「ゾクなのに不良がいない」ホットロード Arcoさんの映画レビュー(感想・評価)
ゾクなのに不良がいない
画がキレイで、原作漫画の透明感がちゃんと守られているのが嬉しい。
ストーリーはゆっくりと進むが、決してテンポが悪いわけではなく、ナチュラルな良さがある。
ただ、和希にはもう少し幸の薄さとグレた雰囲気が欲しかった。
目が終始キラキラしていて、それはそれで魅力的なのだが、抑えるシーンも必要だと思う。
言葉遣いの悪いセリフのみ、言わされてる感が出てしまっていたのも、演技力というよりビジュアルの問題だろう。
和希が春山の母に「髪の毛、傷んじゃったね」と言われるシーンも、和希の髪がツヤツヤサラサラで合わない。
そして、最も違和感を感じてしまったのは、春山も含めた暴走族感の薄さだ。
バイクや服装など凝っているのだが、着せられている感が凄い。
誰からも不良っぽさは感じられず『ゾク』というより『オシャレ大学生のバイク同好会』にしか見えなかった。
トオルと宏子からも、皆が憧れるような魅力を感じることができなかったのが残念だ。
登場シーンは少なくても、重要な二人だというのに。
しかし、それらが“女子とって観やすい映画”となっている面でもある。
不良モノという先入観を持たず、和希と母の問題をメインに観ると、白けずに楽しめるだろう。
また、えりや担任の先生はとても自然で良かった。
コメントする