劇場公開日 2014年6月28日

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「近未来を澄んだ映像で生々しく描く」her 世界でひとつの彼女 いけいさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0近未来を澄んだ映像で生々しく描く

2024年12月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

第86回アカデミー賞5部門ノミネートで脚本賞受賞ということと、結構豪華なキャストに惹かれて鑑賞。
観る前のイメージとずいぶん作風が違ったが、それはそれで結構良かったかも。
近未来を飾らず描いたストーリーや回想シーンをきれいに織り込んだ構成も良かったが、とにかく澄んだ映像がとても気に入った。特に色使いが絶妙で、赤・オレンジ・黄色の原色系が近未来の日常生活にとてもきれいに映えていた。
そしてやはり役者陣の演技が見どころ。ホアキン・フェニックスの迷える男性像は生々しさが際立っていてとてもリアルだったし、限られた役どころではあったがスカーレット・ヨハンソンの存在感にはただただ圧倒された。
本作はめちゃめちゃ面白かったというわけではないのだが、何だかお気に入りの一本になった。この不思議な感覚が本作の評価される所以なのだろう。
ところで終盤のホアキン・フェニックスの走り転けシーンは、一発撮りでいけたのだろうかと妙に気になってしまうのは私だけだろうか。回転しながらメガネをきれいに落とす、さすがは芸達者!

いけい