、それを得ての最後の謎解きも予想はつきながらも(そしてその予想はおそらく当たる)素直に胸を打つ。
ようするにこれは「君は一人じゃない」 とささやく作品。ただ、それだけの作品である。
しかし、もしも胸を打ったのなら、誰がなんと言おうと、これは自分の宝物として大切にしておくべき。これは、そんな作品でもある。
緻密な物語、傷ついた心を癒す良作
この映画は、本当に緻密に練られている、良作だと思いました。
アンナとマーニーの絡みがどこか浮いていて(これは意図的なのでしょうが)、物語の落ち着き場所が読めませんでした。
それゆえ、物語の行方が興味深く、その世界観にどっぷりとつかることができました。
アンナの空想は、つまり祖母(マーニー)が読み聞かせてきたことそのもので、空想なんだけれども空想ではない。
マーニーが実在する人であることがサヤカによって明らかになり、久子によってマーニーの過去が明らかになる。
このストーリーの組み立てが素晴らしく、伏線もしっかりと消化されており、最後の真実を知った時には「なんて深い映画なんだ」と、映画のストーリーと構成の素晴らしさに二重に感動してしまいました。
「どうして私を置いて行ったの」
「アンナ、許してくれるって言って」
のくだりは、そのときはよくわからなかったけど、いま思い返すと先に逝った祖母と残された娘が心から分かち合うシーンであり、とても深い感動を覚えます。
この映画、見るとき以上に思い返して深く感動を覚えるという、不思議な映画です。
疲れているときこの物語のことをふっと思い出して、反芻してたら涙が出てきました。
ひとことでいえば、
「愛」を知る物語
です。
表面上の描き方でレズモノだと揶揄する声は放っておきましょう。
断じて百合などではありません。
従来の宮崎駿監督をはじめとするジブリ作品とはかなり作風が違う印象で、物足りなさを感じる方もいるでしょう。
しかし、非宮崎駿作品の意欲作としては、かなり良作に仕上がってる印象です。
エンディングが流れているとき、「ひさびさに良い映画みたなぁ」と、心から思いました。
声優のキャスティングも違和感なかったです。
万人受けする作品ではないので、退屈だと思う人はずっと退屈でしょうし、現に低評価のレビューはそんな感じでした。
でも、この物語の良さがわかる人と良さについて熱く語り合いたい、そんな気持ちにさせてくれます。
客を寄せる上で引きが弱いのが残念です。
CMもよくわからないし、女子中高生をターゲットにしたという宣伝の戦略ミスが致命的。
これは鬱屈した青春時代を過ごしたすべての大人たち(もしくは現役の中高生)が見るべき映画な気がします。
かつて家庭や人間関係などで傷つき疲れ果て、人生に喪失感、絶望感を味わったことのあるア・ナ・タにこそ、ぜひ見てもらいたい。
アナタの中に眠る傷ついたインナーチャイルドを癒し、心が軽くなるはずです。
大切な映画のひとつとして、ぜひ本作を加えてください(笑)
圧倒的な雰囲気
観に行ってよかった!
歴代ジブリの中で好きな作品ナンバーワンかもしれないです。
湖や月明かり、草や風の表現が美しい。
実写ではないアニメーションの美しさに
思わずウットリしてしまいました。
さすがジブリですね!
夢と現実を行き来するような展開も魅せられますね。
一度通してみてから、もう一度は必ず見直したい映画です!
二回目はまた違う目線でみられて面白いと思います。
異様に明るいマーニーの笑顔も、違う印象になるでしょう。
最期まで、不思議で静かで美しい作品でした。
映画が終わった後も、しばらく席を立てないくらい感慨深かったです。
泣きました
友達と見に行ってきました。
僕は高校生ですが、杏奈や頼子の気持ちがすごく分かり泣きました。
周りの友達はお金を貰っていないのに、杏奈の家は教育資金をもらっていることがきっかけで血の繋がりのないことで両親との間に壁ができてしまうこと。
それが、マーニーに出会い解きほぐされ、明るそうに見えても実は悩みを持っているマーニーを楽にさせてあげたり、杏奈とマーニーとの別れのシーンは感動しました。
その後しめっち屋敷に引っ越してきた彩香や、マーニーの幼馴染の久子によって分かってくる事実にとても驚きすごくスッキリしました。
杏奈が克服し、変わっていく姿がすごく上手く表現されていてとてもいい映画でした!
プリシラ・アーンの主題歌も映画にピッタリでした
久々帰りたくなった映画
全く期待してなかったけどやっぱり、て感じでした。主人公の目がよく見ると青いてのでもう結末が分かってしまったし、最後すごい悲しい事実とかもやっぱりねって感じで、全然入り込めませんでした。女の子同士で愛してるとか言い合うのも気持ち悪いし、終始早く終わらないかな〜と退屈でしょうがなかった。子供にもすごい理解出来る内容て訳でもないし…つまらなかった。
後だしジャンケン・・・
予告編ではアナ雪並の歌力で、本編もしっかり魅せてくれるのだろうという期待値も高め。
これがいけなかったのか、残念感しか残らない鑑賞になってしまいました。
じつはこうだったんです!っていうサゲは予測通り。てか、それしかないんだろうよってな流れ。だから主人公があんなに驚くのにびっくり。
病気や事故が重なったり、終盤の実はこうでしたの長~いご都合良い設定説明はそれやっちゃあ、何でもできちゃうよなぁってな感じ。
まるで後だしジャンケンだよ。
もっともっと魅せるものがつくれるできるはずなのに、どうして?という悔しさ、残念感。
次に期待。
僕達が好きだったジブリ映画の後継者
いやあ、米林監督ってホント、ジブリ映画のことが好きなんだね!
「アリエッティ」の時も書いたのだけれど、
こりゃもう半分は同人誌みたいなもので、
宮崎駿自身がもう卒業しちゃって描けない
「僕たちの大好きだったジブリ映画」というものを
継承してゆけば、それはひとつの、今後のジブリ映画となり得るのではないか?
今までのジブリ映画の要素がいっぱい。メイが出て来たのはもう笑うしかないんだけど、
ホントこれまでの総決算というか、要素と反省がよく出ている。
この監督、絵と音にはものすごく気を遣うのに、
登場人物の皮膚というか、触感には鈍いのかな?
アンナが半ズボンで草むらに入って行って、素足が痒くないのかな? とか
衣服が濡れて、そのベタつきの嫌な感じとか、そういうのは、なんか薄い。
途中で、ああ、アンナはそういう感覚が薄い娘なんだと気づいたんだけど
(厳密に言うと、道を外れることに慣れている娘)
最後になって木の根につまづいたり、風を感じたりと、アンナもマトモな感覚を取り戻してゆく。
マーニーとのルーツを確保するために、養母を母と認めたということは理解できるんだけど
まぁ、こういう解釈もアリかな、、とは思う範囲内。
養育費のこととか、そんなに必要なことだとは思わないんだけど、
今時の子供にオモネル趣は、ポニョの頃から宮崎駿にも見られた傾向で。
それってやっぱり、裾野を広げるという行為ということで、必要なのかねぇ。
僕らがもっと観たいのは、荒唐無稽なマンガ映画のはずなんだけど、
この監督の趣味ではないんだろう。どちらかというと、少女向きの、繊細な作風だから
もちろん作家性ということで、いいんだと思う。
これまでのジブリになかった(若しくは失敗して来た)、作家性というものを
ちゃんと気付ければ、吾郎ちゃんと、米林さんと、あともう1人くらい
ジブリの後継者がいてもいいと思うんだけどね。
なけりゃ潰せばいいか、という関係者の発想が其の域を出ない内は、どうしようもないのかもしれない。
ジブリ解散説も、そりゃ出るよね。しかも内から、ね。
いいんじゃないの、種を撒き散らすことができたなら、天才は弟子を取れないでしょ。
辻仁成の中性説は時代の最先端なのかね、この映画が認められると言うことは、そういうことだと思う。
幸せに気付くその日まで。
米林宏昌監督の第二弾。
ジブリの御大二人のあとで自作公開ともなれば、かなりの
風評が吹き荒れることは間違いなし。それを以ってしても、
私はこの監督の作風は好きかもしれない。アリエッティは
かなり良かったクチだが、今回のこの「暗~い」話も(ゴメン)、
入っていかれた。ジブリかと思う位ファンタジー度は低く、
子供向けという割にはドキドキもワクワクもしないこのお話。
しかしながらイギリスの名作児童文学に描かれる主人公が、
現代の子供の実像にけっこう迫っているところが興味深い。
この主人公の杏奈(原作はアンナ)にそっくりな子がいた。
確かその子も12歳の頃だったと思う…急にそれまでと趣が
変わり、内向的になってやがて学校にも行かなくなった。
その子の両親から相談された私は、以降その子をしばらく
預かってみたり、話を聞いたりしたけど、全くダメだった。
何が彼女をそんな風に悩ませたのかは分からない。だけど、
今作を観ていて何か実感できる部分が多く感じられたのだ。
よくいえば感受性が強く、他者を鋭い視線で観察できる子。
悪くいえば人間嫌いと誤解され、仲間外れになりやすい子。
でもどっちの性格も一長一短、内向的か外交的かにもよる。
少し前に観た、「円卓」という映画に出てくるこっこが陽で、
この杏奈が陰、そんな感じがした。決して悪い子じゃない。
思っていることが巧く表現できず、口を開けば憎まれ口を
叩いてしまう…(太っちょ豚って^^;)悪気はなかったのにね。
自分が実はもらいっ子(養女)であることを悩んでいた杏奈。
育ての母のことをいつまでも「おばちゃん」と呼び、養育費
の手紙を見つけた時も、本音を吐露することができない。
実際は感謝しているだろうし、心根だって優しい子なのに、
なかなか「おかあさん」と呼んであげられないところが辛い。。
そんな彼女が喘息の療養のため向かった田舎で、マーニーと
いう金髪の少女と出逢い不思議な体験をする…という物語。
突如登場するマーニーが何者か、そこがネックなのだが
謎が解けるのは案外早いかも。現在と過去が行ったり来たり
する構成は分かり辛いが、謎が解ける中盤以降は分かり易く、
ともすれば、何だこんな話だったのか。と拍子抜けするかも。
杏奈の性格のように深く入り込んでいく心情ストーリーなので
映像面で華やかな部分が少なく、一番のファンタジーといえば
監督入魂の、二人がワルツを踊るところくらいだったかな…。
ジブリっぽさに欠ける新作だが、監督らしさは伝わってきた。
(一番難しい年頃かも。その子の性格に因るから正解はないし)
(^^)優しい気持ちになれたよ
ラストシーン、嗚咽
お恥ずかしい(´・_・`)
“あなたのことが大好き”この言葉がこの映画の主題なんでしょうね。言うのはこっぱずかしく、言われたら嬉しいこの言葉。劇中聞いてドキっとしたと同時に涙が止まりません。
マーニーの一生は幸福とはとても呼べる物ではなかったのでしょうが、その中で彼女は最善を尽くし、孫を守ったのでしょう。人生は思い通りにいかず、杏奈のように腐ってしまいがちなのですが、現実、目の前にある物、目に見える物を受け入れなければ人生つまらないものになってしまうんでしょうね。
ふとお盆を前にしてばあちゃんのことを思い出しました。優しい気持ちで迎え火ができそうです。
ありがとうございました!
ひと夏のマーニー
良くも悪くも余韻が残る映画。
絵と音楽はとっても良かったです。
ストーリーも、面白かった。
のですが、微妙なモヤモヤ感。
主人公が好きじゃないです。
まず、委員長に謝れ。頼子さんにも「言ってくれて嬉しい!」以外に言うことあるでしょ?
何がそんなに悲しくて、何に納得してあんなに清々しく札幌に帰っていくのか、よく分かりません。
マーニーとの夢物語に偏り過ぎて、アンナが若干精神を病んでる人(か、ただの痛い人)のように見えたので、もっと今現在の関わっている人との繋がりを見せて欲しかったです。
現実をみなさい現実を。
魅力的な人がマーニー以外にも、いたと思うんだけどな。
あのままじゃ、すぐに捻くれて引きこもりそう。
マーニーも人間味がなく、笑い方も表情も人形っぽくて怖かったです。
敢えての演出なのかな?
他のレビューでは、好評価が多くて、読んでビックリしました。
エンディングは良かったなぁ。
もっとアニメらしく。
スタジオジブリの新作である。自然とハードルは高くなる。
宮崎駿、高畑勲以外の作品で、そろそろエポックメイキングを出さないと、ジブリの将来が危ぶまれる。
さて、本作であるが、ファンタジーということになかなか気づけない構造をもっている。これはやや不利なのではないか。
杏奈が最初に湿っ地屋敷にたどり着いたとき、誰も住んでいないように見えたが、次のときにマーニーと出会う。
パーティーがあったあと、またみすぼらしい屋敷を杏奈は目にする。
つまりはマーニーは実体のない人物なのである。
ところが、杏奈はマーニーとハグするしダンスまで踊ってしまう。もちろんそれは杏奈にしか見えないことになっているので、それでいいのかもしれない。また、杏奈以外の第三者もいない。
だからといって、抱き合うシーンを見せてしまうのはちょっとルール違反ではないかと思ってしまう。
いまさらながら「シックス・センス」(M.ナイト・シャマラン監督)がいかに巧みであったかに思いをはせる。
杏奈の目の色が少し違う、というのがチラッと出てくる。青いというのだ。
だが、あのシーンは夜で、うつむいている杏奈を下からのぞき込むようにして見た結果としてなので、それが本当なのかどうかわからないようにしてある。
が、それもきちっとした形で提示すべきなのではないか。例えば、その目の色のせいでふさぎ込んでいるとか、複数の人に違う場面で指摘されるとか。
これは実写でやるべき題材ではないか。
結論としてそう感じた。
米林宏昌監督の前作「借りぐらしのアリエッティ」がアニメらしい作品だったので、期待しすぎていた。
しかし、ジブリブランドを維持するためにも頑張ってもらわなければならない人材だと思う。次回作に期待する。
なるほどそういうこと!?
夢なのか現実なのか?最初は、そんなことばっかり考えながら、鑑賞してました。でも、最期エンディングでなるほどそういうこと!?とすっと胸に染み渡る感じを受け、ちょっと涙出そうな感覚になります。
祖母との思い出は、ふんわり温かく優しい気持ちになるものしかないです。その琴線は誰もが共感するところなんでしょうね。鑑賞後にじわりとくる幸福感を味わえる秀作だと思います。
成仏と成長の融合
原作を全く知らず映画をみたが、最初はたんたんとした展開で、やや退屈。美しい映像もかえって眠気を誘い、正直うとうと仕掛けてしまった(ジブリ作品では初めて)。
しかし、マーニーの正体が判り始めた中盤からだんだんと話の展開に引き込まれて、終盤には涙がとまらなくなった。少女から大人への成長と成仏できなかったマーニーの思いがお互いに絡み合って大変心に染みる良い作品だった。ただ、これまでのジブリ作品を期待している子供にはやや難しいかも?
あなたにマーニーはいますか?
親がいない事で自分を不幸、孤独だと感じている主人公が生活環境は違うが、同様の孤独を感じているマーニーとの出会いで、心を成長させていく。
女子同士の友情を描く話と思いきや、マーニーの主人公への愛は家族を愛する気持ちであったというストーリー。心温まる映画でした。
思い出のマーニー
軸になっているのは杏奈が救われていくという物語だが、それ以上にマーニ-も救われていく物語でもある。
微かな思い出(記憶)の中のマーニーが杏奈の前に姿を現したと考えられるが、苦しんでいる杏奈を助けるために、または許してもらうために姿を現したとも考えられる。
マーニーは杏奈を置いていってしまったことを後悔し続け、あの日のサイロの中で心を閉ざして泣いていたのかもしれない。
そう考えると山場である、マーニーが謝り杏奈がすべて許す場面では、二人共が救われる。マーニーは天国へ、杏奈は現実へ戻っていく暖かいシーンだと思う。
自分を孤独から救ってくれた大好きなマーニーが、実は思い出のマーニーだった…。この事実があれば杏奈はこれからも強く生きて行けると思う。
『思い出のマーニー』を見ました
その1 :とっても良かった。やっぱアニメは、ピクサーやディズニーもいいけどやっぱりジブリがいい。
派手じゃないのに華やかで(色合いとか)、うるさくないのに耳に残る効果音やじんわり沁みる音楽(エンドロールで挿入曲が1曲しかなかったことに驚いた。今じゃもう珍しくない⁉︎)
心地良かったです。
その2 :基本、「一人の、問題を抱えた今っぽい少女が車に揺られて出向いた先で不思議なことに出会って成長して、帰るころには冒頭と全然違う表情になっている」どっかで聞いた話ではあるんだけど、それはなんとなくわかってはいたんだけど、『思い出のマーニー』はちょっとしたミステリー要素というか謎があって、そこに凄い引張られたと思う。
最後の最後まで謎が続いて展開が読めなくて、いい意味で「で、どうなんの⁉︎で、なんなの⁉︎」って前に乗り出すカンジになった。
その3 :マーニー役の有村架純より、杏奈役の高月彩良さん?良かったなー。
おばさん、が松嶋菜々子である事にエンドロールまで気付かなかったので、それは良く役に馴染んでいたということなのか。黒木瞳はすぐ気付いたのに。TeamNACKSの皆さんには全然気付かなかった(笑)
私は凄い好きでした。誰に感情移入する、とかそーいうのじゃないけど、ポロポロ〜っと涙が出た。凄い綺麗な涙を流した気がする(笑)
それは、大切なものに気付いた、ひと夏の奇跡。 ある少女の、成長の物語。
良かった。
よかった(大切な事なので二回言いました)。
とりあえず。
観ずに、百合だ、レズだ、言ってる人は
切腹ものでいいと思います。
原作は未読です。
観賞後だからこそ言える言葉ではありますが
何を言ってもネタバレにしかならないと思いますので
作品のストーリーについては語りません。
ただ、ある種のミステリー作品なので
あらすじを調べないようにご注意ください。
前半約一時間は伏線張りに終始。
残り30分でこれどう纏めんの…?と思っていたら
怒涛の展開で度肝を抜かれました。
メインキャスト二人の声を棒読みだの言う人がいますが
自分は気になりませんでした。
むしろ、二人の置かれた生活環境を考えると、
よく合っていたのではないかなと思います。
特に前半の杏奈。
人との距離感が分からず、愛を知らない環境下では
人は人に優しくなれないのだから。
その辺りのぶっきらぼうな感じがよく出ていたと思います。だからこそ後半の表情と声が映えるのですけどね。
マーニーはやや物足りなさを感じましたが
出生の環境を考えるとやはり許容範囲でしょう。
また、プリシラ・アーンの主題歌は
観賞後に聞くと心に染み入るものがあると思います。
壮大、というほどのものではないですが
素晴らしく深い、愛のお話です。
愛されてない人なんか、いない。
悲しみを知ったからこそ人に優しくできる愛もある。
愛なんて人それぞれですよね。
一つ難点は…、皆さん書いておられますが
この作品起承転結で現すと
承が異様に長いんですよね。
また、転があっという間ですぐ結へ向かう為
腑に落ちづらい展開にはなっていると思います。
ぐわぁ ってクル絵が不足している
話のスジは、
都会ぐらしの喘息もちの主人公。環境不適合になる。
思春期らしい潔癖な価値観から人を嫌い、自分をも嫌う。
療養と気分転換のため、田舎の自然豊かな土地へ行くことになるが、
出会った人とやっぱり始めはうまくいかない。
そのうち外の屋敷に気を惹かれた主人公。その場所に関わる人とすごし、うまくいく人とはうまくいき、影響を受けるなかで、それまでの他人の観え方や、自分のイメージ徐々にが改善されていく。
そしてうまくいかなかった人と改めて良い関係を作ろうと試みてうまくいく。メデタシメデタシ。
ま、こんなスジでしたが、
子供たちにも大人たちにも共通する悩みが描かれていたので、大人になってしまった男の自分でも、少女の物語を、「主人公どうなるの??」と興味を持ち続けて見られました。
しかし、
薄味の人間関係の作り方を良しとする都会的な作者のヒューマニズム、は好きには慣れそうにない。
田舎的なズカズカ土足で他人の心に踏み入るお節介さ、たしかに嫌われるけど、必要だと思うけどな。
あんまりそこんとこ迫害されては困りますよジブリさん。影響力が強いんだから。
自然描写を宮崎駿作品と比較して
絵力で心がふるえるところが少ない。と感じてしまいました。
マロさんのほうは、
この監督あんまり自然の中で遊んでないな、と思えてしまう。なぜかと言えば、
自然が人間に与えるてくるシゲキの部分が少なすぎる。
背景の自然はただの薄味の空気ていどに存在しているだけで、観ていて「ああ、あの時のあんな感じだ!」とうったえてきませんでした。
・海ならその水辺の生態系の豊かさのレベルはどんなもんよ? 海藻さえ記憶に残らなかった。カニ一匹いた程度の描写じゃ、都会の死んだ海と余り変わらないよ。
風はどっち向きにふいてるのよ?
宮崎駿さんのトトロでは、
観客の自分は湧き水が出てるような田舎に住んでいたけど、
トトロを見終わったあと、その世界観おかげで寂れた自然の世界さえも、「怖くない、ワクワクする!」みたいなノリが湧いてきたのを覚えている。
大自然とそこに生きる生き物が畏敬と恐れを感じさせる存在で、「この存在尊いな、人間だって同列の尊さだ。」そうだそうだ!と深く同感したものだ。
このままジブリは昔は良かった、、、となってしまうのかな?
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