「前・後編制は間延びする。」寄生獣 完結編 mg599さんの映画レビュー(感想・評価)
前・後編制は間延びする。
前編、後編に分けて公開されるケースが増えている。今後も「進撃の巨人」(樋口真嗣監督)、「64 ロクヨン」(瀬々敬久監督)と続く。
これはやはりやめるべきだと、今回はっきり認識した。
「ソロモンの偽証」(成島出監督)のときはあまり感じなかったのは、原作を知っていたということからくる期待感と、前編と後編のインターバルが短かったことにある。
「寄生獣」の出来は、染谷将太の頑張りや山崎貴監督の思い入れなどがあいまって、非常によかった。完結編への期待はかなり大きいものになっていた。
が、4か月のインターバルはあまりにも長すぎた。
こちらの気持ちはすっかりさめてしまっていたのだ。
原作を知っていればまた違っていたのかもしれないが、残念ながら冷静そのものでの対峙となってしまった。
そして、そのさめた気持ちをふたたび熱くするものではなかった。
新一(染谷将太)はすっかり成長してしまっていて、そちらの情動はもはやない。
後藤(浅野忠信)がSATを殲滅するのだが、そのシーンそのものがない。耳で聞く情報と目で見るそれの伝播力は比べものにならない。だから映画なのに。
結果、ストーリーを追うだけになってしまい、気持ちはしゅーんとなったままであった。
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