胸騒ぎの恋人のレビュー・感想・評価
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恋する2人
同じ男性を好きになった男女のはなし。
ニコラがマリーにもフランシスにも恋愛という意味では興味がないのは見ていて伝わってくる。
それでもお互い牽制したりしながらニコラと仲を深めようとしていく2人。オードリー・ヘップバーンが理想の女性だと聞けばフランシスはポスターをプレゼントし、マリーは姿から真似していく。
このニコラという人物が不思議。
パリには文学を学ぶため大学入学を目指して来たといいながら大学に通う様子はない。ダンサーだったという母のお小遣いで楽しく暮らしているのか。
会話から知的な感じも受けるけれど、パーティーばかりで今を楽しんでいるだけにもみえる。
マリーやフランシスとは住む世界が違い、それが故に2人は彼に惹かれたのではないだろうか。
フランスの田舎の景色が美しくて、絵画のようだった。
【好きな男性の嗜好が似ているゲイの男と、ストレートの女が一人の恋愛感性の鈍い男を好きになってしまう微妙な三角関係を、モヤモヤ感とスタイリッシュ感とコメディ要素を綯交ぜにして描いた作品。】
■ゲイの青年フランシス(グザヴィエ・ドラン)と親友のストレートの女性マリー(モニア・ショクリ)は、共にパーティーで知り合った美青年ニコラ(ニールス・シュネデール)に恋をする。
3人で一緒に会うようになると、フランシスとマリーはニコラの気を引こうと互いをけん制し合って微妙な関係に・・。
◆感想
・いるんだよねえ、二コラのような悪気の無い、鈍い男って・・。
・そんな、二コラに惚れてしまって、悶々とするフランシス、とマリー。
ー 二人は、親友だからお互いの想いを知っていても、打ち明けられない・・。-
・三人でベッドに寝た際に、二コラとフランシスの脚が絡まっているシーンを自然に写したり、マリーが暗喩的に二コラに告白するシーンも二コラは”鍋が焦げるから・・。”と素っ気ない。
ー その後の、マリーが苛苛しながら煙草に火を付けようとするも、マッチに火が付かないシーン。巧いなあ・・。-
■一年後、フランシスとマリーはすっかり立ち直り、ニコラには怒りの眼しか向けない。そして新たな美青年(ルイ・ガレル)のターゲットを見つけて・・。
ー 懲りない二人なのである・・。好きな男性の嗜好が似ている二人なのである。-
<全然関係ないと思われる女性達の恋愛観を語るシーンを絡ませつつ、色彩豊かなスタイリッシュな映像とポップな音楽で描いたラブストーリー。
コメディ要素も振りかけつつも、片思いの切なさがにじむ物語でもある。>
古い恋愛映画を観てるよう…
正直、そこまでグッとは来なかったかな。
昔の恋愛映画って感じ(笑)。
所謂 三角関係なんだけど、とにかく好きな人に振り向いて欲しいグザヴィエ・ドラン(フランシス)が可愛いなって💕
親友同士のフランシス&マリーは、お互い一目惚れしたニコラに 色々とアピールするんだけど、ある日の2人(フランシスとマリー)の取っ組み合いの喧嘩?を見て、ニコラは急激に冷めていくんだよね。
かくして2人はフラれたかたちとなって…大分落ち込むのかと思いきや、また新たなパーティへ(笑)
何だか色々とリアルに描かれてて、そこがこの監督らしいなと思った。
あと 私が好きなのは、グザヴィエ・ドランが時々見せる口を動かす仕草💕
他の作品でもやるんだけど、ほんと好きです❤
期待値上げすぎた
ストーリーは非常に良かったと思うのだけど、ちょっと退屈だった。映像はやはり綺麗なんだけど、全部の画がシリアスっぽい気がして、切なさを表現するには少し重すぎたかなと。最初からラストのコミカルさがあれば退屈しなかったかも。
全体的には良かったけど、これを観る前にMommyを観たことがあったため、かなり期待して観てしまった結果、星3です。
リアルな片想いと複雑な友情
言葉にはしなくても表情や行動だけで何を考えているのかわかる繊細な演技だった。
独特な撮影の仕方とかちょいちょい知らない人の恋愛の話を挟むのも斬新で面白かった。
片想い中の痛みがお互いわかるから奪い合い、譲り合い、相手の知らない所で慰める。3人の三角関係の話でもあるが、仲の良い友達の話でもあるなと思った。
個人的にすきなシーンは3人で旅をして、朝食を食べてフランシスがトイレに行った時のニコラの言葉に対してマリーが言った言葉がすきかな〜フランシスの事を大切に思っている気持ちが少し伝わった。
それにしてもニコラは典型的なモテる男笑
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ああこの瞬間を写真におさめたい
そんな画が、たくさん。
この瞬間いい。
この瞬間いい。
と心のスクショを何度もする。
色使いもステキ。
そのまんまポスターに出来るような。
そしてこの方の映画は
音楽を、ちゃんと使うね。
音楽で、一気に引っ張り込む。
あとで
音楽だけを聴いても、
シーンが目に浮かぶ。
グザビエさん、憎いね〜
自分で出て、
キメてくる!
ラストの終わり方と
ラストの音楽と
エンドロール流れるタイミングが
気持ち良すぎました。
アート作品。
グザヴィエ・ドランの作品は本作がたぶん4作目。
前回は「マイ・マザー」を見てかなり閉鎖的で重い内容であったが、本作は少しポップな雰囲気があった。
ストーリーは三人の男女による複雑な三角関係を描いたもので、グザヴィエ・ドランはまたもゲイの青年を演じている。
ストーリー自体もなかなか鋭い部分をついていて、今まで見たことないような展開だったが、グザヴィエ・ドラン監督の演出がアート性を引き立てていた。特に本作は「わたしはロランス」で見られたような色彩による演出が良かった。照明やカメラワーク、独特の音楽が作品の雰囲気を完璧に演出していたと思う。
彼の作品はたぶん見ただけでグザヴィエ・ドランの作品だとわかるほど、演出のクセがすごい。ただそのクセが悪い方向へ転がらないのが彼のすごいところ。
三角関係
ストーリー
ラストで一気にコメディぽくなったけど、全編もっとコメディ色強くても面白かったんじゃないかなと思う。暗に探り合ってる感じもそれはそれで良かったけど。というか芸術色が強くてコメディであってもそれがわからないというね。設定が面白いだけに勿体無い。途中挟まれる愛だの恋だのの話も疑問ではあったけど、聞いてて面白かった。
本当に悪い男だなニコラは。途中本気で腹立ってきた。でも女側の追い方のほうが可愛くてたまらないよね。
キャスト
ドランは本当にカール茶髪の面長が好きなんすね…全部それだよ。
あと監督だけやっててほしいなとも思った。ドランが演じると鼻に付くというか超絶イケメンすぎて、話が入ってこないんだよな。本人が出てない、たかが世界の終わりとかmammyとか大好きだし。
監督
どのシーンとってもアートだわ。アシンメトリーシンメトリー、配置や色全てに拘ってるであろうな。全てがメタファーに見える不思議。てかそうなのかも。落ち葉の茶色をバックに二人で喧嘩するシーンは最高でしたね。赤と青か絡んで。んでニコラは赤と青の混ざったようなシャツ着てて。素晴らしいね。ただ音楽だけがイマイチ好みじゃないんだよなあ。
ニコラの天然っぷり
二人の気持ちを知ってからの引きっぷりが何とも冷たいニコラの態度が、学生の時に経験した恋愛に近い感じもしてみたり!?
コミカルにコメディ要素を絡めた展開と思いきや、哲学や実験的な映像を含む洒落たLOOKとマジメに突き通す恋愛物語。
あくまで友人関係なニコラの行動が二人にとっては勘違いさせたり振り回される結果だったり、恋人になりたい二人の駆け引きが面白い。
ラストにベルトルッチの「ドリーマーズ」やゴダール役の記憶も新しいルイ・ガレルが!?
役者としてのグザヴィエは容姿を含めて素晴らしい。
よくある恋愛
この監督の作品を観るのは初めてだった。
鑑賞前は、いかにも、サブカルジョシがお洒落目的で鑑賞するも、イマイチしっくりこなくて、あれれーってなっちゃうパターンのやつかな、という感じがした。
見始めると、まさにその通り。
でもやっぱりこの映画の凄いところは、それをつまらないと思わせないところかも。
印象的な音楽や、色鮮やかなドレス、男女が寝るシーンの色使いにも、底知れぬセンスのよさを感じた。
ラストの、“自分を振った相手を敵視する”シーンには、全力で共感した。
設定はただの三角関係ではなくて、ちょっと変わってる。全体的に女々しい、もちろん良い意味で。きっと沢山の女子が共感するんだろうな。
男と女。分かり合えない。難しい!
新しくてクラシカル
グザヴィエ・ドランの監督・脚本・主演作。
自分の事を延々と映し続けて、どんだけナルシストなの?と思うけれど、その「延々」がそこはかとなく滑稽で、可笑しい。自分を滑稽に撮れるということは、ナルシストの一方で、ものすごく客観的に冷静に撮っているということでもある。(「マイ・マザー」の時もそう思った。)
そしてこの滑稽さは、彼自身のものだけではなく、恋する人皆に共通するような、滑稽さでもある。(「オレは、こんなかっこ悪い恋はしない」という人は、どちらかというと恋を客観視できない人と思う。)
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色使いや構図などフレッシュで若々しい。新しいなあと思わせる一方で、どこかクラシカル。手紙・電話などの小道具も、流れている曲も、ちょっと昔っぽい。
間違いなく現代の若い人が撮った映画なんだけど、三十年前に撮られた映画ですって言われたら、「そーかもねー」と思わず納得してしまいそうな、時代不明な映画でもある。
オム・ファタルの撮り方(コクトーと重ねる所がカッコ良過ぎて笑う)もクラシカル。グザヴィエ・ドランなら、オム・ファタルの古典コレットの「シェリ」も上手く撮れるんじゃないか、とすら思う。
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ナルシストでありつつ客観的な、アバンギャルドでありつつクラシカルな、相反する魅力が詰まった映画と思う。
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追記:「Bang Bang」という歌が非常に印象的に使われている。
タランティーノやオゾンの映画でも使われており、手垢のついた曲にもかかわらず、この映画のための歌と感じさせてしまうあたりも、ドラン憎いねえと思う。
恋する人間の愚かしくて愛しい時間
ようやくずっと観たかったグザヴィエ・ドラン監督『胸騒ぎの恋人』。
恋する人間の愚かしくて愛しい時間。
一分の隙もないほど精巧に構築されていた『わたしはロランス』とは対照的に、
作品でちょこまか遊んでいて、それが何だか可愛かった。
そう、彼は1989年生まれなのでした。
それにしても、まっ黄緑の照明の中ですら美しいグザヴィエ・ドラン、凄まじ。
センスの塊
親友同士のマリーとフランシスはパーティーで会った無邪気で悪魔的な美青年ニコラに
一目で魅了されるが、お互いニコラに興味のない振りで相手を牽制。
三人が友人として親しくなるにつれ、マリーもフランシスも自分がニコラにとって友人の一人である現実に耐えられなくなるが…。
友人同士で同じ人を好きになってしまうというシチュエーションは現実にもよくあることで(少女マンガやドラマでもありがちなネタ)珍しくはないのだが、マリーはストレート、フランシスはゲイという設定がちょっと新鮮味を与えている。
それならば、
ニコラはストレートなのか?
それともゲイなのか?
これさえハッキリすればこの三角関係には簡単に片がつきそうなものだが、人の恋愛関係はそんなに簡単なものじゃない。
ニコラはバイセクシュアルかもしれないし、自認せずとも受け容れられるタイプかもしれないし、ニコラがどう反応するかによって三人の関係はどう転ぶかわからない。
マリーとフランシスの普段は仲の良い二人が、恋愛が絡むと途端に牽制し合う様子はまるで女友達のソレだし、二人共に振られた後はすっかりニコラに対して共闘するなど、これも女友達の間でありがちなことだ。
フランシスを演じる監督のグザヴィエ・ドランは弱冠25歳。この作品を撮った時には二十歳そこそこという早熟の天才肌。
彼の作品はこれが初見だが、自分で何をどう撮りたいのか、よく分かっている人だなという印象を受けた。
特に色遣いのセンスは、アルモドバルを思わせ、ハリウッドに毒されずこのまま順調にキャリアを積み重ねて行って欲しいと思う。
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