「岡崎慎司が...」激戦 ハート・オブ・ファイト 三遊亭大ピンチさんの映画レビュー(感想・評価)
岡崎慎司が...
「激戦 ハート・オブ・ファイト」見ました。面白い。熱くて痛い。そして娘がかわいい。そして岡崎。
この手のファイト映画はたくさんあるけど、痛い感覚は歴代最強だと感じた。これでもかと延々にトレーニング描写が続くのがクドいと思ったけど、ファイトを生々しく見せるための周到な計算として、非常に秀逸。首ポキのトコも、全体の関節決めるとこなんかも、こちらが顔を歪めてしまう。派手という意味ではなく、とにかく痛いんです。それとファイターの身体。俳優の元々の身体は知らないが、今作のあの仕上がりが凄まじく本物。師匠は序盤は常にTシャツ姿だけだ、身体の仕上がりを隠しきれてないのも面白い。
あとはキャラクターの距離感もウザくなくていい。最初はバラバラなんだけど、徐々に関係が近くなっていく過程の潔さ。変に優しく男気な言葉をかけるとかじゃなくて、ヒートアップしていくトレーニングで関係を描き切ってる。それと対象に母子との関係はかなりベタベタに丁寧かつ、優しく描かれてる。このバランスは良かった。抑揚。
キス云々の場面、あれはアドリブですよね?その後に2人が倒れ込んで笑うのは微笑ましくてよかった。
主人公が終盤に怒涛のピンチを迎える。母は施設送り、娘も施設送り、弟子は病院送り。どうしようどうしようと静かに焦る主人公。その後になんで彼はリングに立つのでしょうか?それは、彼に出来ることはリングに立つことだけって事だと思った。不器用すぎて真っ直ぐすぎる。現役時代の黒歴史を自らの手で戒めるという意味もあるのでしょう。ここがポイント。胸アツポイント。世界のムネアツ。
映画のストーリーがマーク・ウォールバーグの「ザ・ファイター」を連想させるが、ファイトシーンも人物描写も今作の方が桁違いに素晴らしい。カット数が多めで諄くなく、テンポが良くて飽きない。ただ少し説明が足りない部分がある。大会のルールとか、全体の時間の流れなどが分からなくて、急に試合してあっという間に勝ってしまう。
あと、弟子の顔が岡崎慎司に激似で驚いた。