「容赦なし。」寄生獣 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
容赦なし。
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この実写映画のニュースが出るまで原作の存在を知らなかったので、もちろん原作未見。
この映画、とても面白い。
右井と主人公の掛け合いもとても上手く出来てるし、VFXも違和感なく作られてる。寄生生物の役者の演技は個人的にツボでしたね。とくに東出さんの棒読み演技は「やあ!」のとこで吹きました。東出さんの大根役者ぶりがここまでハマるとは意外でしたね。
全体の作りとして、とにかく残酷。母親の末路なんかは特にそうだけど、ここまで容赦なく演出するとは、山崎貴監督の手腕に意外な一面を見た気がする。しかし寄生生物の残虐ぶりを無闇に見せるのではなくて、染谷君との対立構造が明確になってるので、よく出来てるなと感心した。
あとは、右井と染谷君の間で頻繁にかわされる「どっちが悪者か議論」。この会話は普通の会話のようで、実は深い。人間がいかに身勝手かの部分を問う右井の言い分のほうが、どちらかというと正論かなと思わされる。
総じて、おもしろい。山崎貴監督の過去作は天丼演出的なのが多くて嫌いだったけど、この映画に関してはそのシンプルな演出がとても活きていると思う。
一つ注文を付けるとしたら、ラストで染谷君に「寄生生物を殲滅する」ってのは言わせなくても良かったと思う。浅野忠信にも「この種を食い殺せ」なんて言わせなくてもよかった気がする。2人とも無言でも十分伝わると思うし、完結編への期待というかワクワク感が一層増すんじゃないかなーと思いました。
完結編の予告も、すこし派手な部分を見せすぎじゃない?と少し不安になった。
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