エヴァの告白のレビュー・感想・評価
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Feminist Drama with Superb Cast
David Grey has proven to be of the best auteurs this century, both defying and fulfilling expectations with his two most recent Lost City of Z and Ad Astra. His earlier films skirted our attention when they came out, but look back and see they are outstanding vehicles for all performers and technicians involved as well as fine films in general. Renner shines. Cotillard is gorgeous. Phoenix shocks.
役者陣の熱演ぶりは良かったが…
物語が動くまでが長くて間がもたない
ポーランドからアメリカへ渡った移民の女性の苦難を、マリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナー、というなかなか贅沢なキャストで綴るドラマ。
コティヤール演じるエヴァとフェニックス演じるブルーノの関係性にレナー演じるオーランドが割って入って、どのように変化するのか、生きるための努力は罪なのか?罪人と赦しとは?
最後まで観ると上手に組上がったプロットに感心するのだけれど、そこに至るまでがよくない。
時代感などの映像面は申し分ないし、キャストの豪華さで普通に観ていられるものの、そこまで好きなわけではない三人だけだと間が持たなかった。
ある程度始めのうちに秘密の一端を覗かせてもらえないと何を思いながら観ればいいのかわからないし、勧善懲悪の単純な物語でもないのだからキャラクターの一面だけを見るわけにもいかず、ブルーノやエヴァの行動の意味とか、裏に隠されたものを推測しようもなかった。
とにかく、主人公エヴァに対してさえ、彼女が可哀想だと肩入れしていいのかわからず、気持ちの入れどころが見つからなかった。
邦題にもなっているエヴァが告白するところから本格的に物語が変化していくのだが、これがまあまあ後半の出来事で、そこまでの暗闇状態が長い。
終盤も終盤、ほとんどラストくらいになってようやく物語の核が見えてくるが、そんなに驚くような深さもないし、前半の退屈さを覆せるほどではなかった。
多分、二回目を観たらかなり感心するのではないかと思うのだが、現段階ではそのつもりはない。
マリオン・コティヤールかホアキン・フェニックスかジェレミー・レナーが画面に写っていればそれで満足っていうファンの方にはオススメ。
エヴァの人生を歪めた本当の原因は…。
それは入国審査(入国管理)という法制度の適正な運用を蝕んでいた「情実」というものではなかったでしょうか。
本来、エヴァについて言えば身元の引受けが確実でないこと、エヴァの妹については伝染性の病気があることで、それぞれ強制送還になるはずのところでした。
それが、なぜそうならなかったのか。
それは、ブルーノが入管当局に利かせていた情実(賄賂の提供)であったことは、間違いのないことです。
ブルーノとしては、強制送還になりそうな女性の中から「上玉」を選りすぐって連れ帰り、彼女にさせる売春の上前をはねて、糊口をしのいでいる訳ですから。
自分がせっかく潜り込んだアメリカに居着くためだけではなく、「病気の妹も助けるためには、もっと稼がなければいけない」という、ブルーノが利用した状況は、エヴァが売春することについての大きな原動になっていることは、疑いがありません。
そう考えてみると、結局は、情実に応じた入管当局が、直接にエヴァに売春を強いたのと、どこが違うことになるのか、よく分かりませんでした。評論子には。
評論子が在学した学校(大学法学部)の刑法の教員が、まるで壊れたテープレコーダー(今風にはICレコーダーというへきか?)のように、「法律の解釈・運用に携わる者は、斬られれば赤い血が流れる人間でなければならない」という趣旨のことを、繰り返し繰り返し言っていたことが思い起こされます。もう20年近くも前のことになりますけれども。
本作でも、ブルーノから賄賂を受け取って職務を捻じ曲げている入国管理官(?)たちは、自分たちがそうすることでエヴァにどれだけの苦痛を与えているかには(当たり前のことながら?)まったく無頓着です。
情実によって法制度の運用を捻じ曲げることの恐ろしさ、醜さを垣間見せて余りある一本だったと思います。評論子は。
タイトルなし
移民はいつの時代も苦労が多い
移民船から降り立った時には何かギャング映画になるんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、怪しい劇場という点では似たような暗黒世界だと感じてしまった。いや、ブルーノ、本当に惚れたの?惚れた女に売春させるか?と疑問符が漂いながら見続けてしまいました。
一旦逃げ出し、叔母夫婦の元へと駆け込むが夫が警察に通報。あっという間に入国管理局へと送られてしまう。そこの慰問団のマジシャン、オーランドと知り合うも、彼もまたエヴァに惚れてしまったようだ。実はブルーノとオーランドはいとこ同士だと発覚するも、女の争奪戦が始まってしまう。
ストーリーもあっさりしているし、主要登場人物3人の描写もあっさり気味。時間も短く感じたから、一体どこに重点を置いていたのだろうかと不思議な感覚にもなった。みんな貧乏で金銭欲ばかりが先行し、警察や移民局なんてのも贈収賄が横行しているところはいつの時代も同じなんだなぁと感じるし、神父への告解の答えもあまりにも容赦ないものだった。生きる希望だけは持ち続けたけど、なぜかいい未来も見えない・・・俳優の演技に助けられている作品。
人物描写の半端さ
キリスト教へのイブの抵抗
悲しいい女と男
タイトル負け。
いいんだけど、あと一歩が欲しい
ジェームズ・グレイ監督への期待は私の中で変わらずにあり、こうやってやっぱり観ようという気持ちになるのです。そしてやっぱりこの監督を今後も観たいという気持ちにはなるのです。
でも、やっぱりあと一歩、何かが足りてない気が今回はしましたね。それが脚本なのか、演出なのか、詳しいことは分からないのですが、たとえば、もっと序盤はホアキン・フェニックスを怪しげに、胡散臭く、如何にも信用ならないように描いてくれてたら、もっと面白かったように思うんですよね。そんな怪しげな奴が実は良い奴だったりとか、そんでラストの告白に至ったりとか、そういう起伏がもうちょっと欲しかったかなぁ、と。
決して悪くない作品ですし、十分面白かったのですけど、やっぱり私としては『アンダーカヴァー』の時に感じた衝撃を期待しちゃってるんですよね。
話は悪くないのだが・・・役者が上手すぎるのも考えもの
誰もが生きることに精一杯で、誰もがしがらみとトラブルを抱えて日々を過ごす。そうして生き抜いた人々がアメリカの底辺を支えてきた。そう思える作品だ。
どん底から這い上がるため、足を引っ張り合いズルもする。油断したら、予期せぬ災いに何度でも巻き込まれれる。
そんな不遇な境地に陥るエヴァと、彼女の美しさに惹かれた男たちの物語なのだが、マリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナーの上手さだけが引き立ち、よく撮れているにもかかわらず、せっかくの時代背景とそこに生きる人々の存在が霞んでしまった感がある。
とくにコティヤールの美しさと存在感が際立ち過ぎて、懺悔の言葉に同情を覚えられないというのはなんとも皮肉な話だ。エヴァを守りリードしているはずの男二人も哀れなピエロに見えてしまう。監督の力不足がモロに出た。
足りない…
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