エヴァの告白のレビュー・感想・評価
全21件中、1~20件目を表示
Feminist Drama with Superb Cast
David Grey has proven to be of the best auteurs this century, both defying and fulfilling expectations with his two most recent Lost City of Z and Ad Astra. His earlier films skirted our attention when they came out, but look back and see they are outstanding vehicles for all performers and technicians involved as well as fine films in general. Renner shines. Cotillard is gorgeous. Phoenix shocks.
物語が動くまでが長くて間がもたない
ポーランドからアメリカへ渡った移民の女性の苦難を、マリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナー、というなかなか贅沢なキャストで綴るドラマ。
コティヤール演じるエヴァとフェニックス演じるブルーノの関係性にレナー演じるオーランドが割って入って、どのように変化するのか、生きるための努力は罪なのか?罪人と赦しとは?
最後まで観ると上手に組上がったプロットに感心するのだけれど、そこに至るまでがよくない。
時代感などの映像面は申し分ないし、キャストの豪華さで普通に観ていられるものの、そこまで好きなわけではない三人だけだと間が持たなかった。
ある程度始めのうちに秘密の一端を覗かせてもらえないと何を思いながら観ればいいのかわからないし、勧善懲悪の単純な物語でもないのだからキャラクターの一面だけを見るわけにもいかず、ブルーノやエヴァの行動の意味とか、裏に隠されたものを推測しようもなかった。
とにかく、主人公エヴァに対してさえ、彼女が可哀想だと肩入れしていいのかわからず、気持ちの入れどころが見つからなかった。
邦題にもなっているエヴァが告白するところから本格的に物語が変化していくのだが、これがまあまあ後半の出来事で、そこまでの暗闇状態が長い。
終盤も終盤、ほとんどラストくらいになってようやく物語の核が見えてくるが、そんなに驚くような深さもないし、前半の退屈さを覆せるほどではなかった。
多分、二回目を観たらかなり感心するのではないかと思うのだが、現段階ではそのつもりはない。
マリオン・コティヤールかホアキン・フェニックスかジェレミー・レナーが画面に写っていればそれで満足っていうファンの方にはオススメ。
エヴァの人生を歪めた本当の原因は…。
それは入国審査(入国管理)という法制度の適正な運用を蝕んでいた「情実」というものではなかったでしょうか。
本来、エヴァについて言えば身元の引受けが確実でないこと、エヴァの妹については伝染性の病気があることで、それぞれ強制送還になるはずのところでした。
それが、なぜそうならなかったのか。
それは、ブルーノが入管当局に利かせていた情実(賄賂の提供)であったことは、間違いのないことです。
ブルーノとしては、強制送還になりそうな女性の中から「上玉」を選りすぐって連れ帰り、彼女にさせる売春の上前をはねて、糊口をしのいでいる訳ですから。
自分がせっかく潜り込んだアメリカに居着くためだけではなく、「病気の妹も助けるためには、もっと稼がなければいけない」という、ブルーノが利用した状況は、エヴァが売春することについての大きな原動になっていることは、疑いがありません。
そう考えてみると、結局は、情実に応じた入管当局が、直接にエヴァに売春を強いたのと、どこが違うことになるのか、よく分かりませんでした。評論子には。
評論子が在学した学校(大学法学部)の刑法の教員が、まるで壊れたテープレコーダー(今風にはICレコーダーというへきか?)のように、「法律の解釈・運用に携わる者は、斬られれば赤い血が流れる人間でなければならない」という趣旨のことを、繰り返し繰り返し言っていたことが思い起こされます。もう20年近くも前のことになりますけれども。
本作でも、ブルーノから賄賂を受け取って職務を捻じ曲げている入国管理官(?)たちは、自分たちがそうすることでエヴァにどれだけの苦痛を与えているかには(当たり前のことながら?)まったく無頓着です。
情実によって法制度の運用を捻じ曲げることの恐ろしさ、醜さを垣間見せて余りある一本だったと思います。評論子は。
タイトルなし
1921年戦時下
病に冒された妹を残したまま
出会ったブルーノの手を借り
ポーランドからアメリカへ渡ったエヴァ
そのブルーノは移民女性を働かせ
売春を斡旋する仕事を生業としていた
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生き残るために身を落としたことに
罪の意識を抱くエヴァ… なんですが…🤔
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『祈りは叶わず、希望はつぶされ
愛に裏切られ、ただ生きようとした。
それが罪ですか…』
のキャッチコピーに…🤔
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エヴァの罪は
2人の男の人生を狂わせたこと😌☝️
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思うことたくさん。
評価も様々ですが私は好きかな
移民はいつの時代も苦労が多い
移民船から降り立った時には何かギャング映画になるんじゃないかとヒヤヒヤしましたが、怪しい劇場という点では似たような暗黒世界だと感じてしまった。いや、ブルーノ、本当に惚れたの?惚れた女に売春させるか?と疑問符が漂いながら見続けてしまいました。
一旦逃げ出し、叔母夫婦の元へと駆け込むが夫が警察に通報。あっという間に入国管理局へと送られてしまう。そこの慰問団のマジシャン、オーランドと知り合うも、彼もまたエヴァに惚れてしまったようだ。実はブルーノとオーランドはいとこ同士だと発覚するも、女の争奪戦が始まってしまう。
ストーリーもあっさりしているし、主要登場人物3人の描写もあっさり気味。時間も短く感じたから、一体どこに重点を置いていたのだろうかと不思議な感覚にもなった。みんな貧乏で金銭欲ばかりが先行し、警察や移民局なんてのも贈収賄が横行しているところはいつの時代も同じなんだなぁと感じるし、神父への告解の答えもあまりにも容赦ないものだった。生きる希望だけは持ち続けたけど、なぜかいい未来も見えない・・・俳優の演技に助けられている作品。
人物描写の半端さ
エヴァの宗教観念から身を落としてしまう感情や嘆いている現状の起伏が乏しいように感じあまり感情移入が出来ず魅力的でも無い。
ブルーノは序盤からミステリアスであり徐々に感情表現が豊かになりエヴァよりも人間的で魅力的に演じたJ・フェニックスが良い。
感情表現が乏しい寧ろ棄てたようにも思えるエヴァに不器用な一方通行の愛を密かにブルーノの滑稽さと男と女の物語が地味に進む感じで!?
劇中であまり事が起こらないし主要人物の気持ちもイマイチ理解出来ず中盤以降から興味の持続も薄れて若干、退屈になった。
キリスト教へのイブの抵抗
男尊女卑のキリスト教へのイブの抵抗を根本に想定したのか。エヴァはイヴ。キリストは登場せず、聖母マリアに祈り続けたのが象徴的。渡米時点で妹と離れ、安全もないと感じたエヴァ。そこに声をかけた男が有力者と分かり決意した。美貌で売春し生きると。それは希望ではなく、確信だったのがこの映画のミソ。エヴァは美貌を確信していたから生きることに不安はなかったのだ。あとは男を利用するだけ。告白で全てがあきらかになる。金ずるの男ふたりがダメになり、叔母に無心するところがメーン。生きるためなら罪とは何?最後はやはり男を利用し、妹と旅立つ。男社会への抵抗は結実した。聖母マリアへの祈りは続く。
悲しいい女と男
裏社会で売春を仕切る男に助けられてやがて売春で金を稼ぐことに。序盤で金を盗む場面やたり心許したマジシャンも死んでしまったり始終暗い。叔父夫婦にも裏切られる。最後はなんか少し叔母から金をもらい妹と生きていく。役者はフェニックスとジェレミーレナーはなかなか良かったしマリオンもなかなか良かった。
タイトル負け。
日本版タイトルとキャストに惹かれてみたけど、原題のThe immigrantの方がストーリーにあってるかと。終始あまり盛り上がりのない映画でした。地味なストーリーでも見られたのはまだキャスト力かも。ホアキンは個性派で名優☺︎
いいんだけど、あと一歩が欲しい
ジェームズ・グレイ監督への期待は私の中で変わらずにあり、こうやってやっぱり観ようという気持ちになるのです。そしてやっぱりこの監督を今後も観たいという気持ちにはなるのです。
でも、やっぱりあと一歩、何かが足りてない気が今回はしましたね。それが脚本なのか、演出なのか、詳しいことは分からないのですが、たとえば、もっと序盤はホアキン・フェニックスを怪しげに、胡散臭く、如何にも信用ならないように描いてくれてたら、もっと面白かったように思うんですよね。そんな怪しげな奴が実は良い奴だったりとか、そんでラストの告白に至ったりとか、そういう起伏がもうちょっと欲しかったかなぁ、と。
決して悪くない作品ですし、十分面白かったのですけど、やっぱり私としては『アンダーカヴァー』の時に感じた衝撃を期待しちゃってるんですよね。
話は悪くないのだが・・・役者が上手すぎるのも考えもの
誰もが生きることに精一杯で、誰もがしがらみとトラブルを抱えて日々を過ごす。そうして生き抜いた人々がアメリカの底辺を支えてきた。そう思える作品だ。
どん底から這い上がるため、足を引っ張り合いズルもする。油断したら、予期せぬ災いに何度でも巻き込まれれる。
そんな不遇な境地に陥るエヴァと、彼女の美しさに惹かれた男たちの物語なのだが、マリオン・コティヤール、ホアキン・フェニックス、ジェレミー・レナーの上手さだけが引き立ち、よく撮れているにもかかわらず、せっかくの時代背景とそこに生きる人々の存在が霞んでしまった感がある。
とくにコティヤールの美しさと存在感が際立ち過ぎて、懺悔の言葉に同情を覚えられないというのはなんとも皮肉な話だ。エヴァを守りリードしているはずの男二人も哀れなピエロに見えてしまう。監督の力不足がモロに出た。
足りない…
マリオンコティヤールとホアキンフェニックスという二大演技派の作品だから、期待して観たけど…、なんだかちょっと足りない…
臨場感がなくて、感情がグワっとくる時もなく、どこに移入してみたらいいのかも解らなかった
う~ん、残念
ハリウッド映画らしいダイナミックさもなく、ヨーロッパ映画 のアンニュイさもない
物足りませんでした
好きで身体を売るのでなく、生きるがため致し方なく売ることが、罪かどうかの問いは、昔から取り上げられたテーマですし、今更ながら陳腐です。
また、移民となって入国を希望するエヴァを、ブルーノが手助けしたことについて、最後にエヴァがブルーノに、あなたは人間の屑じゃないと言う場面がありますが、その言葉の重さも当たり前のことに思えます。
むしろ、エヴァの方が、すべてを投げ打ってまで助けてくれたブルーノを置いて旅立つ姿の方が、むしろ罪深く感じてしまいます。
新しい土地に行ったエヴァは、また一から生活し始める訳で、本テーマの現実に対する生き方に答えを見い出せません。
クリスチャンとしての贖罪をテーマにした映画ではあっても、もっとドロドロした心の葛藤や生活描写、人間性など、現代人が観ても新鮮に感じる何かがあって欲しかったです。
エヴァとブルーノの告白かな?ヒューマン歴史ドラマ好きには見応え充分な作品
1920年代のニューヨーク、自由の女神を仰ぎ見る移民局のシーンから始まるこの映画は、本当に切ないヒューマンドラマであった。
当時も、今もそうだと思うが、アメリカは世界の他の国々と比較すると、自己の夢を最も実現し易い、希望の国、正にアメリカンドリームと言う夢と希望が叶う魔法の国のイメージが強い。
今でこそ、ここ数十年続く世界的な経済不振の元凶が、アメリカ経済の不振に端を発し、アメリカを夢の国として焦がれを持つ人は少なくなっているかも知れない。
しかし、それでもアフリカやその他の経済後進国と言われる、日々の食事も充分に摂取する事が出来ない国々からみると、アメリカは今も夢の大国である事には違いない。
そしてこの映画の舞台となっている1920年代と言えば、我が国日本は未だ大正時代末期なのだから、アジア周辺諸国も貧しい暮らしぶりで、日本からも多くの人々が移民となり、夢の国アメリカでの生活を夢にみて密航や、渡航をしていたに違いない。
その最たる物語として、タイタニックなどもある。
この映画のヒロイン、エヴァも妹と身一つで、故国を後にしてポーランドから遠く離れた、アメリカに住む伯父叔母を頼りにやって来たのだが、妹は病を併発し、移民局併設の病院へ強制入院となる事から、ヒロインエヴァの悲劇が淡々と描かれていく。
そのエヴァの辿る屈辱と貧困の生活は、当時の移民達にとっては、極当たり前の珍しくもない環境だったのだろうが、改めて映画として観ると、これが僅か90年前の出来事で有るとは到底考えられないような話であった。
しかし、考えてみれば、日本でも農村部では不作続きの年などは、口減らしなど親弟妹の面倒をみる為に、年上の子供は売られていく時代なのだから、アメリカが、この映画で描いているような扱いを移民に強いる事があったとしても何の不思議も無い事なのかも知れない。
だが、この映画を観ていると、どうして此処まで20年代当時に生きていた人々は、この様な悪条件を耐え忍び生きて、そして尚もピュアな心を持ち続ける事が出来たのだろうか?
本当に目を背けたくなる辛いエヴァの生き様に何度も画面から目を逸らしたが、しかし、余りの悲惨な状況が心配で、ついつい目が離せずに、重く暗い社会派の作品であった割には、この2時間の作品あっと言う間に終了してしまった。
私はこの作品の監督の前作を観ていないし、「アンダカヴァー」と言う作品も観逃しているが、この作品が秀作であったので、是非他の作品も観てみようと思う。それにしても、ホアキン・フェニックスは癖の有る役を演じるのは巧い。そして肝心なエヴァを演じているのは、マリオン・コティヤールとなれば貴方はきっとこの映画見逃すわけにはいかない、今後映画史に残る涙のヒューマンドラマの一つと言っても決して過言ではないと思った。
今現在でも、アメリカではよく、先祖の出身国が同じ国で有る人々が集う、ポーランド人会や、イタリア人会などが有るのも、こう言った歴史的な背景を観ると、現在でも、出身国のアイデンティティーを大切に護ろうとする人々がいる事が頷けるのだ。
人種の坩堝、アメリカはやはり、不思議の国、ワンダーランドなのかも知れない。私には未知なる世界観であった。
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