「ヴァイオリン演奏と彼の生き方の面白さ」パガニーニ 愛と狂気のヴァイオリニスト 雨音さんの映画レビュー(感想・評価)
ヴァイオリン演奏と彼の生き方の面白さ
面白い映画だった。
セックスシーンなど大人の娯楽映画的な要素が多分にあるけれど、ヴァイオリンの一流の演奏がストーリーの流れの中で楽しめるのは私にとっては贅沢だった。
映画の中のパガニーニに、最初「何、この人、だらしなさ過ぎて勘弁だわ」と拒否感を感じてしまった。ところが、ここぞというときキリッとなったときの彼は素晴らしすぎた。そして、だんだん、この人はこれでいいのかもね、と、何もしても許せる気持ちになった。
ロンドンの公演より後の彼はどうも冴えないけれど、こういう人は、キリッとする時とどうしようもなく冴えないと時を行き来する性なのだから、これは避けがたい、と納得してしまう。
彼の生き方の緩急の面白さが、見る側の心理にもメリハリを与えてくれ、音楽とともに楽しめる映画だった。
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