劇場公開日 2014年10月4日

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「【”工作員である前に人間だ!”北朝鮮に家族を置いて韓国に潜入した疑似家族が、臨家の喧嘩ばかりしているが、絆が深い韓国人家族に感化されて行く様を描くヒューマンサスペンスコメディ。】」レッド・ファミリー NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0【”工作員である前に人間だ!”北朝鮮に家族を置いて韓国に潜入した疑似家族が、臨家の喧嘩ばかりしているが、絆が深い韓国人家族に感化されて行く様を描くヒューマンサスペンスコメディ。】

2024年7月9日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

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■疑似家族を演じながら、韓国でスパイ活動を行う北朝鮮の工作員4人。
 彼らの隣には、喧嘩の絶えないごく普通の韓国人家族が住んでいた。
 妻役でリーダーのベク(キム・ユミ)は最初は彼らをバカにしていたが、韓国人家族の喧嘩しながらもお互いを思いやる姿を見て、故国に残した本当の家族に対する思いが募っていく。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・北朝鮮と韓国の争いを描いた作品は大変多いが、この作品の魅力は、北朝鮮の疑似家族が密かに韓国に潜入していたという奇想天外な設定であろう。

・観ていて沁みるのは、北朝鮮の疑似家族の一人一人が、北朝鮮に残して来た家族のことを、臨家の喧嘩ばかりしている韓国家族の姿を見て、思い出していき、”自分達は、家族を置いて、韓国まで来て何をやっているのだろう。”と、徐々に自分達に与えられた役割に疑問を抱いて行く姿である。

・今作ではそれを、随所でコミカルシーンを絡めながら描いている所が良い。例えば、韓国人家族の、金遣いが荒く悪徳消費者金融から多額の金を借りていた奥さんの所に、悪徳業者が取り立てに来た時に、北朝鮮の疑似家族が鍛えられた技で韓国人家族に分からない様に悪徳業者を撃退するシーンである。

・彼らを監視する金物屋のオジサンが、ペクに対しては非情なのに韓国人の金物屋の女性にはカラッキシ頭が上がらない姿なども、何だか可笑しい。

<北朝鮮疑似家族が、指示された臨家の韓国人家族を殺せずに捕らえられ、船で連れ去られるシーンは、何とも切ない。娘役ミンジ(パク・ソヨン)以外は、病に倒れたり自害する中、舟は夜の海に出て行く。
 だが、翌日、いつものように韓国人家族の息子チャンスが苛められていた時に、敢然と現れたミンジの姿には留飲が下がったし、北朝鮮工作員たちも疑似家族の命を懸けた抗議に心を動かされた事が分かるので、感動してしまうのである。
 脚本、製作総指揮を務めたキム・ギドクのセンスが光る逸品である。>

NOBU