her 世界でひとつの彼女のレビュー・感想・評価
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古典的なテーマを今風に
心とは何か、限りなく発達した人工知能と人間の違いはどこにあるのか…今更感のあるそんなテーマを、SF というよりはファンタジーの文脈で、恋愛にことよせてわかりやすく語り直したなんとも洒落た傑作。ホアキン・フェニックスもエイミー・アダムスも、声だけのスカーレット・ヨハンソンもとても良かった。
これはいい映画だぷう
都合のいい女・・・
やっぱり恋は落ちるもの
内容的には・・・
スカーレットヨハンソンの声の演技は素晴らしかったと思います。
本当にその演技を実際にしているスカーレットの顔、肉体も見えるようでした。わざとらしくなく、けれど細かい感情の揺らぎも声だけで見事に演じられていました。
映像も美しく、物語の舞台も近未来設定ですが、セットにも違和感を感じることなく見ることができました。
楽しかった頃の妻とセオドアの映像が度々でてきましたが、現在のセオドアにとても感情移入してしまうような見せ方だったと思います。ふたりのアルバムを見ているような気分になり、切なくなりました。全体的に終始センチメンタルな雰囲気だったと思います。
と、観終わって悪い気にはならないのですが、やはりもう少しだけでも波があってほしかったなと思います。映画自体の長さも2時間以上なだけに、あのテンションでずっとは少しだれてしまいます。
そして物語の内容自体も特に予想外のこともなく、今までに見た「人間でないもの」との恋愛映画と同じです。
映像美と俳優、演出で素敵な映画にはなっていると思いますが、内容だけみると薄っぺらいかなー・・・という感じです。
コミュニケーションについて考える映画
最近観た中では1番面白かったと先輩が言うので、たぶん、わたしだけのチョイスなら観なかったのだけど、観てみた。
きっと、これからこうなるかもしれない世界。
それでも、人の心はどんな時も不安定で失敗する。
ただ、言葉の力は大きい。
伝えることの大切さ、感情があるということ。
いろんなことを考える映画でもあった。
しかも、展開が読めず、気になる、おもしろい映画だった!
素敵なセンス
傑作登場
恋した相手は虚構だけど、抱いた感情はリアル
そう遠くない近未来。手紙の代筆人セオドアは妻と別れ、喪失した日々を送っていた。ある日、人工知能OSを試し、魅惑的な声の“サマンサ”に恋をする…。
いつまでも傷心を引きずり、現実の恋に臆病になり、非現実に恋する男。
何処へ行くにも一緒。
SEXもバーチャル。
“彼女”を恋人と言う。
一歩間違えれば、ドン引きレベルのアブナイ男の恋を、繊細で切ないラブストーリーに仕上げたのは、さすが鬼才スパイク・ジョーンズ!
同じく風変わりな設定の切ないラブストーリーの秀作「ルビー・スパークス」を彷彿させるものがあった。
こういう恋に理解出来る出来ないで好き嫌い分かれる。
確かになかなか理解されるものではない。
主人公の別れた妻の台詞で、「リアルな感情と向き合えないなんて悲しすぎる」とある。
主人公が恋した相手は虚構だが、抱いた感情は紛れもなくリアル。
近い将来実際にあり得そうだし、今もチャットやメールのやり取りのみで恋愛している人たちも居る。
あり得ない恋の形とは簡単に言い切れない。
が、依存してしまったら目も当てられない。
一途な想いを、孤独な心を埋めるきっかけとなれば。
「ザ・マスター」で狂気の熱演を見せたホアキン・フェニックスが、全く正反対の抑えた演技。
ほとんど一人芝居でもあり、さすがの演技派ぶりを見せる。
本作最大の功績者は、スカーレット・ヨハンソンである事には、誰も異論無い筈。
声だけなのに、あんなに虜にさせる。声だけなのに、そこに“サマンサ”という人格が見て取れる。
必見…ではなく、必聴!
エイミー・アダムス、ルーニー・マーラ、オリヴィア・ワイルド…魅力的な顔触れが揃う。
映像や音楽も美しい。
常に傍に寄り添ってくれ、自分の事を理解してくれる。僕だけの彼女と思っていた。
しかし「ルビー・スパークス」もそうだが、こういう風変わりな恋の結末は哀しい。
モヤモヤとした感情のまま終わらせるのではなく、実際に向き合える相手とのこれからを予感させ、余韻を残す。
最後に余談を幾つか。
その1
ゴールデン・グローブ賞ではコメディ/ミュージカル部門で候補に挙がったが、これってコメディ?
その2
撮影中サマンサの声を演じたのはサマンサ・モートン。彼女には悪いが、スカヨハへの変更で正解。
その3
いつもながら字幕と吹替で鑑賞。スカヨハの吹替は林原めぐみが担当しており、これはこれでイイ!
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