「緊張感とセンスの良さが凄い。」トム・アット・ザ・ファーム てけとさんの映画レビュー(感想・評価)
緊張感とセンスの良さが凄い。
この映画あえてかお兄ちゃんがキレた瞬間を映さずに突然暴力の中にほっぽり込まれるので、見てるこっちもいつDVが始まるのか身構えて静かなシーンでも緊張感がたっぷり。
そして静かなシーンがそれとなく官能的で目が離せない。フェロモンとDVの組み合わせは無限ループの罠なのか…
そして全編通して画面がキマッていてセンス抜群です。
(この言い方にセンスがないのは置いといて…)この美しい表現力が無いとかなり圧が強くてしんどい内容。
展開される会話も登場人物の感情が不安定なため、見え隠れする本心やその場の感情が入り組んでいてとても複雑。そのうえ、お互いの内面を伺いつづける緊張感が、もうしんど。
暴力に怯えつつ相手を思いやる気持ちもあるから相手が傷つくのにも怯えて自分はサンドバッグになり、同じ様に自分の為に殴られてくれる相手をサンドバッグにする。
弱みを見せられたら見捨てられないのも分かるけど、閉鎖的環境怖すぎほんと逃げてー!と思いながら鑑賞。
グザヴィエドランのこれまで見た映画には家族の共依存と男の色香と思う様に受け取ってもらえない愛情が溢れてて悶々とした若さがあって良い!
この消化不良のままの感情が残り続けるから映画の余韻がたっぷりで見終わった後に色々考えるのが楽しいです。
今回最後の寓意がえっそういう事!?ってなりました。
カナダの人の感想が聞きたい。
ほんと思ってもみない流れだったので、逃げるところからえ?え?え?の連続ですよね。
私はこの歌は知らなかったんですけど、流石に歌詞でtired of Americaって何度も言うのでこれは何かあるなと。
カナダアメリカ間に詳しい人に見て色々と教えてもらいたい!
ラストめっちゃ気になりますよね・・・!え、フランシスおるやん、結局捕まるの?トム逃げ切れないってこと・・?
クライマックスでフランシスが来てた服がUSAロゴ全開で、エンドロールの歌がTired of America なのも気になった・・・!!