激戦 ハート・オブ・ファイト : 特集
上海、香港で映画賞を受賞し、東京国際映画祭で話題になった本作を知っているか?
「ロッキー」をほうふつさせ、誰をも感動&ヒートアップさせる胸アツのドラマ!
第26回東京国際映画祭で話題を集めた、香港版アカデミー賞「香港電影金像奨」主演男優賞受賞作「激戦 ハート・オブ・ファイト」が1月24日より公開。人生のどん底から這い上がろうとする3人の男女の姿を、壮絶な総合格闘技シーンと胸に染みる人間模様で紡ぐヒューマン・ドラマに注目だ。
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■感涙、希望──「前に向かって生きろ!」
“激戦”に満ちた人生のやり直しを賭けた3人の復活ドラマ!!
栄光を失った元ボクシング王者と破産した御曹司、そして愛を失った孤独な母という、人生のどん底にいる3人が、愛と欲望が入り乱れる街・マカオで出会った。最初はそれぞれを疎ましがっていた彼らが、やがて各自の抱えた傷を理解し合い、同じ人生の目的に向かって再び立ち上がる奇跡と感動のドラマが誕生した。

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
「ブラッド・ウェポン」「密告・者」のヒット・メーカー、ダンテ・ラム監督が、長年温めていた念願の企画を映画化。総合格闘技MMAを舞台に描かれる、元チャンプと彼に弟子入りする青年との師弟の絆、そして元チャンプと彼が下宿する部屋主のシングルマザー、その娘との“家族愛”が心に染みる。人生をやり直すため、どん底から這い上がろうともがく彼らの戦いは、熱き名作「ロッキー」をほうふつさせる復活の物語だ。
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ボクシング王者だったファイ(ニック・チョン)は、八百長事件に関わったことで王座をはく奪、ボクシング界を追放されてしまう。すでに40代半ば、博打好きがたたって借金取りに追われる毎日の彼は、香港からマカオに渡り、知り合いが働くジムの雑用係の職を得る。下宿先でシングルマザーのクワンとその娘シウタンと知り合った彼は、ジムに通うワケあり青年・スーチーの切実な思いにもほだされ、スーチーのMMA挑戦をサポートすることに。彼を鍛えることで自らを悔い改め、人生を生きる新たな目的を見つけていくファイだったが……。
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スーチー(エディ・ポン)は、バックパックで世界をめぐっていた裕福な御曹司だったが、実業家の父が破産し、今は生活費を稼ぐため、建設現場で働く毎日を送っていた。しかし、献身的に尽くすスーチーの思いは父に届かず、父は酒に溺れては、その都度息子に酒場に迎えに来てもらうという体たらくだった。そんなときスーチーの目に入ったのは、総合格闘技MMAの試合中継。自らの尊厳を取り戻し、そして強敵に果敢に立ち向かう姿を通して、父に生きる希望のメッセージを伝えるため、深夜のジムで強烈なパンチを放っていたファイに弟子入りを申し出る。過酷なトレーニングを経て、リングで彼を待っていたものは……。
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
夫に見捨てられ、酒浸りになっていたために、不慮の事故で愛する息子を失ったクワン(メイ・ティン)。心をふさぎ、今はしっかり者の長女で10歳のシウタン(クリスタル・リー)に守られながら暮らしていた彼女は、新しい下宿人として、ファイと出会いを果たす。当初は、がさつで無遠慮なファイと反目するクワン母娘だったが、ファイの素朴な優しさを知るうちに、徐々に心を開いていく。頑なだったシウタンが笑顔を取り戻し、クワンもまた人生の目的を取り戻す。ファイとともに新たな“家族の絆”を深めていくクワンたちだったが……。
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■“香港版アカデミー賞”主演男優賞受賞をはじめ、上海、東京も絶賛!
ただの感涙ドラマでは終わらない──本作の高い“映画的クオリティ”!
本作が、そんじょそこらのヒューマン・ドラマにとどまっていないのは、各国の映画祭で浴びた賞賛の数々を見れば明らか。高いドラマ性とリアリティあふれるアクション、「感動のドラマ!」というあおりに恥じない、目利きの映画ファンも満足できる高クオリティを誇る作品だと証明しよう。
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上海国際映画祭では、落ちぶれた元チャンピオンと彼に父性を感じて絆を深めていく少女のドラマに高い評価が集まった。作品賞、主演男優賞、主演女優賞の3部門でノミネートを受け、ファイ役のニック・チョンとシウタン役のクリスタル・リーが、それぞれ主演男優賞、主演女優賞に輝いた。すでにチョンは名優として知られているが、リーの出演作は本作がわずか3作目。10歳にしてアジアの映画祭を虜にした実力には、目を見張るものがある。
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
チョンは、これまでにも香港版アカデミー賞である「香港電影金像奨」や台湾版アカデミー賞である「台湾金馬奨」ほかで主演男優賞を獲得してきた名俳優だが、本作では9カ月に及ぶトレーニングで、実に体脂肪率3パーセントという肉体を作り上げ、壮絶な役作りで話題を呼んだ。この役作りには、スーチー役のエディ・ポンも挑み、ふたりは見事な肉体美をスクリーンで披露。香港電影金像奨では11部門にノミネートされ、チョンが主演男優賞に輝いた。
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2013年に開催された第26回東京国際映画祭では、各国の映画祭で注目を集めた“お宝”的作品が上映される「ワールド・フォーカス部門」に登場。限界まで肉体を絞り込む壮絶なトレーニングシーンと、本物感あふれるファイト、そして人と人を心が結び、生きる目的を取り戻していく熱い師弟と家族のドラマが評判を集め、その時点では決まっていなかった日本公開の大きな後押しとなった。
■《本格アクション》《自らを捧げる愛》、そして《胸アツの感動ドラマ》
「激戦」は、こんな映画ファンの胸を必ず熱くする!
「激戦 ハート・オブ・ファイト」に熱くなるのは、“こんな映画”が好きなあなた。本格アクション、自らを捧げる愛、そして胸アツの感動ドラマ──3つの要素にしびれる映画ファンは、本作を見逃すな!
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肉体と肉体がぶつかり合う、戦う男たちの姿に燃えるという映画ファンなら、本作に熱くなれるのは確実だ。頂点を目指す戦いに挑むため、過酷なトレーニングに挑んだロッキー・バルボア──そう、「激戦 ハート・オブ・ファイト」では、「ロッキー」をほうふつさせるダイナミックなバトルが展開するのだ。倒れても倒れても、また立ち上がる不屈の戦いに胸が熱くなる。
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本当の家族の物語でさえ感動的なのに、本作では赤の他人だった者たちが、ひとつひとつゆっくりと“本当の家族”になるために献身的な愛を築いていく姿も描かれる。親に見放されたダウン症の少年を、数々の困難にも屈せず守ろうとしたゲイ・カップルの姿を描いた「チョコレートドーナツ」に涙した映画ファンなら、愛する者のために自らを捧げる愛の絆の美しさが分かるはず。本作の登場人物たちにひかれるのも確実だ。
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親子の絆、そして戦う者と導く者という“男たちの絆”にも注目だ。息子が拾った廃棄ロボにボクシングの動きを教え、ともに戦いに挑んでいくことで、離ればなれになっていた親子の絆を取り戻すさまを描いた「リアル・スティール」。師弟での二人三脚の挑戦と、見る者の予想を覆す展開が、「激戦 ハート・オブ・ファイト」でも共通している。熱く興奮し、そして最後には心に染み渡る感動が待っている。