アルモニのレビュー・感想・評価
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人それぞれの世界
2014年公開作品
アニメミライ2014出品作
併映『大きい1年生と小さな2年生』『パロルのみらい島』『黒の栖 -クロノス-』
ビデオマーケットで鑑賞
監督と脚本は『イヴの時間 劇場版』『サカサマのパテマ』『機動警察パトレイバーREBOOT』『アイの歌声を聴かせて』の吉浦康裕
粗筋
アニメ好きな高校生本城彰男はクラスメイトの真境名樹里に仄かに想いを寄せていた
彰男はアニメ好きな「キモい」オタク3人組に属していた
樹里はクラスメイトの後藤と付き合っている噂
屋上に続く階段の踊り場がアニメオタクの溜まり場
iPodをきっかけに親しくなる彰男と樹里
彰男は樹里の生い立ちを知ることになる
彼女もまた彰男側の人で幼い頃から親に心配されるほどの妄想好きだった
アルモニとはハーモニーのことで調和である
絶対音感を持ち合わせてなくてもあちら側の男子だった人に刺さるんだろうな
自分は本城側でも後藤側でもなかったし女子側でもなかった
あの頃からアニメは好きなほうだがクラスで熱く語り合うタイプではなかった
『けいおん!』『鬼滅の刃』や『ウマ娘』は全くハマらなかったアニメ好きです
作画はあまり好きではないがエッチな抱き枕にありそうな美少女系じゃないだけまだマシ
緩いアニメ仲間以外だと独特の緊張感
監督曰く声当ての演技力をかなり重視しただけあって見応えはある
「もしかしてお好きですか」「ええ勿論お好きです」
そういう世界
なんてことはない学園アニメ
ショートアニメとは言えその内容で充分にもたせている
悪くはない
声の配役
深夜アニメが大好きで絶対音感を持っている高校2年生の本城彰男に松岡禎丞
彰男のクラスメイトの真境名樹里に上田麗奈
彰男のクラスメイトのマユミに沼倉愛美
彰男のクラスメイトのリョーコに大地葉
彰男のクラスメイトで深夜アニメについて熱く語り合う吉田に松本健太
彰男のクラスメイトで深夜アニメについて語り合う渡辺に岩崎了
彰男のクラスメイトで深夜アニメには興味がない後藤に古川慎
樹里と中学が一緒だったクラスメイトの眼鏡の園子に東内マリコ
樹里の母に原島梢
樹里を診る医者に室元気
彰男の母に吉浦美津子
クラスメイトに相沢美衣
役名不明
狩野翔
飯田友子
中島ヨシキ
山口貴子
渡辺拓海
「アニメミライ2014」の中では別格。
非常に良かった。
絵柄は少年/少女以上に向けた作品。
差し込まれる夢の映像も含めて丁寧かつ繊細。
光の使い方も巧く、夢の中、そして現実だが夢心地の場面での光の当たり方。
対して、現実の暗い場面では人物の皺、歪みも含めて陰影の付け方が良かった。
何より特筆すべきは、脚本。
話の作りが本当に良かった。
映画「桐島、部活やめるってよ」のアニメ派生版と言っても過言ではないキャラ設定、中盤までの話の流れ。
中盤までは痛すぎて思わず目を逸らしたくなるような展開ですが。
以降の転がり方にグッときます。
特に、終盤の真境名樹里のあの台詞!!
2012年に映画「桐島、部活やめるってよ」で泣き笑いした私にとっては大きなカタルシスを与えてくれました。
『竜汰に映画秘宝を落とされた前田』という映画「桐島~」の構図も意図的に入っているように思われます。
音楽も話の鍵となっており、使い方が本当に巧かったと思います。
「アニメミライ2014」の中では別格。
映画「桐島、部活やめるってよ」を観た上で観るとより楽しめると思います。
順番的に4作中4番目ですが、本作を観るために75分を辛抱する価値は十分に有ります。
オススメです。
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