トム・アット・ザ・ファームのレビュー・感想・評価
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普通wのSM的性愛心理劇
LGBTQをめぐる社会的偏見を問う作品かと思えば、どんどん奇妙な展開になっていく意外性が面白い。 ここで監督演じる主人公を女性に置き換えると、この映画の本質が普通wのSM的性愛心理劇だということが分かる。 映像は美しいものの、登場人物やストーリーに興味が持てず、小生はちょっとご遠慮したい…という感じである。 補足) 他のレビューを見ていて、兄・フランシスのジャケットや言動、エンディングの曲などから、本作には力を背景に諸外国に影響力を及ぼしたり、支配したりしている米国批判の暗喩があることに気が付いた。 しかし、そんなことを言い出せば、中国やロシア、イスラム諸国の方がよほど問題だろうし、性的問題に限って言えばなおさら、米国の方がそれらの諸国より遥かに寛大であろう。 それを無視してことさら米国批判を行うなら、逆に政治的な無知を露呈するのではないか。 また、つまらない政治的メッセージを挿入することで、作品は心理ドラマ性を希薄化させ薄っぺらい印象を与えているような気がする。
ごめんなさい難しかった
一切の前情報なしで、久しぶりにゲオでジャケ借り。 どこの国かも、監督が誰かも、俳優も全く知らずに視聴。 全体的に危ない雰囲気でハラハラはしたけど、それぞれの感情とか状況がイマイチ分からず進行してしまい 急に終わった感があった 見終わって解説とか考察を見るとなるほどという感じ 私には合わなかった けど、普段はこういう映画は見ないのでジャケ借りは面白い
カナダ版『蜘蛛“男”のキス』?
①2022.05.20.再鑑賞(WHATCHAにて)。②4人を繋いでいる筈のギョームが結局どんな人間だったのか最後までわからない点が本作を通してある種の欠落感を醸し出している。それはギョームが実家に残していった缶(子供の時のノートとかが入っている)を4人が古井戸を覗き込んでいるショットに象徴されている。②
葛藤
いったい私たちは何と戦っていのだろう。自由は孤独で束縛は本当に愛なんだろうか。 余計なことは見せない、言わない。不条理をエンタメとしないこの作品。 最後のフランシスのジャケット、メッセージが強くて笑えます。 そう、彼らは愛し方を学ぶ前に、嘘のつき方を覚える。 文/ミシェル・マルク・ブシャール
【”恋人の葬儀に出掛けて見れば、そこには鬱屈した思いを抱えるモンスターの兄がいた・・。”グザヴィエ・ドラン25歳の監督作。才能あり過ぎだろう!グザヴィエ・ドラン!】
ー トム(グザヴィエ・ドラン)が恋人ギヨーム(今作では、写真でしか出て来ない)の突然の死に、打ちひしがれつつ、ギヨームの葬儀に出ようと、彼の実家のファームに足を運ぶところから物語は始まる。ー ・ギヨームが母、アガットに自分は同性愛者とは告げておらず、サラという恋人がいた事になっていた事を知った際のトムの驚愕。 ・夜、就寝中に、ギヨームの狂気性を帯びた兄、フランシスに”母には本当の事を言うな・・”と脅されるシーンの怖さ。 □フランシスの、自分も旧弊的なファーマー生活を辞めたい思いにより、狂気性を帯びている事が徐々に明らかになる怖さ。 ・ギヨームの葬儀で、弔辞を上手く読めず、フランシスに激しく叱責されるトム。容赦ない平手打ち。 ・トムは逃げ出そうとするも、”何故か”ファームに留まり、搾乳を手伝ったりしている。 ー 彼が、フランシスの支配下に置かれつつある事が示唆される数々のシーンの描き方の巧さ。- ・且つて、フランシスが近くのバーで、ギヨームの”恋人”に行った狂気的な事が、店の主から告げられるシーン。 <怖い、怖い田舎で生きる閉塞感を抱える亡くなった恋人の兄の狂気性に取り込まれていく男、トムの姿を描いた作品。 それにしても、25歳にして、今作の監督、脚本、衣装を担当したグザヴィエ・ドランの才能には感服するしかない作品でもある。>
片田舎の閉鎖的な空間と、亡き恋人の面影と…
観たい観たいと思い続けて やっと鑑賞しましたが、色々な要素が織り交ぜられている割には サラッと観られるのに重かった。 とにかく、フランシスがとんだDV男で チョッとしたことでトムに暴行を働くが、暫くすると傷の手当をしたりと…こういった人間に有りがちなパターン。 本当は早く帰りたい筈なのに、フランシスの中に亡きギヨームを探してしまうトムの哀しい心が…。 最後 トムはフランシスから逃げ出すけど、とにかく、トムの心情を推し量ると なんとも複雑だなぁーって。 冒頭でトムが言っていた“君を失った僕にできることは、代わりを見つけること”…に囚われていたのかなって。 友達から、トムの知らないギヨームの別の顔を知ってしまったり…自分の中の綺麗な思い出だけでは語りきれない真実を知ってしまって、トムは何を思ったのだろう…。 でも、フランシスとのあんな生活に未来はないことにも気が付いて、元いた生活に戻って行くトム。 最後にやっと安心しました。
ドアップこわいww
主役を演じながら演出すんのかしら監督 すごいね… すごいしかっこいいし(笑)キャ♡ この方の作品は 撮り方とか色合いのセンスだけ見ていたい んだけどどうしても緊張させられる内容… 閉塞的な環境で全員依存症よね アップリンクさんの配信のおかげで 連夜ホドロフスキーだったりグザビエだったり で、もう、ぐったりです(笑)
クザビエ・ドラン良い
ゲイのパートナーが亡くなり葬式の為にパートナーの田舎に行くが、閉鎖的な町に浮いてる家族、厳格な母親、暴力的な兄の家に泊まり、段々とその家に魅了されるが…色々考察しなくてはならないけど、若い監督これからの作品も期待します!
ヴァイオレンスな兄
ドラン監督作品は『たかが世界の終わり』に引き続いて2作目だが、また弟に対して複雑な感情を持つバイオレンスな兄貴に当たってしまった。人物設定や展開はもちろんそもそも原作者が違うので、比べることに意味はないのかもしれんが愛憎半ばな感情を持て余している感じなど、つい類似点に目がいってしまう。 と、アデルの”Hello”のMVを観ながらつらつら考えたがいまだに整理がつかず。
ダンスシーンの顔。何度も観たくなる映画
一度ではどうしても理解出来なくて何度か観た。 なぜあんな顔したのか、あんな言い方したのか、と気になるところが多い。あんな理不尽に怒鳴られてぶん殴られても一緒に居ようとする理由が知りたいと思う内容でした。 何度か観てると、ベッドの位置などでトムと兄の関係性の変化がみられたり、Mommyでも観た気がするけど、画角の広さが変化して何かを感じるという演出がこの作品でもある。畑で押さえつけられて殴られ、この時上下が狭くなり、トムが従っていってしまう感覚なのかと思った。 暴力的な恋人の兄。母親にだけは弱い。 始めは急に力任せにねじ伏せてくる兄が怖かったが、そのうち本当に哀れで最後にトムを追いかけて来て自分に必要だと叫んでいる彼は情けなく可哀想になるほどだった。 この映画、直接的なセックスシーンはないのに、いろんなシーンでドランがとてもセクシーに見える。 殴られて顔を撫でられるシーン、 首を絞められてるシーン。 1番は兄とのダンスシーン。兄の方はしきりに愚痴を語り台詞としては全く色っぽいことはないのだが、ドラン(トム)のあの口半開きで話聞いてない様子の顔がかなり色っぽい。
1回じゃ咀嚼しきれないほど多層的
言葉にしにくいが前情報なくても、画面から新しい表現ー色彩であったり音の使い方、カメラの構図などの感覚がヒリヒリと感じた。いろんなことが説明不足で進むので、何回も見て登場人物それぞれの立場で見返したくなる。一番はギヨームの死んだ理由、明かされないけど大事なのはそこじゃないのかな。同じ香水を使ってたとかで早い段階でトムがゲイなのかな?とは感じる。時々シネスコサイズになる意図は何?クローズアップの多用。兄フランシスが弟の元カレの口を裂く衝撃よ。
グザヴィエ・ドランの新たな一面
グザヴィエ・ドランの監督作品は「たかが世界の終わり」と本作のみ見てなかったので鑑賞。彼の演出の新たな一面を見た。 ゲイの主人公トムの恋人ギヨーム(男)が亡くなり、その葬儀のために家に行ったら家族の事情と脅迫により主人公はその家に滞在して…というストーリー。 まず、ストーリーは先が読めず、新鮮さを感じた。一種のサスペンスであるが、鑑賞者にただ恐怖を与えるのではなく、鑑賞者を心理的に追い込む描写である。先が読めない怖さもあるが、とにかくトムの心情の変化も怖い。そして、個人的にはギヨームのお母さんが何考えてるかわからなくてとにかく怖かった。 サスペンスってこともあって、演出はこれまでのグザヴィエ・ドランの作品とはかなり異なった。今までは鮮やかな色彩を用いたり、非現実的なシーンによる心情描写が特徴的に見られたが、本作にはそのようなものは無い。カメラワークなどの演出によって、じわじわと鑑賞者は心理的に追い詰められるのである。 グザヴィエ・ドランはゲイをテーマにした作品が多い。彼はマイノリティとマジョリティの対比ってのが上手いし、テーマが重いんだけど演出によって鑑賞者を引きつけることに卓越してる。 なぜか彼の作品を見ると不思議な感覚に陥る。一言で言えばクセが強いのかもしれない。好きな監督の一人である。
すごく哀しくて、難しくて、そして美しい作品
トムは愛した人を喪って、彼の実家に行く。車を運転するシーン‥ 風のささやきが、すごく合ってます。 青インクで、紙に綴るシーンが、とても美しいです。 愛した人を喪失したトム、 トムに暴力をふるい束縛するフランシス 感情描写を丁寧に描かれた作品です。
2回みた
ドラン監督の他の作品は観たことないので、比較はできなかったけれど、 音楽で不安を煽ったり、 車のモチーフを出したり、 夕日の光を使ったり、とても綺麗な映画だった。 ゲイや暴力や家族がいるから自由にできないなどといった問題を切り取って表現しているような気がした。
口が裂けちまう
ラスト、車の中で考え込むトムはまさか!また戻ろうとしているのでワ!? グザヴィエはサスペンス要素のあるスリラー映画も撮れてしまう手腕を発揮しながらも、描く題材は一貫しているように思われ。 人間描写とセリフで説明する物語のバランスが良く、理解出来ているようで謎めいた部分は残しつつな演出に興味心は失われずに。 拒否しながらも魅了されていく、寧ろクセになっているようで互いに必要不可欠な存在への依存、洗脳されている感覚もありつつ、暴力の恐怖心とゲイ要素も忘れずに絡めたグザヴィエ作品の中でも異色?な本作。 原作は未読、今回二度目の鑑賞で「サイコ」や「ウィッカーマン」に「ダーク・ブラッド」と「ゴッズ・オウン・カントリー」をゴチャ混ぜにした印象って、単純過ぎるか??
分かりづら!
ストーリーも意図したい事柄も分からないままに終わってしまったなぁー 話の細かな部分は見ている側へ委ねてくれたような意図は感じるのだけれども、土台となる話をもう少し説明してくれても─と思わずにはいられない。 トムは一体ファームから逃れたいのかそれとも大都市と決別したいのか、ハッキリしないところが現代的ということなのだろうか。 田舎は田舎で嫌な閉塞感が確実に存在するわけで、どこへ行ってもそれは変わらないというのも現代的なのか…。 現代社会を写し取った映画なのだろうなー。
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