ダラス・バイヤーズクラブのレビュー・感想・評価
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官僚的な世の中に、本質を突き付けた
薬を承認する機関に「治験中の薬の取り止め」「未承認薬の早期承認」を迫る。自分毎ではない機関の形式的な対応と、自分が被験者の主人公だからできる魂の訴えとの対比。機関に携わる人はぜひ見てもらいたい。
しかし、処方された薬は鵜呑みにして飲んではいけないなとあらためて強く思った。
他の方も書いておられるが、マシュー・マコノヒーの迫真の演技が素晴らしい。まさにどこから観ても「死期が迫っている人」である。演技でここまでできるものなのか?すごいの一言だ。
ロンが女医に言った「人生は楽しむためにある」という言葉が、(何気ない言葉なのに)心に刺さった。
これ実話だよ知ってた?
マシュー・マコノヒーがこの役をやるために21キロにも及ぶ減量って聞いて観てみたけど、
まさしく死期が迫る病人だったなぁ
演技であってくれてよかったって思うくらい圧巻だったぁ、、、
入り込んであっという間の2時間だった
当時のHIVの恐ろしさ…
死刑宣告をされたようなものだもんね
周りの患者もみんな死刑宣告されてると思うと地獄だよね
死にたくないと感情がむき出しになるレイヨンにも泣きそうになった
病院で処方される薬が絶対じゃないっていうのがね、
生きるために必死になる姿に心打れた
2人の役者が素晴らしい
HIV感染により余命30日と宣告されたロデオカウボーイのロン。当時臨床試験中の治療薬AZTを服用するがAZTは免疫力を低下させる毒性の強いものだった。もっと安全性が高く効果のあるアメリカ未承認の治療薬ペプチドTを国外から密輸し、自ら服用するとともに「ダラスバイヤーズクラブ」を立ち上げビジネスパートナーのレイヨンとともに他のHIV患者に売りさばいて利益を得る。当初は営利目的だったが、ペプチドTにより多くの患者が救われていることを実感し、次第に患者への貢献へと意識を向けていく。
違法行為としてFDAに摘発され、その後法廷闘争にまで展開。ペプチドTの承認を訴えるロンだったが敗訴に終わる。しかしその後FDAはペプチドTの使用を認め、多くの患者に救いがもたらされた。ロン自身もロデオカウボーイとして復帰、余命宣告を受けてから7年後に生涯を閉じた。実話を元にした作品である。
「エイズはゲイの病気」というステレオタイプがはびこる1980年代当時。ロン自身はストレートでありながらその偏見にさらされ、それでも前向きに何とか生き延びようともがき続けるロンの退廃的でありながらも知的で野心に溢れる人間性を、マシュー•マコノヒーが完璧に演じていた。彼の演技の幅広さに改めて敬服。そしてロンのビジネスパートナーであったトランスジェンダーのレイヨンを、ジャレッド•レトがこれまた見事に演じている。ロンは女好きのストレートなのでレイヨンと恋に落ちることはなかったが、2人の間に築かれた友情は確かなものだったと思う。とにかく、終始マシュー•マコノヒーとジャレッド•レトの素晴らしい役者魂に魅せられた。
メソッド演技の行きつく果て
マシュー・マコノヒーは自然体で、まるで本当に存在するかのように演技している俳優さん。どの映画を見ても、自分を変えずに役を寄せてくる印象でした。
この映画では、大減量したらしく、げっそりとやつれていく病変振りを表現していて、役柄に説得力が生まれてはいます。
なので、いつもの彼のアプローチと違う映画だなと思いますが、それはそれ。
肝心の映画は、実話をベースに作ってあるためか単調で、見終わったあと、感動も、関心も生まれません。「へえ」とは思いますが、主人公がHIVに感染した経緯も、特に同情できる身の上でもなく、むしろ自業自得という言葉がぴったり当てはまる人物で、逆になぜこの無軌道な男に、ダラス・バイヤーズ・クラブを維持できるだけのエネルギーが生じたのか不思議にすら感じます。
やつれながらも、エネルギッシュな振る舞いを見せることができれば、減量の甲斐もあるのでしょうが、何の効果も生んでいないように感じます。
映画そのものは、米国社会が抱える、薬事法の矛盾点を暴いた問題作で、アカデミー賞のノミネートも受けたようですが、面白くない、平凡なお話で、退屈でした。
2016.9.14
80年代、HIVが同性愛者の病気とされていたことは知らなかった。 ...
80年代、HIVが同性愛者の病気とされていたことは知らなかった。
そんな時代のHIV患者に活路を見出したであろう実話。
堕落していた生活から、病気を発症したことで主人公の考え方や生き方が変化していく。
そしてその行ないが同じHIV患者の苦しみや環境を変えていくことにつながっていく。そんなラストはぐっとくるものがある。
とにかくマシュー・マコノヒーがすごい。ジャレッド・レトもよかった。
アカデミー賞はうなずけます。
「闇の真実」
今これを記すに辺り、現在進行形で新型コロナ騒動が続く中、この映画は実話を元にした作品であると。
もしも今の得たいの知れない状況が始まる前に作品を観ていたら、内容に対して(あ~そうだったのか)と、私は思っていたであろう・・・が、渦中の最中に観た私にとっては、(やっぱりな!)としか思えなかった。
医師と製薬会社と政府のつながり。AZTが新型コロナ騒動の中では何にあたるのか。効果がある未承認の薬が何にあたるのか。
エイズと新型コロナの背景に、極めてよく似たものを感じた。それはつまり、昔も今も変わっていないと言う事ではないか。
歴史は繰り返されてしまうのか、わざと繰り返しさせられているのか。
私が強く思う事は、疑問に思う心は大切であり、何かおかしいと思う気持ちはおかしくない。
主人公も唐突に余命を宣告され、反骨心と共に疑問を持ち、そこから道がひらかれたのだと思います。
真実とは一体何なのか。
それを導き出す為には主人公の如く、各々がよく考えて、よく調べて、簡単にながされる事なく、見極める事が重要なのではないでしょうか。
エイズ罹患後は濃い人生
エイズは同性愛者(ゲイ)がなる病気と差別されていた頃、エイズに罹り自らエイズ治療を模索したある男の話。神が与えた試練を乗り越えたかなぁ。
生きることへの執念
これって実話ベースってところがすごい。
マコノヒ―氏の役作りは勿論鳥肌ものだが、観ていて辛くなる。
それより、 レト氏の役作り・演技に目が釘付けになる。
実話ベースのアンチヒーローもの、HIV薬を巡る製薬会社の闇、死を見据えた人の生死観といろんな要素を含んだ話ではあるが、
人(ロン)と人(レイヨン)の関係性の変化にも胸が熱くなる。
ラスト近く、死の影に怯えるだけだった人々の笑顔に心が温かくなる。
☆ ☆ ☆
”死病”とされる病に罹患した人々の話。
かっての結核・エイズ・癌…
そして、罹患したら100%死ぬわけではないけれど、あっという間に亡くなられた方もいて、未だ”特効薬”というものが開発されておらず、開発に力がそそがれているコロナ…。
生き残る術を探してあがけるのか、
残りの時間を充実させて天寿を全うするのか、
ただ、泣き暮らすのか。
”笑い”が免疫力を上げるという。
「生きねば」という信念を持つ人は”死”に強いとも聞く。
他にもたくさんある、健康神話。いろいろな方が、いろいろ言っている。
治療=生き残るために、何を信じればいいのか、
予防のために、生き方を変えられるのか。
☆ ☆ ☆
非合法の新薬。
この映画(この実話)ではHIV患者の救世であるけれど、
(AD/HDの治療薬として使われたリタリンも、AD/HDの薬としてははじめは未承認だったけれど、助かった子は多かった。尤も薬に依存性があって、使い方が難しかった。その後、薬が抱える依存性があまり問題にならない薬が開発されたけれど…)
一つ間違えば、問題ある新興宗教のような団体にもなりかねないし、Newsでも取りざたされる詐欺グループとも紙一重。
ーー「この神水を飲めば治ります」ってか?でも、藁をもつかみたい人は信じてしまう…。
薬認可の遅さが問題になっているけど、サリドマイド・薬害エイズ等を思い浮かべれば慎重にとも願う。他にも、インフルエンザのタミフルや化粧品だとかの被害の話を思い返せば、簡単な問題ではない。
副作用も、この映画のように毒性が強い場合をどう考えるのかはともかくとして、副作用のない薬もないであろう。
人体実験のような、新薬のデータ集めも難しい。データが揃わなければ認可はされないし、でも犠牲者が出るのは言語道断。データの改ざんはもっともってのほか。
いいなりになるのもどうかと思うが、誰を信じればいいのか。
ご自身の子どもが、医師から処方された薬を服用するのを拒否した製薬会社社員もいて、薬への信用を落としたが、
新しい知識への勉強を怠っている医者や、儲け主義の医者や製薬会社もいるが、実直に”医師”として、自分の時間を削って、患者のためにと研究している医者の方が実際は多い。
ネットで勝手に売買される薬。処方薬を自己調整してしまう人々。自己調整ならまだしも、親の薬をかってに子に与えてしまうのはいかがなものか。
医師や製薬会社や政府を悪者にするのは簡単だけれども、それだけの問題なのか?
ロンは、自分でかき集めた薬を服用もしたけれど、HIV罹患がわかる前とその後では、生活態度を健康志向に一変させている。
薬の作用がいつごろ出るのか×症状×体調×環境…の微調整が大切と聞く。
何を信じて、何に気を付けて、何を服用しどう治療するか、難しい問題。
(予防も大切、まずは免疫力上げるのが肝要)
☆ ☆ ☆
映画としては、最初は嗜好に合わず、レイヨンが出てきた辺りから、ロンとのやりとりとかが面白くなってきたが、
薬や医療に関しては?というところもあって、ふに落ちない感じが残り、手放しで称賛できない。
痛快ではないが、心に刺さる
リバイバル上映されたのを機会に鑑賞。痛快なストーリーだと思っていたが、主人公のダメな部分もさらけ出していて、いろいろと考えさせられる作品だった。
ゲイが大嫌いで、酒と女が大好きなテキサス男が、差別される身になって初めて弱者の立場を知る。ロイが、エイズと分かってから仲間からの扱いを受けるシーンがとても印象的だった。
レイヨンを演じたジャレッド・レトが一番光っていた。レイヨンが恥を忍んで父親に援助を求める場面が一番感動したかな。
中国で大ヒットした『薬の神じゃない!』の方が映画としては面白いが、心に刺さるという点は、『ダラス・バイヤーズ・クラブ』の方が上だった。
HIVに対する偏見
HIV陽性と診断された不埒な男が自国で認可されていない特効薬を密輸して販売組織を立ち上げる、7年間の闘いの日々を描いた作品。「感動の《実話》!!」という宣伝文句ほど心打たれなかったのは、今のコロナワクチンに対する賛否を彷彿とさせる所があったからか。
ポスター唐想像出来ない社会派映画
いや〜好みでした。
ストーリー的にはHIVを舞台に医療の本質に切り込む社会派の映画なのだけど、冒頭とのギャップがあり、それが埋まっていく展開に引き込まれていく。
今まであまり感じなかったけど、マシュー・マコノヒー良い俳優さんだわ。
生きようとする姿勢
マシュー・マコノヒーが大幅に減量して挑んだエイズ患者役。ムキムキイメージあったからあんなにガリガリになった姿は衝撃的だった。一目で病気だってわかる。病院や製薬会社のドライな対応に反発して行動する姿に胸がスッとする。
ジャレットレト演じるエイズ患者でトランスジェンダーのレイヨン。あの優しい眼差し、明るく振る舞う中で時折見せる儚げさ、脆さが印象的だった。
彼ら2人は死から逃れようと必死なのではなく、今をするべきことをするために一生懸命に生きている。そんなニュアンスを感じた。
【”豊かに生きる意味を考えていなかった男”が難病に罹患し、”考え、行動した事”。】
■内容は巷間に数多知られていると思うので、数年振りに鑑賞した感想のみ完結に記す。
1.”女好き、酒好き、趣味はロデオ”
自堕落な生活を送っていたロンが”世間から偏見を持たれていた難病(現在も・・・)”に罹患し、余命30日を宣告されながらも、少しづつ、真面な人間になっていく様を、マシュー・マコノヒーが正に身を削った姿で演じる姿の”圧倒的な説得力”に、何度観ても脱帽する。
彼が罹患した事で、且つての仲間の態度が豹変する部分も哀しいが、この作品に厚みを持たせている。
2.FDA(アメリカ食品医薬局)の立ち位置の描き方の上手さ
日本で言えば、厚生労働省の下部団体のような組織だろう。損な役回りで登場させられるが、この作品にとっては重要である。
3.レーヨン(ジャレッド・レト)の哀しき人生の描き方。
ロンのために、金を無心に“男装して”父の所に行く姿、治療薬臨床試験に協力しながらも、今までの生き方を変えられず・・。
ジャレッド・レトの演技も凄い。
4.イヴ(ジェニファー・ガーナー)の生き方、思想の変化していく姿。
当初のロンに対する態度から、途中からどんどん変化していく姿。二人で夕食を摂りながら、ロンが”人生の幸せについて”語る言葉を聞く姿。そして、硬直化したFDAに失望していく姿もリアリティーがある。
<後半、ロンが世界各国を”激やせした姿”で、耳鳴り、眩暈に悩まされながらも未承認の薬を求めて飛び回る姿は、私にはファンキーな”キリスト”が民を救うために、自らの体を犠牲にしながら、"迷える大衆"を救おうとする姿に見えてしまった・・。
そして、エンドロールのテロップの数々が流れると、必ず落涙してしまう作品でもある。>
全力投球の役作り
HIVについての話なので家族で視聴するような作品ではない
マシュー・マコノヒーの全力の役作りに感動する。
発病後図書館で調べる姿、知り合いとの喧嘩などがリアル
真っ当な人間とは言えない
一種のダークヒーローかな
日本から購入していたのが衝撃だった
HIV患者の悪あがき? 否!信念を持った男のストーリー。
冒頭からSEXシーンで始まるw
酒・ドラッグ・SEXとクソの様な人生を歩み、仕事は電気技師であるがその日ぐらし感が否めないし、世帯等もなくトレーラー暮らし。当時の人間はこんな感じなんだろうか?
HIVに感染し当初は信じずに鼻で笑っているが、自分で色々と調べ始める(ここが凄い)、またそれからの生きようとする信念が凄い。またマシュー・マコノヒ―の演技が相まって鬼気迫る様子が見ていてひしひしと伝わってくる。
当時の時代背景からもHIV患者に対する正しい知識も乏しく、また閉鎖的なコミュニティーも合わせて風当りも強い、当人のロンもそっち側であるが、徐々に知識や処方される薬、そしてアメリカにおける薬の承認やそれに伴う利権等を目の当たりにしていく。
当初は自分の為に始めた薬探し等であったが、半ば慈善事業の様な「ダラス・バイヤーズ・クラブ」を設立。冒頭の人物と同一人物か?と思ってしまうが、環境や状況によって人はここまで変われるのかと感じた。
また作中で皮肉を発しながらも自分の信念に対して突き進む様子は人々の感動を生むであろうし、ジャレット・レト等含むHIV患者のどれもがリアリティのあるいでたちと演技でスクリーンにどんどんとのめり込んで行ってしまった。
勇気と希望を多くの人に与える素晴らしい作品であった。
既得権との戦い
いきなり性交から始まるので、こればっかりかよ、と。
でもそうでもなくて、程々エロスはあるけども、
結構硬派な内容でした。
HIV感染から生きる事に執着し始めたロンは、
自分の事だけ心配していたが、
HIV感染者とエイズ発症者への治療の酷さ、
選択肢の無さだったり、いい加減な薬だったり、
しかも患者には新薬の治験中でボロボロの若者も。
当時はHIVよりも薬の過剰投与で1ヶ月で亡くなるという時代。
何時の時代も医師や製薬業は利権に縛られ、
新しく発見された病気への偏見を覆すのは至難の技で、
その時代にあらゆる格差と闘ったロンは、
生粋のカウボーイで破天荒だけどかっこいー、でした。
感動は少ないけど感心する話でした。
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