「原作ファンとして」寄生獣 すえおえすさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンとして
まず個人的に原作のコミックスは小さい頃から大ファンであり、実写化が決まってから少しずつ公開されていくプロモーション映像も毎日更新されていないかとチェックするほど待ち遠しく思っていました。
CMを見るたびに鳥肌が立っていた程です。
少し不安だったのが、最近の映画によくある『CMで見せ場ぜんぶ見せちゃう』現象です。
もしかしたら中身のない仕上がりになってるんじゃないかと…。
そして、いざ本編公開の初日に前のめりで観賞。
…お、おもしろい!!!!
それまでの不安など杞憂 甚だしいものだったのです。
正直 監督の山崎貴さんがハートフルな作品に携わっていることが多いイメージだったので、原作名物のグロシーンは多少控えるのかなと思っていたのですが、何のその。これでもかと言わんばかりの迫真の補食シーンに圧倒されました。
キャストも絶妙で、東出さんなんかはマンガからそのまま飛び出てきたかのような雰囲気、主演の染谷さんも原作とはだいぶ違うキャラでしたが、全く違和感のない素晴らしい演技です。
脚本も、あのリーガルハイの古沢さん。
細かい描写の一つ一つにこだわりを感じクスクスきました 笑
ストーリーも、思ってた以上に前編のみで進んでおり、完結編も手を緩めず力が入っていることが期待できる印象でした。
正直ほぼパーフェクトな作りではあるのですが、原作とは異なり主人公に父親もおらず、にもかかわらず唯一の心の支えとなるはずのヒロインとのやり取りも薄くなっていたので、主人公が他の寄生獣たちと戦う決心をするきっかけとして少し弱い気もしました。
しかし、それ以外に苦言といえば完結編の公開が遠いことくらいで、原作ファンではないとしても ここ二,三年で一番面白い映画だと思います!!