「正直言って前半は苦痛です」STAND BY ME ドラえもん ktkrorz1さんの映画レビュー(感想・評価)
正直言って前半は苦痛です
旧ドラからのファンです。今回は絵のクオリティやアングルにとても力を入れていると感じましたが、いかんせん詰め込みすぎで構成が悪すぎる。
まず前半ののび太との出会いや、道具絡みのエピソード。トータルで見てみるとあんなに時間を割く必要があるのかと。それでもってラストのシーンでカットされているとこも多かったですし。おそらく見てたほとんどの人がドラえもんが泣くまでは「つまらない」と感じたでしょう。
あと、のび太が予想を越えるほどクズでいらつきさえ覚えたこと。機械でなんのためらいもなく気持ちで変えようとしたり、雪山でのしずかちゃんの扱いに終始イライラ。必死にどこでもドア探すのかと思えば叫ぶんかいと。
しかしそのいらつきは声の演技のせいでもあるのかと。新ドラを否定するつもりはありませんが、旧作のリメイクをしてる以上、今回ののび太は語尾があざとかったり、本気でクズで頼る口調なのでストレスがたまります。どうしても旧のび太のイメージと比較してしまうせいもありますが。それでも声が高いので、キンキンうるさかったのが原因かと思います。
あとは決闘やラストが夕方になっていたのも感動半減しましたし(ここは色々諸事情あると思いますが)
ラストの間に関しては早すぎてあっけにとられた感があってもったいないなと。最後ののび太の反対言葉も早い。
手抜き感が半端じゃなかったです。ほんとがっかりしました。
良いところとしては、やはり映像美が素晴らしかったです。ドラえもんの質感もばっちり。ところどころドラえもんのタッチが旧ドラっぽくなってましたが。
あとは結婚式の入り口に流れるニュースはなかなか面白かったです。のちにドラえもんがセワシ君のところに来るきっかけとなる記事なのでよく見ててください。
あと町に今の企業の広告があるのもリアルでとても良かったです。ああいう未来になって欲しいですね。KOROSUKEは笑いましたが。
今回で一番よかった点としては、河原でドラえもんが泣くとこ。あれはほんとに良かった。脱帽です。
最初に嫌々でのび太のところへ、からの複線だったのでうまいなあと。明確な理由づけがないと不自然なので鼻の拘束も仕方ないなと思ってましたが、あそこに繋げて、あの見せ方はさすがです。
普通に号泣してしまいました。あえて顔を見せずに涙を落とすのは古典的ではありますが、オリジナルとしては文句なしのベストシーンです。
以上で私の評価です。
良いところもありましたが、やはり前半が全く面白くないのと
ラストのスネ夫ドラなし、どら焼き買わないなど踏まえるとこの点数となりました。
見る側と、作る側のポイントがずれてしまった
そんな作品だと思います。春映画も期待しています