トム・アット・ザ・ファームのレビュー・感想・評価
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これを観たあとは録画したイッテQがみたくなる
暴力的なシーンが
とってもセクシー
生々しく感じてドキドキした
激しい渇望こそ心地よくなってきて、
次第にトムも兄を欲していく。
だけど、
人は何に救われるのか
それはわからない
漠然とではなくて、
自分が自分であるように
他人は他人である以上わからない
ということだ
たとえ重なりあっても溶け合ってももとは私であり、君であるようなこと
野蛮な締め上げに、バーのマスターの言葉に、同僚との久しぶりの再会かもしれないし、
絞ったミルクが美味しいことにかもしれない。
深深とした朝や
もしくは口の避けた男の横顔なのかもしれない。
スパイダーマンが恋人を救い出す感覚とは違うけれど、
町を背に進む姿は全てを受け入れることのように感じたんだ。
それって、
救われること
そのもののように感じたんだ
感じてばかりでごめんチャイナ
耳を塞げばミステリーでは無くなるんじゃないか?ってぐらいに、とにかく効果的に使われている音楽がこわかったわよ!
焦燥と抑圧
母親というのは、自分の望むことしか見ようとしない。それでいて自分はまっとうだと信じ、家庭の中で支配的だ。
いいトシの息子に敬意を払わず、人前でも子ども扱い。
この母親は弟を溺愛し、兄は愛情に飢えて育ったことだろう。
人格を無視されると、人は理論的になれない。そして日常生活に焦燥感を持つと、明るい未来の生活設計などできないものだ。
一方。
保守的な風土の中で、ゲイは社会的に抑圧されている。
主人公はこんなにも美形なのに、爪を噛んでいる。綺麗な指ではない。
自分の手入れに余念がないナルシストとはちがう。
焦燥と抑圧。奇妙な共依存関係。
恋人を失い、死んだも同然の主人公が、恋人の面影を宿した兄の暴力に「生」や「自分の価値」を感じる。
閉塞空間の中で、こき使われて、子牛のように死ぬのも悪くない…って?
しかし、ストレートとゲイの関係は超えられない。兄によって口を裂かれたゲイ男の幻影。
本質に戦慄した主人公は、ついに農場を去る。
街には軽薄な男女。主人公に居場所はなさそうだ。
心理描写も状況説明も、余計な言葉は使われず、映像と音楽で語られる。
その中で、冒頭の、紙ナプキンに書かれた青いインクの言葉が美しい。
インパクトの強い映像
背中のすぐ後ろに据えられた一人称目線のカメラ、極端な顔のアップ、大きすぎるくらいの、食器をテーブルに置くなどモノ触れ合う音。かなりインパクトの強い映像が続く。20歳そこそこの若い監督、いやはや驚きだ。最近の若い感性の作り出す映像は、いろんな手法の違いはあるがやたらと刺激の強いものが多いような気がする。いや、若い監督だけじゃないか。大御所ゴダールの3Dに比べれば予定調和内なのかもしれない。映像表現自体が、より刺激的なものを求めているのだろうか。
全編通して息が詰まるほど妖艶
ケベック州の田園地帯を見ようかな程度の知識で、グザビエ・ドラン作品初見。ドハマりです。戯曲の映画化ということですが演出として舞台臭が全くない。たぶんもう舞台は見てもつまらないレベルの完成度だと思われます。
未完成の大作
なんていったって若き天才ドランの新作。もう、半年以上前から楽しみにして楽しみにしまくって見に行きました。
正直な感想としては至極微妙なものとなった。まず、サイコサスペンスなのか何なのかわからないストーリーも未完成だし、誰が主役かわからない演出も未完成。とにかくよくわからない未完成な映画を、さもそれっぽい感じで見せられている感覚。
ドランはこれを撮りたかったのかね。言いたいことはわかるけど、もっと完成させてくれよと思うね。
私はロランスの奇跡から今作、そして、勝負は次作。フラットな評価を与えられる次作こそ、ドランが天才なのかどうなのかわかるはず。
劇場を飛び出し、人を避け、逃げたくなった。
こんな感情にさせられるとは思っていなかった。映画は大体、予告編やスチール、シノプシスを読み劇場に入る。なんの情報もなしに見る映画は素敵で発見に溢れるが、ドランである以上、そのこと自体が大きな情報であり無知のまま見ることは不可能だった。冒頭であまりにも吸い込まれ約5分で「大変なものを見に来てしまったのかもしれない。」という感覚になった。フランス語には温かみを勝手に感じているのだが怖いのなんの。同じカットが多用される。特にダイニングの引きの画。夢に出てきてしまう恐れがある。一回の映画で動物の遺体を二回見せられて若干腰が抜けるが牛を抱えるドランが美しすぎて何故か何故か拍手を贈りたくなる。そしてフランシスのトムに対する「強制」はこんなのあり得ないとか思うけど、至って普通に且つ日本で見れる光景だよな。と思いながら見ていた。とにかく感想が書けない今年の映画ナンバーワン。笑
劇場をとにかく抜け出したくて、駅改札の音を聞くのが怖く、耳を塞ぎたくなるが無音はもっと恐ろしく、出来ることならどこでもドアで実家に帰って鍋をつつき、それから寝る。それぐらいしないとこの映画は一生付きまとってくる。こんな感情にさせられたのは断言するが初。ああ、ドラン。これは映画に恋をしたとしか言いようが無いぞ。「恋」をした時の感情に似ているが全く違う。
美貌なホモセクシャルと若いがヒリヒリするような才能
今、評判のグザヴィエ・ドランを観る、渋谷アップリンク。
驚いた、小さい館内、若い女性で一杯、館内が暗くなるまで、思わずオジサンは小さくなってしまった。
「わたしはロランス」でブレークし、多くのファンを魅了した彼、今度は自身が主演するとなれば前評判は当然か。
美貌なホモセクシャルと若いがヒリヒリするような才能、今晩はじめて観て、その魅力少し判った気がする。
モントリオールという大都会から霧深い広大な平原をクルマは真一文字に走り、トーモロコシ畑と乳牛だけの一大ファームに到着する。
そして、展開されるドラマは獣的とも言えるような飾りっけ一つない心理サスペンス。
ファーム特有のタブーの中で、総ての登場人物の本音の言葉と行動が休む間もなく展開される。
広大な自然が舞台であるが故だろうか、人間の中の秘められていた野生の表出は直截で半端ではない。
個人としては好みではないが、観る人の好き嫌いに関わらず、終始ヒリつくような感覚はグザヴィエ・ドラン特有のものと言えそうだ。
誰もがドランに恋をする
最愛の恋人を失い、田舎にある彼の実家を訪れるトム。
住所だけ書かれた紙を手に、不安を抱きながらも家のドアを叩く。
しかし、いくら待っても誰も出てこない。
家の周りをうろついてみる。
誰もいない。
途方にくれるトム。
淡々とした時間の経過を、グザビエ・ドランはまるで絵画のように切り取っていく。
1カットを「もっと見ていたい」と思う映画はどれだけあるだろう。
移りゆく映像を留めておきたいと願わずにはいられない。
泥臭くも美しい、彼の息遣いを感じられる。
誰もがドランに恋をする、そんな作品。
嘘。
彼氏(同性)の葬儀に出席のため、片田舎の農家を訪ねた主人公・トム。
彼氏の母や兄、何処かイカれていて…。
田舎の閉塞感、同性愛者の背負う十字架。囚われること、自由からの逃走。
グザビエ・ドラン監督、実は全くの初見でしたが、皆が注目するのも少し分かるような気がしました。
世間一般の常識から、少し外した視点が心地良いリズムを刻む。肉体への暴力もそのリズムの一つなのかも。
じわじわくる。
なんとなくのあらすじだけ頭に入れて鑑賞。
いやはや、非常に精神的に怖かったです。
音楽も非常に怖かった。
距離が近付いたと思ったら、そこへお兄さんに関するあの話し。
あの後のトムの行動は、そらそうなるよなー!という感じでした。
終わり方は、観ている人の判断によって色々意見がありそう。
凄く淡々と話しが進むけど、全てが上手く繋がっている気がする。
個人的には、タンゴのシーンは萌えました。
そして、あの手紙のシーンの緊迫感、半端なかった。
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