劇場公開日 2014年5月30日

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「売れない歌手のエレジー」インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 ロロ・トマシさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5売れない歌手のエレジー

2014年7月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

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楽しい

これ、ルーウィン・デイヴィスって男の身に起きた、たった一週間の出来事なんですね。俺また十数日か、下手すりゃ一カ月間ぐらいの話だと思ってて。それぐらいに濃密なんですよ、彼の一日が。
ルーウィン・デイヴィスは売れないフォークシンガーで、売れないレーベルで売れないレコード出して、その印税をアテにしてるんですけど、肝心の印税がまず入ってこないという。金ないから店で数曲歌って日銭稼ぎ。住む場所もない住所不定だから友人宅を転々と回る日々。そうしてただ必死に一日を生きてるってだけなのに何故かいつもトラブル続き。口論になったオーディエンスにボコボコに殴られるわ、何故か知人の猫を預かることになるわ、その猫が逃げるわ、同業の女性を妊娠させるわ……毎日イイコトが殆ど起きないという。おまけに日々の暮らしにストレス溜まって時々情緒不安定。時々ブチ切れて人間関係台無し。そして(多分)自己嫌悪。まあ愛すべきクズ野郎ですね。

で、これ、そういうシニカルなコメディ映画ではあるんですけども、ルーウィン・デイヴィスってキャラクターが1960年代、ニューヨークを拠点に活躍した実在のフォークシンガーをモデルにしてるらしくてですね、登場人物達が歌うのも映画の特徴で。そこで特筆すべきが主演のオスカー・アイザックなんですね。彼の歌唱力が凄まじいんです。本当に歌手だったんじゃね?てぐらいめちゃくちゃ歌が上手いしギターも上手い。劇中の彼はフォークシンガーって設定だから勿論よく歌うんですけど、その歌がガチでこれで飯食ってけるんじゃね?てレベル。プロ並です。そこにビックリしちゃいました。その辺も注目して観ると楽しいかもしれません。

とある男の哀愁漂う一週間。楽しかったです。

ロロ・トマシ
momokichiさんのコメント
2022年5月24日

めちゃくちゃ上手いですよねー。聞き入ってしまったもの。
てっきり有名なフォークソング歌手だと思っていたら、、、
スター・ウォーズのエースパイロットのあのポーかよ!

momokichi