「黒人奴隷にも冷たいしたたかさ」それでも夜は明ける ひなひこさんの映画レビュー(感想・評価)
黒人奴隷にも冷たいしたたかさ
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自由黒人から一転、奴隷になった主人公は、白人の傲慢さや、偏見、そしてある意味悪意なく見下してくる姿勢に絶望していると共に、境遇に慣れすぎ、無気力な黒人奴隷にもいっさい共感していない。
主人公は黒人奴隷を軽蔑している。基本的に彼の視線は白人と同じだ。
それがこの映画を稀有に恐ろしいものにしている。
彼は自由黒人という本来の立場の復活のため、したたかに動いてるだけで、究極的には黒人奴隷制度自体には否定や疑問はしていない。彼は基本的に黒人を見下している。
だからこの映画は黒人奴隷という歴史の恥(シェイム)を声高に反省するような単純な感動作ではないのだ。
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