バービー
解説
「アジョシ」「冬の小鳥」でその演技力を高く評価された子役キム・セロンが主演を務め、実話をもとに社会の闇を暴いた社会派ドラマ。知的障害を抱える父マンウと幼い妹スンジャの世話をしながら港町の民宿を切り盛りする少女スニョン。そんな一家の前に、スニョンを養女にしたいというアメリカ人男性スティーブとその娘バービーが現われる。以前からアメリカに憧れていたスンジャは、姉ではなく自分を養女にするよう訴えるが、聞き入れてもらえない。スニョンとバービーは次第に親交を深めていくが……。スンジャ役に扮するのは、セロンの実妹キム・アロン。
2011年製作/99分/韓国
原題:Barbie
スタッフ・キャスト
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2022年4月21日
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韓国では、血の繋がらない他人の子を養子にとる文化があまりない、そのため貧困層が育てられない子供を海外に養子に出す事が多い。あまりに野放図だったため国連やアメリカから子供輸出国だと批判され管理や法整備が進んだのも最近だ。そのため、臓器売買目的の養子縁組も見逃される事が多かったのだろう。
韓国の海外養子縁組の数は朝鮮戦争後かなりの数にのぼる。その中で臓器提供目的や性加害目的など犯罪の被害にあった子供がどれだけ居るのか考えると胸が痛くなる。
2022年3月12日
PCから投稿
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妹スンジャ(キム・アロン)は最後まで企みがわからなかった。バービー人形とアメリカをこよなく愛し、憧れていたスンジャ。作り笑顔を絶やさない彼女はある意味純真そのものだったし、知的障害を抱える父を支えることに使命感を持っていたスニョンとも対照的。父親マンウは直感的にスンジャが死んでしまうとわかったのだろう・・・辛い。
アメリカンドリームという幻想をことごとく打ち壊すかのような内容だったし、道理に反する大人の利己主義にも抗えない子どもたちの姿も痛々しかった。臓器売買をテーマにした韓国映画は多いけど、この作品もその一つ。しかも腎臓や肝臓と違い、生体心臓移植なんてのはアメリカであっても認められないもの。もしやスンジャを脳死させる殺人行為まで考えているのだろうか。そんな違法なものだと契約書は無効になるはずだ。ドナー登録だけかもしれないが、死なない場合もあるので考えづらい。
バービーは家族になるものだと信じ込んでいたし、父スティーブは仲良くなることもそれとなく禁じていたので、序盤で展開が読める(ただ、心臓とは聞いてないぞ!)。だから仲良くなったスニョンを選ぶのだけはやめてほしいと祈りつつ・・・の鑑賞となりました。
そんな辛い社会派映画ではありますが、今後のことを考えるともっと辛い。叔父さんも罪の意識に苛まれるだろうし、止められなかったスニョンやバービーも一生妹のことで悪夢を見てしまうはず。さらに生体心臓移植でそんなに長生きできることもないだろうから、スティーブだって心を痛めるはずだ。誰もが心を痛める未来を予想すれば、もっと重くなってしまう・・・
2022年1月17日
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開始10分位で内容がわかる。基本子供が不幸になる映画は・・・。辛い映画のひとつ。
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この映画の何がエグいって、
子どもが二人とも真実を知ってしまったこと。
その後の長い一生をずっと、闇を抱えて生きていくなんて辛すぎる。
ともあれ全体的には、臓器売買の問題を鋭く描いた映画として見応えがあった。
けど、ひとつ気になったのは、
「加害者アメリカ、被害者韓国」という構図を全面に押し出した描写。
ここまで「アメリカ」にフォーカスする必要ある?
この問題の肝は「国内の貧困」と、「富裕層による搾取」であって、
特定のどこかの国が敵、という話ではなかろう。
折角の興味深い内容なのに、偏向的に描写するのはもったいない。
作品の格を落としているだけに感じる。
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