「ピクサー凄すぎ」インサイド・ヘッド inoTV IKEさんの映画レビュー(感想・評価)
ピクサー凄すぎ
子供向け作品であるが、大人こそを唸らせる、ディズニー映画がコンセプトにしている課題の完成系を見てしまったよう。頭の中の感情、記憶を舞台にするという、普通に作ると抽象的すぎてイマイチな作品になってしまいそうなところをキャラクターの個性や舞台建てをきちんとすることで子供の目にも楽しいエンターテインメントになっている。これはピクサーという集団の持つ子供心を大切にするという発想力の勝利であり、子供向けアニメを作っている会社は多くあれどなかなか出来ないことである。
今作で特に涙を搾り取られるのはやはり大人目線の話であろう。感情の一人であるヨロコビはライリーの親として「悲しい目にはあって欲しくない」とつい過保護に振舞うが、トイストーリー3よろしく文字通り死の世界の中でヨロコビ自信が悲しみ、カナシミの存在意義に気づくことでヨロコビ、ライリーの感情的成長に繋がる。
またライリー幼年期を象徴するビンボンは、自らを犠牲にしてライリーが大人に成長するための後押しをしてくれる。自己犠牲を描く映画は多くあれど、こんなに観客自身と重ね合わすことのできる、普遍的なテーマの自己犠牲はないと思う。
感情、記憶、成長という普遍的すぎるテーマを舞台としているので、共感することが多い映画ではないだろうか。自分自身何度も見返す、大切な映画となった。
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