「ハラハラドキドキ以上に、コワイ!」ファインディング・ドリー りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
ハラハラドキドキ以上に、コワイ!
ニモを救出したマーリンとドリー。
あれから一年。
なんでもすぐ忘れるドリーが、ひょんなことこから両親のことを思い出した。
断片的にしか思い出せないけど、絶対に会いに行かねば! と、ドリーは平和なグレート・バリア・リーフを離れ、カリフォルニアに旅立ってしまった。
心配になったマーリンとニモを後を追いかけるが・・・というハナシは、前作『ファインディング・ニモ』以上に直線的な冒険ものの様相。
ただし、少しずつ過去のことを思い出すドリーの姿は、喪失したアイデンティティを探し求めるようにもみえ、一時期流行した「記憶喪失サスペンス」ものにも似ている。
それよりもなによりも、今回は、とにかくコワい。
浮かんでは消えるアイデンティティもさることながら、ドリーが探し回る故郷というのが、カリフォルニアの海洋生物研究所。
自然の大海原でなく、ひとが造り出した世界。
いくつかの異なる環境の水槽が縦横に行き交うパイプでつながっている。
それは、巨大な迷宮のよう。
そして、行く手を阻むのが人間(それも幼い子どもたちだったりする)のが、またまたコワい。
その上、両親と感動の再会も近し! というところで、放り出される研究所傍の光の少ないケルプの海の暗さ・・・
いやぁ、おとなでよかった!
この映画、小さい自分に観ていたら、絶対トラウマになったぞ。
子どもの頃に観ていたのは、こんなにはコワくなかった。
と、ハラハラドキドキ、そして「アンフォゲッタブル」「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」といったオールドメロディも流れて満足だけれど、やっぱりコワすぎるよ。