「『ラースと、その彼女』よりも辛辣な切ないにも程がある恋物語」her 世界でひとつの彼女 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
『ラースと、その彼女』よりも辛辣な切ないにも程がある恋物語
離婚協議中のセオドアは新発売のOS を購入。Siriを遥かに凌ぐ高性能の彼女はセオドア君の要求を完璧にこなす最高のパートナーとなるが、いつしか彼女はセオドアにとってかけがえのない大切な存在になっていく。
ラブドールに恋をする『ラースと、その彼女』とテイストは似ているものの、こちらの方がより辛辣。スマホ片手に街中でダンスやビーチでデートなど、スマホを始終弄っている中年ならかなり身につまされるお話。劇中の通行人は皆ブツブツ独り言を言っていてOSと会話しているのか人間と会話しているのか判別がつかない近未来で、自分に都合のいい女性像をとことん追求していくとそれは人間という枠を飛び越え、信仰にも片足突っ込むことになる。主演のホアキン・フェニックスが見事にダメ男を体現、声だけのスカーレット・ヨハンソンをはじめ、エイミー・アダムスやルーニー・マーラ等女優陣がものすごくキュート。特にセオドアの回想シーンに出てくる元嫁キャサリンを演じるルーニー・マーラの透明感は素晴らしいです。そしてホイテ・ヴァン・ホイテマによる近未来にしか見えないロケ撮影がとてつもなく美しいです。
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