「総合が本格的」激戦 ハート・オブ・ファイト 古泉智浩さんの映画レビュー(感想・評価)
総合が本格的
格闘シーンの動きはUFCの試合を見ているようで、肉体も非常にビルド&シェイプされていて、素晴らしかった。弟子のチーは初戦をほぼ打撃の技術だけで挑んでいたのだが、打撃が上手で、寝技はしのぐ技術だけあれば充分いけるというのは、先日UFCでマーク・ハントがヘビー級タイトルに挑戦したことでも違和感はない。
試合よりもきつそうなトレーニングの場面が延々続くのは非常にアガる。ワンカットですごい懸垂や腹筋をしているのは本物感たっぷりだった。
サイモン&ガーファンクルのカバー曲が翻訳付きで流れるのだが、とんでもなく暗い曲でびっくりした。
お母さんが精神を病んでいて、彼女の場面はかったるかった。やたらと水を被ってびちょびちょになる場面が多かった。
(追記)
サンプルDVDで見ていて、近所でも上映があり、スクリーンで再見した。テレビで見るのとは迫力が桁違いで、すごくよかった。音も映像もよかった。
とにかくきつそうなトレーニングを延々やり続けていて、順撮りだったのかな、冒頭と終盤で体つきが違っているような気がした。
チーが元々やっていたテコンドーが全く通用しないように描かれていて、テコンドーをまるでなかったかのようにすっぱり捨てていた。テコンドーも活かして戦うところが見たかった。
女の子が天真爛漫でかわいかった。彼女が格闘技を習っていじめっ子に復讐する場面も見たかった。
初回見た時は、お母さんの狂いっぷりがきついと思ったし、表現として深刻な心の病を単なるドラマ上のバイアスで使うのもいかがかなと思った。作者にそれほど描きたいものや、描くべきものとして取り上げている感じもしなかった。2回目見てもそれはあまり変わらなかった。子供が大怪我するところも見ていて嫌だった。もうちょっとスマートに表現して欲しかった。最終的にハッピーエンドだったようで安心した。