「明日がこなければいいと思う日々」それでも夜は明ける グッドラックさんの映画レビュー(感想・評価)
明日がこなければいいと思う日々
観ながら胃がしめつけられるように痛みました。凄いと思いました。
自由黒人として生活していたソロモンの12年間の壮絶な体験。
奇跡のような生還の後手記を発表したソロモン・ノーサップ、厳しい時代に出版し後世に遺した人達、世界に届く映像作品に仕上げた人達に深い敬意を捧げます。
明日なんかこなければいいと思う日々、でも、祈りはどこにも届かない。邦題はそちらと解釈しておくことにしました。
でも実のところ私が苦しくなったのは、何十年も前に突然始まり突然終わったイジメの感覚が、それをテーマにした学園モノよりも遥かに生々しく蘇ったから。ソロモンの目線でハマりこみました。
ある日突然、人で無くなる。容赦ない眼差し、心ならずも黙って通り過ぎる横顔、痛みを知りながら助けることのできない虚しさ。
最初の主の、誰の心にも届かない説教がHRの風景と重なり、そこは苦笑い。
小さな役の俳優さんまで、この世の地獄の空気までみせる見事な表現だったと思いました。
ブラッド・ピット、なかなか良かったです。この作品においてはあまり旨みのない役を、さらっと演じていました。
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