「久々にじわじわガツンときた」インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌 ハチミツ舐太郎さんの映画レビュー(感想・評価)
久々にじわじわガツンときた
ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン監督作品は、
ノーカントリー、バーンアフターリーディング、シリアスマン、トゥルーグリッドを観ている程度。
バーンアフターとシリアスマンはあまり好きではないが・・。
今作は、作品と自分の相性が良かったのか、じわじわガツンとやられた。何度も観直したいと思う程だ。
キャリーマリガン目当てで観たけれど、しっかり映画自体にやられた。
話としては、ルーウィン・デイビスのとある一週間を描いているのだが・・・。人生の何年かの出来事なのでは・・と思う位の濃密さだ。
何より、主人公の成長がしっかりと描かれているところが好きだなと。最後、ライブで昔の相棒と歌っていた歌を歌うところは、ぐっときた。あの歌は本当に良かった。
他方で、とある一週間という物語の始まりが(朝目覚めるところから)、猫によりもたらされ、猫により動かされる。
この猫が、良い味を出していて、猫の演出がとても良かったなと。
最後の方で明かされるが、名前が「ユリシーズ」というのは、意味があるのだろうと。
アイルランド人の作品なので、ルーウィンの出自とかけているのだろうか。確か母親がアイルランドの生まれという話があったと思う。
(ウェールズではなかったよな・・と曖昧な記憶だが)
また、The Death of Queen Janeを、シカゴのライブハウスで歌うあたりもそれとなくかけているのだろうかと、邪推してしまう。
考え過ぎかな・・。
物語の初め、ステージを終えた後に、客が来ていると店の裏に導かれるが、男が待っていて、殴られるが、物語の終わりでも同じようにボコボコにされるが。
あれは、お店で暴れた罰を受けているのではと..。ライブハウスの店長の差し金だろうなと。確かにあのヤジはヒドイ、毎週同じ事してるのかと・・・。
そして、あの男を見送り、映画が終わるのだが、この終わり方も好きだった。
ボブディランもしっかりと出てきたし。
とまぁ、脳内で補完した部分があるものの、個人的にかなり好みの一作となったなと。ただ、勘違いが過分にあるかもなので、観直してみないと何とも言えないな。