劇場公開日 2014年6月14日

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「夢は世界を変える」ホドロフスキーのDUNE おっしゃーさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0夢は世界を変える

2014年7月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

興奮

映画が始まる前、前の回を見終わった人達が一斉に物販コーナーに大挙してきたのが印象的だった。

「完成された未完成」としてお蔵入りになってしまった、ホドロフスキー版DUNEの制作秘話と頓挫の理由を描いたドキュメンタリー作品。
少年のように目をキラキラさせて、当時のことを語るホドロフスキーが非常に魅力的である。
彼は製作陣、キャスト共に最高の魂の戦士たちを集め撮影に臨もうとしていた。ダリ、ミックジャガー、オーソンウェルズ、ピンクフロイド、、etc。
そんな強烈なスパイスたちの共作が、夢として消えてしまったのが本当に残念である。
結局ホドロフスキーのDUNEは頓挫し彼の心の中に大きな喪失感を残したものの、数年後公開されたリンチ版DUNEの出来栄えの酷さに(決してリンチを批判している訳ではない)
彼は元気を取り戻し、自分が信念を曲げなかったことに誇りをもつ。
彼の中での映画は、ビジネスである前に芸術なのだ。

そして芸術家である彼の夢は、後に世界的ヒット作となる映画(スターウォーズ、エイリアン、ターミネーター、フラッシュゴードン、コンタクトなど)の中で芽を出すのであった。
「失敗を恐れてはいけない。夢は世界を変えるのだ」という彼の力強い言葉が心に残った。

DUNEの絵コンテを描いたメビウスの絵がとても魅力的で、初めて大友克洋の絵を見たときを思い出した。
映画終了後、物販コーナーに並ぶ彼のデッサン集に駆け寄った。つい1時間30分前の光景を思い出しながら。

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おっしゃー