私の、息子のレビュー・感想・評価
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バカな親、しかしそれも愛
これは凄い映画だった。
クライマックスがとにかく凄いのだが、それは後で。
さて今作は感情移入もできないし、主人公の家族には終始イライラさせられます。
母親は息子の犯行を改ざんしようとするわ、息子は現実に逃げてばっかりだわ、そんな息子を父親は怒らないわともう見ててイライラ。
母親は歪んでいるけど愛ゆえにやっているからまだ気持ちはわからなくはないけど息子には逃げるしか頭にないのでこの息子にはかなりイライラさせられる。
それがクライマックスまで続くから尚更。
しかし…感情移入できないと言ったが、スクリーンの中では遺族に対して間違った対応をしてるし共感できることではないはずなのに気持ちがこのバカな母親に持ってかれそうになった。
この場面は本当に凄い場面だと思う。
そしてラストではそんな母親の姿を見た息子は決意をして謝る。
そこで流れる原題のタイミングが秀逸。
エンディングも優しく包む歌が流れて気持ち良い余韻が残った。
とにかくクライマックスからラスト、原題の流れは映画的名シーンと言えて本当に凄い。
人は選ぶ作品だが、一度見てみる価値はあると思うので見たいと思った方はぜひとも見てみてください。
一刻も早く観に行きましょう。愚かな母親と愚かな息子の物語。
6月21日、渋谷ル・シネマにて午前10時30分の回を鑑賞。首都圏で唯一の封切り館であったにも拘わらず、客は2割強程度の入り。上映前に配給会社の社員が様子を見に来ていましたが、かなりショックを受けていたのでは・・・。初日からこの程度の入りでは、三週間程度で興業打ち切りの可能性もあります。粗筋は敢えて語りません。途中、手持ちのカメラで撮影していたためか、画面が激しく動きます。きちんと静止しなくてはならない場面でも、まだ、画面が揺れていました。これでは、撮影監督の不手際と云われても仕方ないと思います。終盤、主人公の母親が、息子が車で轢き殺してしまった少年の遺族へ謝罪しに行くのですが、そこで母親は、自分の息子の美点を縷々、述べ立て、赦しを乞うのです。かなり、見苦しいな、と思いました。多くの日本人には余り受け入れられられない場面であったと思います。
最後に一瞬の暗転の後に「胎児のポーズ」という字幕が出ます。そうです、このことばこそが、この映画の原題なのです。英題は「child's pose」で、これはヨガの姿勢の一種を意味し、外部からの攻撃を避ける姿勢なのだそうです。
繰り返しになりますが、この映画に関心のある方はなるべく早いうちに映画館へ足を運ぶことをお勧めします。単館ロードショー公開の初日にこれだけの惨状を呈していたのは、今回が初めてでした。合掌。
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